武道館よ、わたしは帰ってきた!
いきなりアナベル・ガトーになってしまいましたが、もちろん帰ってきたのはガトーではなく、Perfumeです、念のため。
3年半前のここ、武道館が私のPerfume人生のはじまりでもありました。そういう意味ではガトーばりに感慨深いです。
▼Perfume 武道館ライブ:参加してきた! ([の] のまのしわざ)
JPNツアーはさいたまアリーナ(初日)、愛媛武道館と参加して、今回の日本武道館4daysの2日目が3回目の参加となります。
▼Perfume JPNツアー@さいアリ初日参戦レポート:私たちが出来ること、とは ([の] のまのしわざ)
▼Perfume愛媛武道館ライブ参戦レポート(1):ライブなんてね…(のっち) #prfm ([の] のまのしわざ)
追加公演で「日本」武道館に帰ってきたJPNツアー、実はここに深い意味が込められていたのです。
以下、ネタバレありですので、念のためご注意を。
ライブが開始し、最初のMC、いつものように噛み神「のっち」の登場。武道館は5月は規定で冷房が入れられず、日中の汗ばむ陽気に加えてファンたちの熱い熱気に包まれ日本武道館は最初からヒートアップ、蒸し暑いことこの上ありません。
冒頭の4曲をうたいおわったのっちは汗だく、顔なんてもう化粧なんてどこいったかというくらい、テカりまくり。そんなのっちの汗だくっぷりをみて、すっとかしゆかがタオルをのっちの肩にかけてあげるという気の使いように、ズッキューーンと撃ちぬかれたのは言うまでもありません。
そんなのっちの最初の言葉が・・・
「あちきは・・・」
なにその一人称? なぜあちきになったのかは謎ですが、とにかくいいたかったことはどうやら、
「今日、日本武道館は、JPN武道館になりました!」
とのこと。つまり日本=JPNといいたいらしいです。はいはい、わかりましたよ~
そして今回のメイン、JPNのテーマは中盤、JPNスペシャルと呼ばれる映像(プロジェクションマッピング)とPerfumeのダンスコラボ、そしてそこからの流れのGLITTERにあったのです。
Perfume JPNツアー@さいアリ初日参戦レポート:私たちが出来ること、とは ([の] のまのしわざ)結論から先にいってしまうと、このライブツアーは「復興支援ツアー」といってもいいです。セトリ(セットリスト)がどうとか、演出がああとか、アリーナで観客数が多いね、客層が変わってきたね、といったところはもちろんあり、それも大事です。しかし、ある意味「テーマ」といってもいいほどのコアとなっている大きなものはまさしく「日本」であり、それを「JPN」としてアルバム、ツアー名に使っているほど。
ではそのJPNとは何か。
ある意味定番となってきた、「Perfumeの掟」ばりのインストルメンタル、ダンス中心のパフォーマンスにそのテーマが込められています。
JPNスペシャルからユーザー参加型ダンスコンテスト課題曲となった「GLITTER」へ。レーザーをふんだんにつかったGLITTERは Perfumeのメンバーそれぞれをレーザーで包み込みます。
そして最初バラバラだったメンバーが曲の最後にはセンターステージへ集まり、クライマックスへ。それまでバラバラに発散していたレーザーがだんだんと集約され、一筋の光となって武道館のタマネギめがけ、空へつけぬけました。そのレーザーの先に見えたものとは。
「日本国旗」
大きな真っ白な四角い旗の中に真っ赤な真円の日本国旗です。えっ・・・
そうです、JPNツアーのテーマはここ武道館で完結したのです。
Perfume JPNツアー@さいアリ初日参戦レポート:私たちが出来ること、とは ([の] のまのしわざ)普段仲のよさが知られている Perfumeのメンバーが三つ巴になって戦うわけです。違和感がないはずがありません。とすると、これには明確な意図があるはず。その意図はおそらくは「JPN」、つまりいまの「日本」の現状をいっているのではないかと。
311の震災以降、日本の中はもうシッチャカメッチャカ。
物理的に破壊されただけでなく、心理的、精神的にも混乱をきたしています。その結果何が起きているかというと、本来力を合わせて立ち向かわなければならない大きなテーマ「復興」をおざなりにして、いがみあい、争い合っている日本人の姿です。
心がバラバラになった日本、それをひとつにするということ。分散し発散していたレーザーの光が、最後まばゆいひとつの光となって空高くつきぬけていったこと、その背景に日本国旗が掲げられていたこと。いまこそ心を強くもって、一つにするとき。
そんな力強いメッセージが、ここ日本武道館にありました。最初にのっちが「今日はJPN武道館」といったように、JPN=日本なのです。
GLITTERのレーザー演出自体はツアーを通して同じはずなのですが、日本武道館というだけで特別な存在へ。どんなことがあってもずっと掲げられている巨大な日本国旗とJPNツアー。完全にシンクロした瞬間です。
そして改めてGLITTERの歌詞を聴くと、やはり特別な思いにかられます。
キラキラの夢の中で
僕たちは約束をしたね
その日がいつかくるまで
泣かないよ 思い出すよキミを
祈って キミと 笑ってキミを 祈って
キミと 笑って
ここ日本武道館はJPNツアーの追加公演だったのですが、最初からここに戻ってくることを想定したいたのでしょうか、いやしてなくとも、そうしたかったのでしょう。そんな強い意思・意図を感じました。
そしてそれに呼応するかのごとく、一体感に包まれた日本武道館。ファンの熱意が前へ前へと飛び出ているのが分かるんですよ。いってしまえば電車の席に座っていて前にご老人がたっているのに気付いたけど、席を譲ろうかどうか、考えてしまってなかなか動けない中、オレンジ色のTシャツを着た若人が率先して
「席どうぞ!」
「こっちの席もどうぞ!」
「いやいや、こっちも座れますよ!」
と次々と好意を繰り出す光景。これまで引っ込み思案だった人も、じゃあ俺も、私もという形でよい連鎖をしていくような雰囲気。
そんな感じで熱烈なファンからそうでないファンまで、回りを巻き込みながらいい気を放ち、日本武道館が気で充満されるということに。もし日本武道館がサイコフレームでできていたら間違いなく空中浮遊するレベルで、これほどのレベルはなかなかありません。普段気に鈍感なのっちですら、
「今日はなんか(気が)出てるというのがわかった!」
というほど。
まさに「日本」武道館がひとつになったといいでしょう。この勢いで「日本」もひとつになれるといいな、いやそうしたい、と思いを強くしました。
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匿名
JPNスペシャルからGLITTERの流れの解説、すばらしいですね!
武道館参戦しましたが
あの流れ最高に好きでしたが、
そこまで深く考えて観てなかったので残念でした!
tnoma
ありがとうございます。
私も今回3回目にして、ようやく自分なりの解釈ができました。
ライブですからどんな楽しみ方、受け取り方してもいいので、最高に好きだったらそれでいいと思います!