Perfume 代々木体育館ライブ:出会えて良かった

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Perfume武道館ライブでは記憶がとぶほど空を飛びました。さて今回の代々木ライブはどうだったでしょう?

・・・大丈夫、記憶があります!!

記憶があるのは実は良し悪しで、ある程度冷静、そこまでのめりこんでないともいえるし、逆に冷静になったことでまた見えてきたこともあります。ということで行ってみましょうか。

もはやお約束ですが、コンサートやライブでここ代々木体育館に来たのは TM Networkのライブ以来、約20年ぶりです。代々木体育館は当時から変わっておらず、その広さ、ステージまでの長さはなんとなく記憶しています。当時のTM Networkのライブでは、確か木根さんが宙吊りになって空を舞ったか、ものすごい長い竹馬みたいな足をつけて歩いたか、とにかく高いところを移動していたような気もしますし。ギターを担当している人が宙を舞う必然性はまったくないのですが、代々木体育館という空間を生かす演出としては、アリだったのかもしれません。

そう考えるとステージ上はPerfumeの3人のみ、天涯孤独のステージパフォーマンスです。武道館も広かったですが、ほぼ円形になっていて、さらにはセンターステージを活用することで観客、いや参加者との距離は遠くなっていつつもまだ表情が見える距離。ある意味今までのPerfumeのライブパフォーマンスの延長上であったのかもしれません。

ところが代々木体育館はそれを上回る大きさ、そして参加者への距離です。

さらに今回私たちの席は2階席。武道館ライブはアリーナ席だったので波というか、渦の真っ只中にいる上にセンターステージへの距離はほんの数十メートル。それに対しておそらく数百メートルは離れてしまったことでしょう。

そこで我々が用意した飛び道具はこちらです。

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じゃ~ん、双眼鏡(オペラグラス)!

面白いことに、一緒にいった人のほとんどが示し合わせたように双眼鏡を持参していたのには笑いました。みんな懸念は一緒ですね。双眼鏡の性能自慢がはじまったり。


そんなことはともかく、ステージです。今回の代々木体育館は「ディスコ!ディスコ!ディスコ!」というタイトルが示すように、ディスコがテーマ。そのテーマは「What is DISCO?」というワードを主軸に展開され、ステージの造形もあちこちにディスコの代名詞ともいえる「ミラーボール」が配置され、センターステージには巨大なミラーボールが。

ライブが開始されるとこの巨大なミラーボールがあがり、ステージからPerfumeが現れました!今回は武道館ライブのような仕掛けはなく、ホンモノです。しかし思わず他にホンモノがいるに違いないと他の場所を探してしまった私です。

そして一曲目はズバリ当てました。ワンルーム・ディスコです。

Perfume 代々木第一体育館ワンマンライブ エスキモーpino presents「ディスコ!ディスコ!ディスコ!」はいよいよ今週末 ([の] のまのしわざ)

ズバリ、1曲目はワンルーム・ディスコからはじまると予想しているのですが、どうなるのでしょうか。

きたー!

でーでーででで、ででーででで!でーでーででで、ででーででで!

どんどこどんどこ、すっとこどっこい、どんどこどんどこすっとこどっこい!

ワンルーム・ディスコ!

・・・

アリーナ席の前部はすでに最高潮盛り上がっていましたが、新曲なのでライブでみるのはこれが初めて、どこでどう盛り上げていいのか分からず、ちょっと様子見な雰囲気。こういうのがわかるのは、俯瞰席いや二階席のいいところ?

そしてそのままポリリズムに突入。これはもう定番中の定番、最初様子見だった人も一気にエンジン全開、レッドゾーン突入です。さらにシークレットシークレット、EDGEと続くという、なんと4曲約20分も踊りっぱなし。

一部から「(今日は)飛ばしてんな」というつぶやきが漏れ聞こえるくらいの飛ばしっぷりでした。これで体力もつんかな?と思うくらい。一番心配なのは私の体力でしたが。

MCでは定番のグッズ紹介。今回の目玉は、

・あ~ちゃんの小物入れがガビガビになったので作ったという、小物入れ

そして

・ゲーム好きののっちのNINTENDO DSを入れるのに最適なポーチ

と、まさに必要はグッズの母ってな具合でPerfume自身が欲しいものを具現化したものでした。かしゆかは何か必要なものなかったのかなぁ。お買い物バッグからタオルやら小物入れやらポーチをいちいち出してかざす、かしゆかの姿がものすごいかわいい!商店街とかスーパーのお買い物姿が似合うこと間違いなしです。

かしゆかもそのうちお嫁にいって、主婦とかすんのかなあ・・・

なにぃーーー!そんなの許さん!!

いやしかし武道館ライブでは右手の薬指と左手の小指に指輪してたしなあ・・・

なにぃーーー!そんなの認めん!

しかし年頃のかわいい女の子なんだから、もてるだろうし、つきあっている人だっていてもおかしくないし・・・

なにぃーーー!フンガーーー!

と自分の中で二人の自分が葛藤して、大変なことになってしまいました。

それはともかく、面白いことにPerfumeも代々木体育館の広さを気にしていたようです。なぜなら、まるで私たちと示し合わせたかのように、

双眼鏡(オペラグラス)を用意していたのですから!!

MC中、観客席を双眼鏡で覗くPerfume。

そしてそれを双眼鏡で覗く観客。

目と目があうじゃなくって、双眼鏡と双眼鏡がみつめ合う姿・・・シュールです。

それにしてもセンターステージから左右の袖まで、マイペースかつ丁寧に、双眼鏡をつかいつつ観客を眺めるPerfume。いくらなんでもこのマッタリさ加減はないだろうと思うくらい、テラフリーダムなPerfume。逆にそれくらリラックスしてくれると、こっちもリラックスできて、うれしいです。いや本当に全然いいですよ、おかげで体力的に楽になりますし。

そして今回も盛り上がりポイントはSEVENTH HEAVEN、そして私にとっては初となるNIGHT FLIGHT。

SEVENTH HEAVENは「どんだけ~」もとい、「どれだけ~」でもう涙腺うるうるきてしまうくらいの曲。なにがいけないって、ニコニコ動画で「フランダースの犬」の最終回とあわせたMADがあって、もう超なけるわけですよ、あ、書いてて泣けてきた。パトラッシュ、もう僕は疲れたよ、から天使がお迎えにくるのとSEVENTH HEAVENの曲が本当にマッチしていて、号泣。そんなわけでイントロでもはや泣けてしまったわけです。

さらにNIGHT FLIGHTは80年代テクノ万歳な曲調で、まさに私のツボ。すごくまっとうな作り方の曲なんでしょうけど、これ何度でも聴いていられそうなくらい気に入りました。はやくCD買いたいのですけど、どうやら7月リリース予定のアルバムに収録されるようですね。

そして今回最高潮の盛り上がりは「What is DISCO」のPerfumeメドレー。

従来butterflyがかかると「衣装チェンジだ!」と思うわけですが、今回はbutterflyはなし。その代わりに「What is DISCO」の映像が流れます。butterflyも好きな曲で、これがライブでかかるとまさにクラブのような音場で踊れるわけですが、「DISCOをさがせ!」というショートコントみたいな映像はそれはそれで見ごたえがあります。

そうそう、思い出しましたけどEDGEの後ろの映像で出てくるPerfume、武道館バージョンと実は変わっていて、今回のバージョンでは帽子かぶってましたね。その帽子をかぶったPerfumeが「What is DISCO」映像にでてきていて、「今回はもう仕込みはないからね!」とかあ~ちゃんがMCでいってたわりには丁寧かつ、こみいった仕事ブリです。

もちろんショートコントの中に出てくる小物もよくもまあ、と思うくらい80年代。コンピュータがなんと中学時代使っていた、思い出深い

MZ-2000(グリーンモニタ)

であったのに感動しました。今見てもシルバーボディに電磁カセットメカといったデザインは秀逸だと思います。他にもWatchmanらしき携帯TVがでたりと、80年代満載。そしてなんかボケも入っていて「それ、DISCOやない!」みたいなツッコミができて面白かったです(何だったかは忘れたw)。

そして「DISCOはこれだ!」となってPerfume再登場、ディスコ!ディスコ!ディスコ!が始まったのです。しかも珍しくリミックス&メドレー。Baby Crusing Loveからはじまりつつ、GAMEが混ざって、よく「夜もヒッパレ」であるような2曲混ぜてしまうようなアレですね。でなおかつダンスも交えてかっこいいったらありゃしない。その勢いでつぎからつぎへと名曲をながし、懐かしい「おいしいレシピ」を混ぜて古参ファンを喜ばせ、さらにジュリアナかベルファーレか分かりませんけどついに扇子を三人が持ち出してお立ち台で踊るという、まさに古き良きディスコ!

代々木体育館がディスコになった瞬間です。

そしてメドレーの〆は水道夏こと「スイートドーナッツ」ですよ。全員が腕をあげ、左右に振る姿はまさに圧巻。2階席最前列からだとアリーナ、そして対面の1階席、2階席が一望できるのですが、すべての人が腕を左右にふる姿で視界が埋め尽くされたのです。この様子はまるで、

水田の稲穂が風によっておおきくたなびくがごとく。

まさに豊穣の証。よく「小麦色の肌」といいますが、腕の肌色が「金色にそまった稲穂」のように見えました。そして劇場版「風の谷のナウシカ」のラストシーン、大ババ様が言った言葉。

その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし。失われた大地との絆を結び、ついに人々を清浄の地にみちびかん。

を彷彿とさせました。そういえば登場時の衣装はラメが入った真っ青な衣装、まさに青き衣をまとってました。その時は違う衣装でしたけど、Perfumeがナウシカになった瞬間で、私たちを清浄の地に導きそうな勢いでした。

そしてその後はいつものライブ風。武道館と同じようにPuppy Loveで上上下下左右左右BA、いや上上下下上下上上でもりあがり、アンコールへ。

実は今回の代々木体育館は、武道館ライブツアーといってもいいんじゃないかと思いました。つまりパート1とパート2。完結編的意味合い。ヤマトでいえば「さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち~」。銀河鉄道999でいえば「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」。武道館は出発駅だったのに対して、代々木体育館は終着駅。

武道館ライブ初日は明らかに堅さが見え、表情にもゆとりがなかったと感じていました。GAME TOUR DVDやfan service bitter DVDでみられた、表情の柔らかさが見られなかったんです。アリーナ席という絶好のポジションであったから表情までみてとれたわけですが、今回の代々木では距離が遠くそこまで見ることができません。しかしあ~ちゃんの感極まり具合、そして言葉がすくなかったかしゆかが、Perfumeやジェニーでみせるはっちゃけさブリ、そしてぐっと色っぽくなりさらにボケにも磨きがかかってずっと双眼鏡で観客を凝視しつづけるのっちの三人をみると、ようやく本来のPerfumeの姿になったんじゃないかと。

武道館ライブから代々木体育館ディスコにいたるまでの間には、年末の歌番組への出演、紅白出場がありと、基本的な活動がTVにシフトしたのではないかと感じられました。つまり活動がローカルからマスへとシフトしてしまったのかと。

しかしあ~ちゃんがMCでこう言います。

毎日、学校にいって、TVの収録してる。
毎日、学校にいって、ラジオの収録してる。
毎日、学校にいって、CDの収録してる。
毎日、学校にいって、PVの収録してる。
毎日毎日、学校にいって、その後仕事をしてる。家に帰って家族とフルーツパーティ。
「ワンルーム・ディスコ、ディスコ、ディスコ」と「ディスコ」しか歌ってない曲で、なにが新生活の応援じゃとか、毎日こんなに忙しく活動してるけど、本当にお客さんは私たちを待っているのか分からなくなるなど自分の活動に意味を見出せなくなることがあった。

いま最も成功しているグループ、Perfumeであっても見失い、思い悩んでいる心中を吐露してます。しかしそんなのはこの代々木体育館に来ているお客さんを目の前にすると杞憂だったと。そしてこう言います。

「Perfumeはライブであり、ライブをやるためにアルバムを出し、DVDを出し、TVに出ている」のだと。皆さんからエネルギーをもらって、皆さんに(改めて)感謝したいというのです。これはもう武道館ライブ「ツアー」の完結編といってもいいでしょう。

最後に「ありがとう」を超える言葉がみつからないので、別の言葉で表現してくれました。

「みなさんと出会えて良かった」

アンコール最後の曲は定番のwonder2ではなく、「願い」。ダンスもなく、ゆっくりと歩き、階段に座って歌いあげてしっとりとした雰囲気です。が、もう私の頭の中ではその前の言葉、「出会えて良かった」が何度もリフレイン。

人と出会うっていうのは、本当に偶然です。運命的な出会いといいますが、Perfumeと出会い、こうしてライブに足を運ぶというのはまさに偶然の出来事。Perfumeに出会わなくても平穏無事な生活はできてたと思うのです。しかしPerfumeと出会えたからこそ、楽しい今の生活があると思えます。

代々木ディスコの冒頭に「Perfume(のライブ)は加入型(参加型)だから」とあ~ちゃんがいいました。Perfumeの3人を、ダンスを、歌を聴きに行くという「受動的」なスタイルではなく、参加する、エネルギーを送る、熱を送る、気を送る(?)、とにかく自分からPerfumeに何か伝えなきゃという気にさせる、相互作用型パフォーマンスがPerfumeなのだと思います。

それがインタラクティブということであり、コミュニケーションの真髄で、だからこそ このコミュニティはコピーできないんだと思います。

ということでこの言葉で今日は締めたいと思います。

「Perfumeと出会えて良かった」

毎度ですが、チケットを手配していただいた方々に改めて感謝いたします。どうもありがとうございました。

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Perfume 『BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!』
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