Perfumeが口パクでなければならない理由

Perfume(かしゆか、あ~ちゃん、のっち)が口パクだからどう、とかいう議論がありますが、真理は逆です。口パクでなければならないのです。

Perfumeの戦い|ミーハーおやじのカラオケでポン♪

彼女たちは、好きで口パクやってるんじゃない。

彼女たちは小学生の時から、アクターズスクールでずーっとボイストレーニングを積んできたんです。

でも、デビューしても売れなくて、、

テクノポップ路線に転換し、中田ヤスタカ氏からレコーディングで座って歌え、歌い上げるな、感情をこめるなと指示された。

彼女たちは、これまで培ってきたこと、信じてきたことを全て捨て去ざるを得なかった。

指示されることもよく分からなかったし、今まで、言われたこと無いことばかりで難しくて、わからなくて、くやしくて、みんなで泣いていたそうです。

売れないアイドル、売れない歌手。誰も自分たちを知らないし、お客さんは歌の最中でも目の前を素通り。この無力感、虚無感は計り知れません。

Perfumeの戦い|ミーハーおやじのカラオケでポン♪

そして、彼女たちは、大好きなライブでも、一部を除き、楽曲の特殊性から、自分の生の声を消してパフォーマンスをせざるを得なかった。

歌が大好きで歌手になったのに、ライブで声が出せない辛さが分かりますか?

プログラムが大好きでプログラマーになったのに、プログラムできないつらさなら良く分かります。
「プログラムなんてしなくていい。ただ言われたとおり、PCの動作検証して」なんて。

ただここで奇跡が起きたんだと思います。歌わない、口パクが前提のダンスは発声の都合を無視した動きが可能となるのです。つまり制約なしのダンスはまさにフリーダム。間断なく続く全身の動きにくわえてのポジションチェンジ、連続してのパフォーマンスでどんなに息が切れようとも、その動きは止まらないのです。

実際MCに入ると、ハァハァと息を切らしている姿はDVDなどでよく映し出されていますし、MCのセリフが息も絶え絶えだったりしてます。それほどの激しいパフォーマンスでも、楽曲は口パクなので当然平穏無事に再生されたままです。

生歌原理主義の人にとって許しがたいことなのかも知れませんが、Perfumeはテクノポップアイドル。サンプリングを使うのがテクノだとすると、すべての歌声をサンプリングして再生することはひとつの手段。逆に生歌をすて、口パクを前提とすることであの激しく、シャープな動きが達成できるのですからこれは絶対にアリです。

さらにダンスはよく見れば歌詞の世界感を全身を使って表現していて、普通のダンスというよりも手話やボディランゲージの延長といってもいいでしょう。Perfumeの場合歌詞は声だけではなく、全身で表現しているのです。生で歌うのを諦めた代わりに得られた全身での表現は必見です。

Perfumeの武道館ライブ:とにかく一度は生で見ないとダメ編:[mi]みたいもん!

次にアスリート問題(同時に口パク問題でもあるかも)。

Perfume 武道館ライブ:記憶がとぶほど空を飛んだ ([の] のまのしわざ)

少し気になったのは、この3人、足がだんだんとアスリート系の筋肉質になっている点。あれだけの動きを連続してやるんですから、そりゃ筋肉もつきますよね。

『トップランナー』④【トーク編★カットされたあんな話】|Perfumeにお熱!

いや~~、Perfume語る語る~(^∇^) その姿勢がかっこよかった! 最後に『Perfumeはアスリート』で締められた番組でしたが 私たちも一緒に、アスリートになって駆け抜けた気分。

3人が動きをそろえたり、わざとずらしたりというダンスはスポーツで言うと「シンクロナイズドスイミング」や「フィギュアスケート(ペア)」のように芸術性や構成力を問うものと共通していて、その点からもアスリートという表現は的確かと思います。

ナタリー - 紅白歌合戦にミスチル、Perfumeら14組が初出場

「紅白本番でやりたいことは何ですか?」という記者の質問に、Perfumeのあ~ちゃんは「出場させていただいているだけで十分です、歌も詞も曲も書いていませんし。でも紅白で中田(ヤスタカ)さんの曲を歌っている人はいないので、曲だけは本当にいい曲なので胸を張って踊りたいです」と緊張気味に語った。

紅白でも胸をはって口パクで、踊りまくって下さい。アスリートですから。

セマイドル(=狭い+アイドル)Perfume:畳二畳から武道館、そして代々木体育館へ ([の] のまのしわざ)


【関連リンク】

名無しのデムパ論  和田アキ子のPerfumeに対する批判なんて、単なる売名行為だろ?


Perfume 『BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!』
Perfume
B001TITK8A