電気自動車にしない理由がみつからない! 日産リーフ・高速試乗してきました #nissanleaf

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12月20日に発売になる電気自動車、日産リーフを追浜のテストコース「GRANDRIVE」で試乗してきました。今回ハンドルを握って 100km/hオーバーの加速・高速巡航も試しましたよ!

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さて試乗の一部始終はこちらの動画にて。

GRANDRIVEはサーキットではなく、一般路を模擬したクローズドコース。ということで一般道・高速道路と同じく速度制限など標識に従い、急ハンドル、急ブレーキはご遠慮くださいとのこと。とはいえ60km/hから100km/hまでのフル加速が試せました。

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今回ハンドルを握ってみて気づいたことといえば、改めて静かだということ。

静かすぎるから、風切音が気になってきたという説明をつけたのですが、実際そのとおり。速度に比例してビュービュー、ゴーゴー音が増えるのがわかるのです。

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(風切り音低減のための、ヘッドライト形状)

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(風切り音低減のための、アンテナ形状)

一般的なガソリン車では高負荷となりエンジン回転数もあがるのでエンジンの騒音に気をとられて気づきにくいのですが、まさに静かなモーターならではのぜいたくな悩み。バイクに乗ってたとき、高速になるにつれてヘルメットにビュービュー音が入ってきたときのことを思い出しました。

次に気づいたのが速度感がないこと。

100km/hを体験したあと減速するのですが、ぜんぜん速度が落ちきらないというか、落ちたつもりでいても速度がまだ乗っているのです。

この理由もやはりエンジン音がしないから。速度感が今までエンジン音を含む騒音にいかに頼っていたかということがよくわかりました。特にミッション車だとエンジンの回転数とギアで速度感をわかったのですが、EVでは皆目検討がつきません。速度メーターが今まで以上に大切。

面白かったのがアクセルオフ時の感触。

ECOモードでは特に顕著なのですが、回生ブレーキによりぐんとエンジンブレーキのようなブレーキがかかるのです。感触的には従来のエンジンブレーキと同じですが、発電してくれて、エネルギーを回収するのでものすごく、、、

お得な気分!

回生具合はメーターに表示されるので、視覚的にもわかります。

ECOモードではこの回生が強烈になるので、まるでミッション車にのっているかのようなエンジンブレーキが体感できますよ。

一方アクセルオンはというと、通常のDモードは普通ですが、ECOモードではまさにエコカーらしく、アクセルをちょっとやそっと開けても加速しないようになっています。ある意味ダルなセッティング。ラフなアクセル操作でも燃費ならぬ、電費に影響しないようになっているんですね。このECOモードにより航続距離は10%ほど伸びるそうです。

アクセルをあけている状態でECOモードからDモードへ変更すると、たくさん電流が流れてグンと加速するのがわかります。同じアクセル開度でもこれだけ違う、というのが体感できる瞬間でした。

なおECOモードでもアクセルべたぶみすれば、フル加速はしてくれます。

このへんのセッティングはすべて制御プログラムのなすがまま。すべてが電子制御なのでプログラムで自由自在です。つまり例えばトラクションコントロールやクルーズコントロール等も全部プログラム次第。パーキングブレーキも電動で自動解除したりと、かなり先進的。

さて最後に乗り味はというと。

これは至って普通(笑)。もうなんというかコメント力が乏しくて恐縮なのですが、従来のガソリン車から乗り換えてまったく違和感がないもの。ハンドルは軽く操作が簡単、アクセルレスポンスはよく、重さを感じさせないほど坂道をグイグイあがり、背高ミニバンのようにフラフラしない、静かで快適、乗り心地も上々。

おそらくクルマ音痴の両親をのせたら、

「なんだか随分と静かだな、6気筒エンジンでものっているのか」

といわれること間違いなし。なにより止まっているときにエンジン音がしないし、嫌な振動も一切ナシ! それもそのはず、アイドリングストップじゃなくってエンジン自体がないですからね!

エンジンがないからマフラーはないし、排気ガスも出てこない。あの排気ガス臭さともオサラバですよ。想像もしてみてください、すべてがEVになった世界のことを。トンネルだって窓あけたまま走れるんですから。

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過去蒸気機関車がありました。トンネルの前に窓をしめないと黒煙が車室にはいってきて顔から服まで黒煙まみれになったと聞きます。またまた昔話をとお思いでしょうが、親世代はこの蒸気機関車で上京してきたのです。そう考えると時代の流れはいかに早いことか。

一度EVを体験すると、排気ガスがくさく、エンジンノイズがうるさいガソリン車はもはやオールドファッション。排気ガスがでるなんて、マジありえない、排ガス自殺を助長するから全部EVにしなきゃいかん!というファシズムが出てきてもおかしくないくらい、不自然なことに思えてきます。

ガソリンだってそうです。ポリタンクに入れると静電気で着火、火災になる危険だってあります。そもそも放火の原因になるじゃないかと、灯油ストーブが危険でガソリン車が危険じゃない理由がわからない!とか。

だからEVにしない理由なんてみつかりはしないのです。

ガソリン車の常識にまみれた私たちは、EVの欠点をあげつらねてなんとか古きよきガソリン車にしがみつきたいわけですが、もう未来はきちゃったんです。20年先だと思っていた未来が、もう今年に。

EVを基準に考えれば、逆にガソリン車がいかに不自由で危険かという話になるわけです。将来ガソリン車は極限環境などの限定的使用にとどまり、旧車は一部オールドタイマーな愛好家のためのものとしか残らないでしょう。

ハイブリッドという選択肢もありますが、ハイブリッドはエボリューション、エンジン技術の延長にあるものです。でもEVは完全にレボリューション。今後ガソリンが安定供給され、値段も上がらないという保証がない現代において、ガソリン車の未来は閉塞しまくりです。

そうなるとEVへのシフトは必定。

あとはコストの問題ですが300万円で5ドアセダン・リーフが買える今年。そして各メーカーが虎視眈々とEVを用意している状況で、今後EVの選択肢が増えてきそうです。

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最後となりましたが、今回は試乗の機会をくださり、ありがとうございました!