みんなのフィット、みんなのハイブリッド! ホンダ・フィットハイブリッドに試乗してきました

今年の試乗第一弾ですよ! ドイツ車かフランス車かと思われていましたが予想に反してなんと日本車。ホンダ、フィット・ハイブリッドです。

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インサイト、CR-Zに続くホンダのハイブリッド、フィット・ハイブリッド。なんだかんだで実は一番の本命といわれ、もともと燃費がいいフィットがハイブリッドでどうなるのか。気になったのでお世話になっているディーラーへいって試乗してきました。

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(運転席サイドシル、「ハイブリッド」の文字が光る)

まずキーレスエントリーにびっくり。キーをもっている人はキーを回せるけど、キーもってないひとは回せないんです。どちらも近くにいるのに、なんでなんで? まるで手品のようなキーレスエントリーですが、とにかくエンジンをかけてみましょう。

メーターパネルが綺麗ですね。最近のリッターカーでこれかあと感慨深いです。

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中央にスピード計とマルチインフォメーションディスプレイ。充電、放電状態がひとめで分かります。

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右が充電、放電のインジケーターと燃料計。

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左がタコメーターとなっています。アイドリングストップ機能(AUTO STOP)もあります。

エンジンをかける、という動作はとても普通のことでハイブリッドを意識しません。走りだすのもごくごく普通、Dレンジにいれてアクセルを踏むだけ。

走り味もまったく普通。なんの違和感もありません。アクセルを大きく踏み込むと電気アシストがきき、逆にブレーキを踏むと回生が働いて電池を充電します。

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(回生充電時、メーター背景が緑)

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(EVモード、メーター背景が緑)

回生状態とガソリンカットしてモーターだけで動いているEV状態だとメーター背景色が緑になります。

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加速しているときは背景色が青に変わるので、状態が非常に分かりやすいですね。

カーナビ画面にeco情報を表示することで、詳細をみることができます。

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特にみるのが瞬間燃費と平均燃費。平均燃費は青葉アイコンの評価とともに表示され、しかも1回前の走行(前回)と同時表示なので比較してみることができます。

瞬間燃費はバー式でぱっと見てもどれくらいかよく分かりません。ただ25km/Lを超えるか超えないか、これがひとつのボーダーラインで25km/Lを超えるようにじわっと操作するのがエコランの秘訣でしょうね。

走行ルートはいつもの山坂道。シフトをSモードに切り替え、長い坂道を一気にアクセル全開加速!

まずCVTのギア比がローギアードに。それに呼応してエンジン回転数が高回転に。

さらにモーターのアシスト量が最大、アシストを示すメーターが右に振り切れます、クン!

モーターアシストを得たエンジンはもう一段高回転に、エンジン音が高まります。

この3段階スライド方式の加速で坂道もラクラク。これはいいぞ!

ちなみにホンダのハイブリッドはパラレル式と呼ばれる方式。簡単にいうと電動アシスト自転車と同じで、人間=エンジンが中心。エンジンの負荷を軽くする、燃費をよくするためにモーターアシストを使っています。

ですから坂道も普段はウンウンいってガソリンをたくさん使っちゃうところをモーターがアシスト、バッテリーにたまっていた電気を有効に使ってガソリンをあまり使わずに上っていくわけです。

これはイイと気持ちよく上っていたのも束の間、ふと気付くとエンジンだけが頑張ってます。あれれ、モーターはどうしちゃったの?

シビックハイブリッド:実燃費とホンダの考えるハイブリッドとは ([の] のまのしわざ)

・バッテリー(残量)を温存したがる?

以前北海道でシビック・ハイブリッドに乗ったのですが、その時と同じ現象。バッテリー残量が半分を切るとバッテリーを温存、充電モードに入っちゃうのです。そのためインジケータをみると電流が電池に流れる表示が。とはいえ普通のフィットと同じ1.3Lエンジン、軽量コンパクトなフィットなので鈍亀になることはありませんでした。

この時の燃費は11.4km/L。エンジンを全開にした割には悪くないですね。

逆に山からディーラーまで戻ってくるのは回生ブレーキのおかげであっという間に電池はマンタン。軽いモーターアシストで燃費走行をしてくれたおかげか、帰りの燃費は25.8km/Lほどでした。総合するとだいたい18km/Lくらいですから、アクセルをがんがんに開けなければもっと伸びるでしょう。

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フィット・ハイブリッドが採用しているIMA、これは基本的にインサイトと同じものですがインサイトの初期バージョンよりもリファインされた最新バージョンのものが使われているそうです。初期バージョンはモーターアシストの力が強すぎて、ガクガクすることがあったそうですが今はとても滑らか。そのおかげか運転中明確なモーターアシストを感じることはできませんでした。ブレーキもとてもナチュラルで回生ブレーキの強烈な効きやブレーキペダルの不自然な重さといったのもありません。

逆にこの控え目なモーターアシストと回生ブレーキのおかげでエンジン車から乗り換えても違和感なく走行でき、しかも結果的にもともと良いフィットの燃費がさらによくなるという好結果をもたらしています。そういう意味でまさに万人のためのハイブリッド、

みんなのハイブリッド!

でした。フィットが現代のシビック(市民カー)、と言われるのもなんとなくわかりますね。街中の燃費は普通のフィットが15km/L、ハイブリッドは20km/Lくらいまでいくそうです。

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使い勝手のほうはというと、まさにフィット譲り。トランクの床下にバッテリーが収まっていて使えなくなっている以外はまったく一緒。エンジンルームもそのままです。

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跳ね上げ式のリアシートも健在。

運転席まわりはとても開放感があって視界がいいです。

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シート位置は比較的高めでアップライトなポジション、シートリフターがあるので背の低い人でもこの視界の良さをえられるでしょう。女性や高齢者にも優しい作りです、さすがはみんなのフィット、みんなのハイブリッド!

乗り味はというとポジションにもあらわれていますが、コンパクトカーというよりもミニバン。小さなミニバン、マイクロバン? ミニミニバン? と呼んだ方がいいといった風情。ロールが大きく、レスポンスはゆったり。大きな船に乗っているかのよう。船舶的にいうといわゆるトップヘビーってやつでしょうかね、荷物は下に置きましょう。

乗り心地はよく、ゴツゴツ感もコツコツ感もないです。ハンドルは軽くてあまり手ごたえがありません。そういう意味でもまさに船ですね。

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船、船といってたら、なんとなく海の生物にも見えてきましたよ。そういえば今度のフィット・シャトルは「うなぎ」といわれているんだとか。うなぎも海(川?)の生物ですしね、えっ?

さてこのフィット・ハイブリッド。枯れた最新テクノロジーIMAを熟成させて作られているので本当に完成度が高いです。インジケータを隠して親を乗せたら絶対にハイブリッドって分かりませんね。でも親世代にはそれくらいでいいと思うんです。

おう、このクルマよく走る割には燃費いいな!

って言われたら大成功。親に買ってあげたい1台でした。159万円というお手頃価格も嬉しいです。

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