車はエンジンとミッションの組み合わせで決まるというお話

最近フルモデルチェンジしたVWのゴルフ(6世代目)とポロ(5世代目)のレビュー記事を読みました。そこで漠然と考えたのが、どんなにいいエンジンでも組み合わせるミッションがあってないとスポイルされちゃうな、ということ。

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MINI Clubmanを購入するとき比較したのは6速DSGを搭載したGolf 1.4TSI、そしてAudi A3 1.8TFSIでした。どちらも同じツインクラッチのミッションで、パワーフィールが途切れず、パワーバンドをつないで加速していくのはまさにスポーツカー。特に燃費とパワーの両立、そしてツインチャージャーと過給器が2個ついてオトクな感じがする1.4TSIはお気に入りでした。

MINI Clubmanのエンジンは1.6Lツインスクロールターボで、ターボラグがなくトルクバンドも広く、最高出力は175psとかなりの強心臓です。しかし、残念ながら組み合わせられるトルコン式の6AT(多分アイシン製)、回転差があってもぞんざいにつなぐラフさ加減で、シフトショックは大きいです。またヌメヌメした加速フィールはまさにトルコンならではで、DSG(Sトロニック)と比較すると明らかに前世代感が漂います。

さて本日発売のヤングマガジンに掲載された湾岸MIDNIGHTでは、S2000の価値はエンジンではなく、その6速ミッションにあるとしています。この指摘は先刻の漠然とした感覚、エンジンは組み合わせるミッションが重要、とちょうど符合しました。

S2000の6速ミッションは独自開発でクロスしたギアレシオ、かっちりしたシフトフィールともに最高です。エンジンの性能を引き出せるミッションといってもいいでしょう。私のS2000はエンジンマウントもミッションマウントもまったく手付かずで、ノーマルのままなのですが、それでサーキットを走りきれるだけの剛性をもっているのですから驚きです。

剛性がないとどうなるかというと、エンジン全開の負荷によりミッションがよじれてギアは入らなくなるのですが、そんなことは起きないくらいしっかりしてます。

ホンダのVTECエンジンは高回転でその真価を発揮しますが、オートマだと組み合わせが悪くてその性能は発揮できません。そのため実際NSXのオートマなどでは出力を抑え中速トルクにふっています。現代のようにツインクラッチのオートマがあればそういうこともせずにガンガンに高回転側にふることも可能でしょうから、ちょっと残念ですね。

もうひとつ現代において考えなければならないのは、燃費や排ガスをおさえるためにより一層の低回転化が進んでいることでしょうか。VW/AudiにしてもMINIにしても、最大トルクが2000回転以下から発生するようにしており、これはターボチャージャーまたはスーパーチャージャーの恩恵ですが、ギア比を低くし回転数を抑えることで燃費を稼いでいます。その点では高回転で出力をかせぐVTECエンジンは今風ではありませんね。

結局車の性能というのはエンジン単体で決まるわけではなく、組み合わせるミッション、シャーシ、サスペンション、それらの総合力に左右されますね。それはミニ四駆でも同じでどんなに速いモーターだけを投入しても、バランスを崩してしまうだけです。

MINI ClubmanのミッションがDSGになればもっといいのになぁ・・・なんてことを考えた本日でした。

AudiとVWの6速DSGギア比の比較 ([の] のまのしわざ)

MINI Clubmanに決めた7つの理由 ([の] のまのしわざ)