レカロ、SACHS(ザックス)装着 S2000 Type-Sを高速試乗してきました

前回は見ただけですが、今回は友人のS2000 Type-Sを運転させてもらいました。

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最高のS2000は最新のS2000 type S ([の] のまのしわざ)

そう上原繁氏が言ったかどうかは分かりませんけど、S2000の最終モデル type Sを友人が購入していたのを初めて見せてもらいました。

前回はシートがレカロに変わっているのを確認したのですが、今回は車高が下がってる!? なんとザックス(SACHS)サスペンションキット(ショックアブソーバー)に変わっているとのこと。これは豪華です。

ASM SREダンパーキット1WAY 07スペック

レーシングダンパーの最高峰、ザックスレースエンジニアリング製ダンパー。2006年モデルと比較してアジャストケースの形状変更とダンパーの内部構造変更、アッパーマウント形状変更を行ない、圧側ダンパーストロークを20mm増加、厚側減衰力を10%ソフトに振り、ストリートでの快適性をさらに向上させています。HYPERCOスプリング12kg/mm付属。

仕様はS2000 Type-S、純正DVDナビ、レカロ(左右)装着、ザックス(前後12kg)といったところ。いざオープンにしてスタートです。まずは助手席から。

最初感じたのはやはり硬さ。街中のちょっとした段差、道路の継ぎ目でコツコツした感触がかえってきてノーマルS2000とは違います。とはいえ、オーナーいわくType-S純正ショックよりも角がとれたというので、Type-Sはどんだけ硬かったんだという話です。

高速にのり大黒埠頭で運転を交代。いきなりフェラーリ360とマラネロに挟まれました、さすがは大黒埠頭。全然やるきだったのですが(?)、ランデブーしたいフェラーリに道を譲られたので大人しくパス。

高速道路にのって気づいたのは、オープンだと風の巻き込みが多いこと。気のせいかもしれないし、湾岸線の高い位置だったので風がつよかったせいかもしれません。ただ大きなリアウィングが装着してあるので、その影響もあるのでは。

シフトチェンジの具合もスムースで感触が最高、フリクションが全体的に少ない印象でエンジンも軽く回ります。ロングストローク化で2150ccと+150cc排気量アップされたF20エンジンで吹け上がりが重くなっているかと思いきや、ローギアード化されたギア比のせいなのかより吹け上がりは鋭い感じ。高速道路の追い抜きも3000回転台で悠々こなします。ふはー、こりゃ運転ラクだわ。

その後料金所、ETCが着いているのでゼロスタートではないのですが、1速に落として全開加速。友人の車ですが、きっちり8000回転レブまで回しきります。

はっえええええーーーーー(笑)

友人はひきつり笑いをしてたと思うのですが、こちらは前しか見てないので気がつきません(というか無視?)。心地よい排気音とともに一気に速度が乗っていきます。こりゃ気持ちいいや。

VTECゾーン(ハイカム領域)が6000回転から8000回転と狭いのですが、6000回転でハイカムに切り替わると排気音が澄み、グッとトルクが増します。このへんは2000cc版と変わりません。このハイカム領域をギアチェンジでつないで速度を乗せていくわけですが、スムースな吹き上がりと排気音が心地よいのです。ノーマルマフラーですが、うちのS2000とは明らかに音色が違い、フォーーーンといった音がより強くなっています。

一方で気になったのはクラッチの弱さ。滑っているわけではないと思うのですが、フニャンとしたつながり方をしています。もともとクラッチがめっぽう軽く、普通のマニュアル車のようだったので圧着力が少し弱いのかもしれません。なお、すでにAP1用レリーズに変更してあるため、AP2で不評の遅延装置はありません。

すっかり運転に慣れてきたので、その後は水を得た魚のようにスイスイ走ってしまいました。ああ、こりゃ楽しいなあ。

高速での乗り心地は最高、道路の継ぎ目でも「タタン」といった調子でこなします。安定感も抜群で、高速移動が楽しくなっちゃうでしょうね。この走りを支えているのはがっちりとしたボディ。

カタログでは「ミシリともしないボディ」と謳われていましたましたが、まさにその通りがっちり感があります。うちのS2000が「ギシギシ、ミリミリいうボディ」とは雲泥の差、上質感と静音性はこのボディ剛性からきていると思います。AP2ではAP1と比べてボディ補強をしていますが、スポット増とかもしているのかなあ。いや、うちのS2000は長年のサーキット走行で明らかにヤレているのでそのせいです。ねじれては前へ、を繰り返してますからね。湾岸MIDNIGHTでいえば、ケイのスープラみたいなもんです(涙)。

ハンドリングは余り試せませんでしたが、大黒埠頭のループでアクセルオンでオンザレール、オフでタックインを確認。アンダーステアがまったくないニュートラルなハンドリングで凄く素直。こりゃあさすがはザックスといったところでしょうか。乗り心地もよくて、ハンドリングもいいとなると、文句のつけどころがありません。

バネレートは違いますけど(F17, R18kg)、OHLINS(オーリンズ)DFVを最初装着したときはプッシュアンダーが強く、アクセルON/OFFでの挙動変化がはっきりしていて、オンにするとアウトに押し出される感じがありましたが、そういうのは皆無です。その後オーリンズDFVは仕様変更、リアの縮み側の減衰力をアップすることでバランスがとれましたが、それと同じような感じ。

ガタガタゴトゴト音がないもう一つの理由は、サスペンションのアッパーマウントは純正を利用していること。これはもうストリートを走るなら、ピロアッパーはやめといた方がいいです。特にS2000ではピロガタの音が車内にダイレクトに入るので、ほんの少しのガタでもうるさいことこのうえありません。私は一度左前を交換しています。

ピロアッパーはファミリーカーMINI Clubmanでも利用していますが、こちらもサーキットを走らないのであれば勧めません(笑)。なんでつけたかというと、好奇心です。ガタはありませんが、ダンパーの性能だけで乗り心地が決定されてしまうので、ストリートではマニアックすぎでしょう。

ということで非常にバランスのとれたS2000 Type-Sでした。正直いってこれはいいです。さすが、最高のS2000は最新のS2000。

一時S2000を新しいS2000に買い換えることも検討しましたが、追金が300万円くらいになってしまうということで断念しました。それだけあれば、どんだけチューニングできるというお話です。

このS2000 Type-Sの上質感と軽快感、ひらり感と正確性のバランスは凄いです。これは世界に出しても恥ずかしくない良い車ですよ。残念なのは生産終了になってしまったことですが、どうもまだどこかにメーカー(ディーラー?)在庫が残っているとかいないとか。探すなら今のうちかも。

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