「ルノー試乗第2弾は! ニュルブルクリンクFF最速のメガーヌR26.R」の続きです。
今日から新型メガーヌRS(ルノースポール)が日本発売ですが、今回シーフォさんからお借りしている(先代)メガーヌR26.R(R26ドットR)はメガーヌRS(ルノー・スポール)の最高峰にして、最高のハンドリングマシン。これ抜きに新型は語れません(多分)。
メガーヌR26.Rの出自とシーフォオリジナル仕様について、詳しくは以下をどうぞ。シーフォさんのニュースより引用しました。
▼SiFo.jp
▼SiFo (atelier_SiFo) on Twitter
SiFo.jpRENAULT MEGANE R26.Rをプレスリリース風に解説しました。
04-01-20092009年4月1日
(株)シーフォ、ルノーMEGANE R26.Rを発売株式会社シーフォはルノー・メガーヌRSシリーズの特別限定車メガーヌR26.Rを発売しました。ルノー・メガーヌRSシリーズはヨーロッパでFF車ハンドリング世界一との高い評価を受けておりますが、その中でもRS TROPHY、TEAM R26など限定バージョンが出る度にベストランドリングマシンとしての名声は更に高まり、その最終バージョンとして登場したのがメガーヌR26.Rです。
因に、R26.Rの末尾のRは、究極を意味するRADICALE(ラディカル)の頭文字を採ったものです。R26.Rの大きな特徴は123kgにも達する軽量化です。エンジンのパワーアップも検討されましたが、運動性能、燃費およびコストなどを総合的に判断し、エンジンのパワーアップにも匹敵する大幅な軽量化をチューニングの基本思想としました。
■エンジン
標準仕様のF4Rt 774と同型。別紙スペック表参照■軽量化と低重心化
コストをかけても軽量化のメリットが大きいのが、ボディの上半部、続に腰上と呼ばれる部分。軽量化と低重心化を同時に達成できます。R26.Rで用いられた手法はエンジンフードを鉄からカーボンへ、再度およびリアウィンドウをガラスからポリカーボネイトへ、素材変更。この3点の部品は専用の型を必要とし、加えてボンネットは強度と耐熱を確保するため、極めて高価な、通称ドライカーボンとよばれる素材で製作、高強度、高耐熱性、軽量化を実現しました。次に、内装材の簡略化、防音材の除去、後席の取り外し、これはいわゆるはぎ取りと言われるもっとも簡単で効果があります。
現代の市販車の前席シートはサイドエアバッグやシートベルトのアンカーを内蔵することで強度とともに重量を増しており、この取り外しは軽量化に大きく貢献します。R26.Rにバケットシートが採用されたのは、サポートだけでなくこの点が大きな理由です。
この軽量化の過程をみると、ルノースポールのチューニング手法に、ワンメークレースからF1に至るルノーの哲学が顕著に現われていることがわかります。限られた予算のなかで最大の効率を生むための取捨選択です。
低重心化を伴う効率の良い軽量化のためにはトータル20kg程のパーツにもコストをいとわず専用素材を使用し、他の約100kgの軽量化は前述のごとく徹底した内装や防音材および後席の除去、前席の交換などで達成しました。適材適所にコストを効率的にかけるという、これまでレースなどで培ったノウハウを惜しみなく具現化した成果です。
■サスペンション
RSトロフィーで高評を博したサスペンションをベースに、軽量化に合わせてスプリングレートを変更。車室後部ストラットタワーバー。さらにオプション部品としてSタイヤを、ニュルブルアタック用に用意。■開発キーワードは「コーナリングスピード」
このチューニングの結果、R26.Rはニュルブルクリンクをもくろみ通り、少ないパワーを高いコーナリングスピードで補い、8分17秒というFF最速ラップを樹立しました。●シーフォオリジナルの主な仕様は以下の通りです。
・ロールケージレス
オプションで用意されるロールケージは車室内のフロアにマウントするタイプにつき、車体剛性の向上には効果がなく、約20kgの重量は軽量化と相殺になってしまうので必要ないと考えております。・ノーマルタイヤ装着
サスペンションはサーキットとSタイヤにセッティングされているものの、公道走行には運動性能と乗り心地を考慮してノーマル仕様としました。・オリジナルマフラー装着
シーフォ独自開発のオリジナルマフラーにより、ベンチテストで12馬力の出力アップを実現しております。・その他
テスト車のみ
ボディ同色ボンネット、サイドモールおよびルーフスポイラーをチャコールグレイマットに変更
ステッカーレス■ルノー・メガーヌRSシリーズの歴史
メガーヌのハンドリングの評価を決定づけたのは限定バージョンであるRS TROPHYでした。それまでのRSは、そのしなやかなサスペンションとトラクション性能が高く評価されたものの、電動パワーステアリングの出来が今ひとつで、特に中心付近の昧な感触が評価を下げる一因となっていました。通常の油圧パワス手と違い、電動パワステのチューニングは非常に難しく、特に中立付近の感触を高めるには高度な技術力が要求されるため、メガーヌRSにとっては大きなハンデになりました。限定版であるTROPHYがリリースされた時、この電動パワステがどのように改善されたか、評価の分かれ目になるところでした。果たして、ルノースポールがチューニングしたTROPHYは、ミッドシップのポルシェボクスターをも凌ぐハンドリングカーとして絶賛され、サスペンションチューンは言うに及ばず、問題の電動パワステは、アシストの自然さと路面からの情報量の豊富さでルノースポールの高い技術力の証となりました。この高い評価を背景に、本来は限定生産品であったTROPHY用電動パワーステアリングは標準仕様のRSやさらに進化したR26にも装着されました。トルセンデフを装着したR26が世に出るきっかけも、このTROPHYの高いハンドリング性能のおかげでした。
TROPHYやR26の評価が高まる一方で、メガーヌは08年にフルモデルチェンジをします。当然、R26もその役目を新型に譲り生産終了となるはずでした。しかし、ルノースポールはこのベストハンドリングマシンに最後の役目を与えます。それはニュルブルクリンクにおけるFF最速ラップタイムの樹立です。
今まで市販車のサーキットタイムには無関心だったルノースポールがニュルアタックを決断した裏には、ワンメークレース用に開発したクリオ3カップカーでの苦い経験がありました。クリオ3のカップカーは開発当初、前モデルであるクリオ2カップカーより1秒以上遅く、その理由は180kgも増加した重量でした。ワンメークレースはラバル車がいないとはいえ、新型が旧型より遅いということは大問題で、販売促進のためのレースが逆効果となりかねません。結局パワーアップとサスペンションの変更で旧型を凌ぐクルマに仕上がったものの、この経験から重量増となる次期型メガーヌが、現行メガーヌをサーキットタイムで上回る可能性は極めて低いことも想像できました。メガーヌラジカルの開発は、現行メガーヌが退役する、まさにこのタイミングしかなかったと言えます。
■報道関係者お問い合わせ先:03-5420-4154 t.fujii@sifo.co.jp
■会社概要:株式会社 SiFo www.sifo.jp
とても期待が高まりますね。
RADICALE(ラディカル)のポイントは軽量化。特に後席を取っ払い2シーターにし、フルバケットシートへ変更したのが大きな特徴です。
カーボンのフルバケットシートには6点式シートベルト装備。バックルが下から生えているためスカート厳禁。女人禁制という意味?
後部座席ももちろんありません。あるのはぶっといリアのタワーバー。シーフォオリジナル仕様はロールケージレス、その代わりに後席足元にオリジナルブレースバーがついています。こちらもぶっといです。
ロールケージがない理由は下でしか留めてない(ピラー留めしてない)ため、ボディ剛性に寄与しないこと、重量増を嫌ったとのこと。
リアクォーターウィンドウ、リアウィンドウはガラスからポリカーボネイトに変更。指で叩くとコンコンとした軽い音がします。これはかなり軽くなっていそう。クォーターウィンドウにはニュルブルクリンクのロゴマークと8'17"というFF最速ラップタイムが刻まれています。目立たないけどはっきりと刻んでいるところが、奥ゆかしいけど自慢気というのが伝わってきます。さすがはフランス人。
ステアリングには R26.Rの刺繍入りバックスキン&本革仕様。手が当たる部分だけ本革で上下部分がバックスキンで使いやすいです。
男の仕事場、6速マニュアル。バックギアは6の横にあるタイプで、シフトノブの下にあるリングを上に引きあげてロックを外して入れるタイプ。
サイドブレーキはスロットルタイプ。R26.Rのシリアル番号が入ったプレートが装備され、ルノースポールの本拠地のある Dieppe Franceの文字も。元々はスイス仕向けの限定車のようです。
助手席側にもR26.Rの小さなプレートがさりげなくついてます。フランス人はさりげないのがお好き?
イグニッションはボタン式。カードキーを挿入後、ブレーキを踏みながら(またはクラッチを踏みながら)ボタンONでエンジンがかかります。
スピードメーターは280km/hまで刻まれてます。タコメーターは6500回転からイエロー、7000回転からレッドゾーンです。
センターコンソールはオートエアコン、MP3対応CDプレイヤーつきFM/AMラジオ装備。オーディオの表示は上のディスプレイに時刻、温度計と共に表示されます。
ペダルペダルはアルミ、フットレストもアルミで滑りにくいようディンプル加工されたタイプ。床下には収納ボックスもありますが、これは車検証入れ?
足元は18インチホイール、タイヤはハイグリップタイヤのDUNLOP DIREZZA SPORT Z1 235/40R18。ブレーキは赤いキャリパーがまぶしいブレンボ、そしてローターはベンチレーテッドでスリット入り。
リアは赤のシングルピストンの片持ちキャリパー、ローターややはりスリット入りです。タイヤサイズは前と同じ。
次はお待ちかね、エンジンルーム。
エンジンルームは意外とコンパクトで、ボンネットも小さめ。
ボンネットはカーボン、しかもいわゆるドライカーボンとよばれるフルコンポジットです。軽量かつ強度と耐熱性を兼ね備えています。通常はカーボン柄を残して「いかにも」という雰囲気を醸すのですが、シーフォオリジナル仕様は惜しげもなくボディ同色に塗装してます。ここも奥ゆかしいポイント。
エンジンは2000cc ツインスクロールターボ。230psと従来のRSと変わりませんが、こちらのシーフォオリジナル仕様はマフラーが交換されてさらに12psアップしているとのこと。前方吸気、後方排気でスロットルバルブは電子制御。バッテリーもかなり大きなものがどかんとフロントにそのままついてます。
R26.Rの詳細スペックは以下です。本国サイトから引用。
Renault Sport | Range | Megane R26.R |Specification | Technical Data
TYPE APPROVAL
Type approval: CM2 H96
Administrative power rating: 14
Seats: 2ENGINE
Pollution control: IF Euro4
Engine Type: F4Rt 774
Capacity(cc): 1998
Bore x stroke(mm): 82.7 x 93
Number of cylinders: 4
Compression ratio: 9
Valves: 16
Maximum poser(kW/hp): 169 / 230
Maximum torque(Nm): 5500
Torque(Nm): 310 / 31.6
Injection: Multipoint
Fuel: lead free super 95 or 98
Flywheel: twin mass
Catalytic converter: 1 primary converterTRANSMISSION
Type: ND0 000
Manual gearbox: 6
Theoretical speed at 1000rpm(km/h)
1st: 9.07km/h
2nd: 14.71km/h
3rd: 20.54km/h
4th: 27.10km/h
5th: 35.33km/h
6th: 42.45km/h
Gear Specs
1re: 13/41
2e: 18/35
3e: 28/39
4e: 36/38
5e: 42/34
6e: 49/33STEERING
Assistance: Electric
turning circle between kerbs/walls(m): 10.35 / 11.25
Turns lock to lock: 2.74SUSPENSIONS
Front suspension type: Macpherson strut type with L shaped low(er arm) and independent steering axis
16.2mm/100kg (6.17kg/mm)
Rear suspension type: H form torsion beam
14mm/100kg (7.14kg/mm)TYRES AND WHEELS
Tyres fron and rear : Michelin Pilot Sport 2 235/40R18
Optioanl Toyo Proxes R888 225/40R18
Wheel size: 8J18BRAKES
System: Double X-split circuit
ABS: Bosh 8.0
EBV / ESP: Yes, 100% Disconnectable
Front width/thickness(mm): 312/28 grooved & vented
Front Calipers: 4 pistons
Rear width/thickness(mm): 300/11 grooved
Rear Calipers: 1 pistonsWEIGHTS
Weight(kg): 1230
Gross vehicle weight: 1515
Gross train weight: 2500
Maximum towable weight(braked trailer): 1000
Maximum towable weight(unbraked trailer): 650PERFORMANCES
Perfrmances factors
Specific power(hp/l - KW/l): 115 - 84.5
Specific torque(Nm/l): 155
Aerodynamics(Cd/Cda): 0.35 / 0.75
Weight/power ratio (g/hp): 5.4
Top speed(mph): 147
Accelarations
0 to 62mph(s): 6.0
400m from standstill(s): 13"9
1000m from standstill(s): 25"9
FUEL CONSUMPTION (to 93/116 standard)
urban - mpg(l/100km): 24.6(11.6)
extra urban - mpg(l/100km): 42.2(6.7)
Combined - mpg(l/100km): 33.2(8.5)
CO2 emissions(g/km): 199
さてこのシーフォオリジナル仕様のルノーメガーヌ R26.R。サーキットでの走行風景は動画でどうぞ。
▼SiFo / RENAULT Megane R26.R at Honjyo Circuit
なんだかごつい形のS2000がいっぱい走っているような…
途中でDSC(ESP)のスイッチをオフにしたようなしぐさがありました。
ハンドルコラム左下にヘッドライトの光軸調整、メーターの明るさ調整とともにDSCのON/OFFスイッチがあります。3秒長押しとかいうのではなく、押したら直ぐにOFFになるタイプ。適宜外せってことですね。
次回は走行インプレッションです。ハンドリングの市民革命、ルノー究極のハンドリングはいかに?
虎だ、虎だ、お前は虎になるのだ!
ルノー・メガーヌR26.R(シーフォオリジナル仕様)はシーフォさんからお借りしています。ありがとうございます。
▼SiFo (atelier_SiFo) on Twitter
↓メガーヌ R26.Rの記事
▼(1)ルノー試乗第2弾は! ニュルブルクリンクFF最速のメガーヌR26.R #renault_jp ([の] のまのしわざ)
▼(2)究極という名のメガーヌ! ルノー・メガーヌ R26.R(RADICALE・究極) #renault_jp ([の] のまのしわざ)
▼(3)ルノー・メガーヌRSの走りを支えるDASS! フロントサスペンション形式いろいろ #renault_jp ([の] のまのしわざ)
▼(4)究極のハンドリングと至高のコーナリング! ルノー・メガーヌR26.Rはハンドリング美食倶楽部 #renault_jp ([の] のまのしわざ)
【Amazon】
ルノー・スポールのすべて (モーターファン別冊 ニューモデル速報/インポーテッドシリーズ vol.) [ムック]