実物大ガンダムにみる、30年の移り変わり

ガンダム誕生30周年を記念し、お台場に実物大(等身大)ガンダムが建造されました。

●写真はDanny Chooさんのを是非どうぞ ⇒ Gundam Odaiba - a set on Flickr

世の中はかなりこれで騒然とし、われもわれもとお台場ガンダム詣が始まっているようですね。ニュースサイトでも大きくとりあげていて、注目されています。

こういった事象をみるたびに、本当に年月が移ろい、時代が変わったんだなあと感じます。

というのも、、、

昔アニメの社会的地位は低く、そのアニメが好きだ、というだけで差別されていた時代だったからです。その差別語が「おたく」でした。

本来「おたく」は蔑称であった ([の] のまのしわざ)

昨今は「オタク」という言葉が一般化され、「○○オタク」となれば「○○に詳しい人、専門家」みたいないいイメージもついて回っています。そのため「オタク」と呼ばれてもあまり気にしないというか、言われてもダメージはありません。

しかし「おたく」という言葉は本来「蔑称」であり、アニメを趣味とする人たちにとって「おたく」と呼ばれることはとても恥ずかしいことだったのです。

ガンダムが大ブームになり、ガンダムのムック(多分アニメージュ別冊のロマンアルバム)ではそのガンダムについてサブカル界の著名人にインタビューするという、無茶というか、無謀というか、勇気ある行動に出ました。が、その結果は惨憺たるもの。

「見てないし、見る気もない」

「ノーコメント」

「続編は作らないでください」

などなど、否定的なコメントが並んだものです。サブカル界の中でもアニメ、特に「ロボットアニメ」の地位はむちゃくちゃ低く、その作品自体を評価する以前の状況でした。そんな中で富野由悠季監督が反骨精神で頑張ってきたわけです。

それから30年たって、ガンダム、お台場に立つ、となったわけですが、ここだけ切り出すとまさに「青天の霹靂」といってもいいでしょう。富野監督がはしゃぐのも分かります。社会的に認められたということもあるでしょう。

私たちはある意味ガンダムによって育まれた世代。あえて呼ぶなら、

「スターチルドレン」

なのです。富野監督が生み出したスターチルドレンと、そしてスターチルドレンが社会を変えるというドラスティックな変革がいま、まさに現実のものとなったのです。

これこそが、人類の進化、革新といっていいのかもしれませんよ。

だから日本はすげー国なんです。残念とかいってる場合じゃないですよ。

富野由悠季監督と中村勇悟さんの異色対談(その1):富野監督の半生 ([の] のまのしわざ)
富野監督とスペースコロニーとnew type論と ([の] のまのしわざ)
ガンダムクライシス:トークショーで富野監督が・・・ ([の] のまのしわざ)
富野監督インタビュー記事 ([の] のまのしわざ)

ちなみに、ガンダムの身長が18メートルになった由来は、

「マジンガーZにあわせたから」

でした。

ガンダムとマジンガーZの身長は同じ ([の] のまのしわざ)

(飯塚正夫インタビュー p.257) 当時雑誌ではロボットの大きさ、重さ、強さ比べをやっていました。50m, 100mは当たり前。中には300mのものもあり、そうした巨大ロボットとパワードスーツのイメージのぎりぎりの妥協点として18mと設定しました。これは巨大ロボットの最初のアニメ作品「マジンガーZ」のロボットと同じくらいの大きさ・・・(中略)でも18mだと本当はやっぱりスーツじゃなくて巨大ロボットですよね。

ガンダム者―ガンダムを創った男たち
Web現代「ガンダム者」取材班

ガンダム者―ガンダムを創った男たち
ユリイカ2007年9月号 特集=安彦良和 『アリオン』から『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』まで 映像の原則―ビギナーからプロまでのコンテ主義 (キネ旬ムック) 機動戦士ガンダム ジ オリジン 画集 アニメ・マンガ・戦争 大河原邦男画集 機動戦士ガンダム 原典継承
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