佐々木俊尚著「Flat革命」:(4)革命前夜

革命前夜

「Flat革命」で書かれていることは非常に詳細で、実際に起きたことを時系列的に論理だてて説明することに成功しています。

「革命がおきえない」と言いつつも、ここで一つの疑問がまた浮かび上がってきます。それは、

実は日本人が変質しているのではないか?

ということです。

実生活でいうと、戦後欧米型の生活様式がガンガンに入ってくるようになり、食生活も変わりました。それにより顕著なのが体躯の変化です。一方の精神性はというと、これは生活様式ほど大きな影響を受けていないのではないかと。それを支えているのが言語「日本語」です。

インターネットの世界はボーダーレスで色々な情報を簡単にアクセスすることができます。確かに国境の壁はありません。

あるのは唯一、言語の壁です。

この言語の壁があるおかげで、インターネットといえども、日本人は日本語圏の中に閉じこもり、守られているのです。ですからmixiや2chといったインターネット上のサービスなのに、日本人向けで日本語のみのサービスで完結できているわけですね。

ここで日本の英語教育に感謝しなければいけないことがあります。それは中学・高校・大学と何年も英語を勉強しているのに、ちっとも英語を喋れるようにならない教育プログラムのことです。ながらくこの教育プログラムに批判的で、恨みもしましたけれども、実はこれにはもっと深い意味があったのではないかと。

それは日本人のアイデンティティの保護

フランス人がフランス語をとても大切にしていて、フランス文化が他の欧米文化に侵されないようにしているのは有名な話です。日本でも公言はしていませんが、実は暗黙のうちに同じことをしているのではないかという憶測です。

そこまで考えると、実は日本の英語教育プログラムは、「英語を喋れないように教育するプログラム」ではないかという疑念まで浮かんできます。その理由はなにか。

それは「精神防壁」。

精神防壁は日本人の文化、メンタリティが破壊されないための絶対防衛ラインなのです。

そうなると実は匿名対実名、というのは

日本文化と欧米文化

の代理戦争の様相を呈するのです。そしてややこしいのは、

じゃあ日本て何?

という日本のアイデンティティを実は日本人自身が理解できてないという点にあります。しかしこれが面白いのが、
そういった部分が実に日本人的であり、日本人としてのオリジナリティを確保している点です。

世界は日本のことをよくわかってない

のと同じくらい、

日本人は日本のことをよくわかってない

のです。そしてそれが日本社会の混乱の元になっていて、日本を特徴づけるひとつの事柄になっています。

日本人とは何か、日本とはなにか。どこからきて、どこへ行くのか。

つまりは自分探しの旅を日本人がしているということでしょう。

そうなると「Flat革命」でいう革命というのは、実は日本人が変質している様を指摘しているのではないでしょうか。でも安心して下さい。日本人は常にそういったことを消化、加工してオリジナルなものに昇華させてきた歴史をもっています。日本人が新しいフェイズに入る幕開けかもしれません。

・・・そんなことを考えながら読んでいました。
本自体は非常に面白く、集中して読めるので興味がある方は是非どうぞ。