鈴鹿サーキットのある鈴鹿市、F1日本グランプリの毎年開催に意欲

鈴鹿市は富士スピードウェイがF1開催から正式に撤退した場合、毎年開催を積極的に働きかけていく意向を示しました。

掘り出しニュース:トヨタのF1日本GP開催撤退で鈴鹿市長「毎年開催を」 - 毎日jp(毎日新聞)

川岸市長は「トヨタ自動車の正式な発表がないので事実関係についてコメントできる状況にない」と前置きしたうえで発言。国内での開催について「87年以降、毎年日本でGPが開催されてきた歴史がある。報道にあるような発表が正式に出された場合は鈴鹿サーキットやホンダを通してFIA(国際自動車連盟)に鈴鹿での毎年開催を働きかけたい」と述べた。

誤解されている方もいると思うので改めて言いますが、私はF1を富士で開催することについて基本的に支持しています。

これはF1の原体験が1976,77年に開催されたF1日本グランプリのTV中継で、6輪タイレルに衝撃をうけたことや、交通を考えると東京にある会社への通勤とほぼ同じ時間でいける富士スピードウェイがとても便利だからです。

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(6輪タイレル@タミヤ本社)

鈴鹿サーキットは何度か行っていますが、F1観戦はまだ経験ありません。富士スピードウェイでのF1開催だからこそとても楽しみにしていて、高価なF1チケットを購入してでもこの目で見たかったし、子供にも見せたかったのです。

まあそれが見事に裏切られたのが2007年の地獄のF1富士でしたが。

色々な思いが交錯しますが、一番問題だと感じたのは(事後の)富士スピードウェイの不誠実な対応です。

起きたことは仕方ありません。計画にそもそも無理があったのかもしれません。現場でいくら努力しても、どうにもならない状況に陥ったのかもしれません。

しかしどうして実際に被害をこうむった人に直接謝らないのでしょうか。

チケットはオンラインで販売しているので、買った人は明らかです。チケットは郵送されてきたのですから。

しかし謝罪の手紙もありませんでした。

その後納得のいく説明もありませんでした。

そしてC席仮設スタンドの問題がいつ判明し、返金はいつ決定したのか質問をしました。が、WEB上にも載っているいわゆる定型文を「コピペ」しただけで、私の質問には答えていませんでした。つまり

内容すら読んでない、

ということが明確になりました。問い合わせが来た瞬間にコピペして返信するだけ。機械応答です。

例えば謝罪会見で、ロボットが「モウシワケアリマセンデシタ」と答えて、それが謝罪となるのでしょうか。

確かにマスコミ向けに社長が謝ったようです。が、それはマスコミ向けであって、直接被害をこうむった人にではありません。しかもその謝罪はまだバスに乗れず、足元がぬかるみ、寒く、照明もない真っ暗闇の中、トイレも長蛇の列でいけず、食べ物も飲み物もない場所で、くるあてもないバスを立ったまま待つしかない状態の観客が数万人、場内に閉じ込められていた時間に行われたのです。

本当に謝らなければならない相手が一番近い場所にいたにも関わらず、です。

機械的なコピペメールの後、再度問い合わせをしてかえってきた答えはこうでした。

再度のメール拝見させて頂きました。

お問合せ頂いたC席仮設スタンドに関しましては
1.9月28日(金)に問題が判明し
2.9月29日(土)に弊社にて確認し返金を決定いたしました。

以上、回答させて頂きます。

富士スピードウェイ株式会社

この文面からは、誠実さは伝わってきません。事務的かつ冷淡な印象です。

地獄のF1富士:誰に向かっての謝罪? ([の] のまのしわざ)

結局謝罪したのは、「トヨタのファンの皆さん、(色々風評悪くなるなど)迷惑かけてごめんね」ということで、観客に対して行っているようには絶対に見えません。これは9/30のマスコミ向け謝罪も同様で、ここでも観客無視の姿勢は一貫しています。

こういった観客無視の姿勢、まともに被害者に向き合おうとしない、マスコミの報道をおさえ逃げ切ろうとしたが故に、集団訴訟が起きました。

2007F1日本グランプリ被害者の会(事務局) 2007年富士スピードウェイ(Fuji Speedway, FSW)で開催されたF1日本グランプリを観戦し、精神的苦痛等の被害を受けた方を対象として「2007F1日本グランプリ被害者の会」を発足しました。また集団訴訟を行っており、係争中です。

しかしこの裁判、訴訟についても批判があります。

「この程度で裁判を起こす方がおかしい」

「子供を連れて行くほうがおかしい」

「訴訟を起こしたから、富士スピードウェイがF1開催から撤退することになったんだ」

果たしてそうでしょうか。

まず被害の程度問題、受忍できるかどうかについては人それぞれ、主観によるでしょう。であれば、それを民事訴訟という形で裁判所に認定してもらうのは法治国家であり、憲法で人権が保障されている日本であれば一つの手段です。観客とのコミュニケーションを閉ざしたのは富士スピードウェイ側であり、残された最後のコミュニケーション手段が民事訴訟であっただけのことです。

子供については、モータースポーツ・車産業を振興することを考えると明らかでしょう。子供だってあと10年ちょっとで免許をとれるのです。原体験として車に触れる機会を作り、いい思い出を作るのは親の役目です。なお、3歳以上は有料でのチケット販売なので、「子供をつれてくるな」というのは通りません。立派な観客として受け入れてもらえるはずよね。

訴訟のせいでF1開催撤退は、それこそ逆恨みです。自分たちですすんでF1を開催して失敗したわけですから、訴訟が原因ではありません。訴訟がおきるほどの大失敗を犯したのは富士スピードウェイ自身で、自業自得です。

幸い富士スピードウェイがF1開催から撤退しても、鈴鹿市がF1開催をやってくれそうなので、また3年前に戻るだけの話ですが。

富士スピードウェイはF1開催撤退を再度否定 ([の] のまのしわざ)

まだ正式撤退が発表されたわけではありませんが、私としては家から近い富士スピードウェイでのF1開催がなくなるのは寂しい限りです。特に2008年が非常にスムースで、これからもっと良くなることが期待されただけにとても残念です。

地獄のF1富士が天国に変わった3つの理由 ([の] のまのしわざ)

今年2008年、富士スピードウェイ(FSW)で開催されたF1日本グランプリは天候にも恵まれ、無事に終了しました。もっとも憂慮された交通機関、チケット&ライドシステムはうまく機能し、三日間通して大きな問題もなく、また目立った渋滞や待ち時間もなく予想以上にスムースに運営されていました。