音楽雑誌「音楽と人」の最新号にPerfumeのインタビュー記事が掲載されています。随分前に買ったのですが多忙で今まで読めていませんでした。丁度ワンルーム・ディスコ/23:30に関することも書かれていたので、ワンルーム・ディスコのCDが届いてから読めたのでより理解が深まりました。
Perfumeという団体の不思議なところは、独特な見通せない未来感にあると思います。それらを評して
「今がずっと、このまま続けばいいのに」
という言葉に集約されます。つまり今現在が幸せで、この後予定されていることもとても素敵なことで、それを楽しみに今を頑張れるわけですね。ただその後のことは?となると、まったく見えません。しかし真っ暗闇ではなく、平凡な毎日に戻るだけのお話。
この状態は学園祭準備のよう。
今はまだ前夜祭の状態で、学園祭は常に明日に控えているんです。しかし明日になってもまだ学園祭ははじまらず、また準備と前夜祭で1日が終わる。
確かにこの時間は楽しく、恍惚感をうんでいくことでしょう。しかしみんな気付いてます。
「これはいつか終わる」
終焉を予感し、常に内在させることでより今の時間を昇華させることができるのです。
Perfumeという団体自身も常にそれを意識しており、ことあるたびに「Perfumeが必要とされなくなった時は」「Perfumeが求められる限りは」といった発言に現れています。
しかしそれは不安や恐怖といったものとちょっとだけ異なります。なぜなら終焉は必ず、誰にでも訪れるからです。誰にでも、なんにでも訪れる変化、それが終焉です。
その終焉を遠ざけるために、今を精一杯頑張っている、そしてそれを見ているファンも精一杯応援する、という図式です。
「音楽と人」は端的に
「うる星やつら ビューティフルドリーマーの世界のようだ」
と評しましたが、まさに共感しました。ただ、まさかPerfumeが押井守に通じるとは、夢にも思いませんでしたけどね。
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けろっぐ博士
うる星やつらとPerfumeはかなり共通点を感じます。
私のキーボードの師匠で小林泉美というのがいるのですが、彼女が当時うる星の音楽担当でした。
当時はまだアニソンという小じゃれたジャンルが無く、アニメソングは渡辺岳夫あたりの軍隊マーチ風の作風が主流だった中、高中正義のバックキーボーディストでフュージョン系の小林師匠が、全くアニメという先入観なく制作したうる星の音楽は、意図するしないにかかわらずそのごのあらゆるアニメソングに影響を与えたと負います。
また小林師匠はシンセを駆使したアニメソングのパイオニアであり、当時数千万円したフェアライトのCMIをサウンドトラックで世界で初めて使ったのも話題になりました。
とにかく確固たる音楽的素養と、一見、ライトな歌物との融合はラムのラブソングに見ごとに集約され、現在のPerfumeの楽曲にも確実に影響を残していると感じます。
tnoma
>けろっぐ博士さん
コメントありがとうございます。
ラムのラブソング、当時はアニメソングらしからぬ、変わった曲だなあと思っていましたがそんな経緯があったとは。
つい先日念願かなってビューティフルドリーマーのDVDを見たのですが、記憶以上に素晴らしい出来栄えでした。
アニメは主題歌、挿入歌、BGMを含めて完成するものなので、音楽は本当に大事な役割を担っていると改めて思いました。
tnoma
追記)
その点からもPerfumeのポリリズムが映画カーズ2の挿入歌になっているのは意味が深いと思います。