Perfume JPNツアー@さいアリ初日参戦レポート:私たちが出来ること、とは

結論から先にいってしまうと、このライブツアーは「復興支援ツアー」といってもいいです。セトリ(セットリスト)がどうとか、演出がああとか、アリーナで観客数が多いね、客層が変わってきたね、といったところはもちろんあり、それも大事です。しかし、ある意味「テーマ」といってもいいほどのコアとなっている大きなものはまさしく「日本」であり、それを「JPN」としてアルバム、ツアー名に使っているほど。

ではそのJPNとは何か。

ある意味定番となってきた、「Perfumeの掟」ばりのインストルメンタル、ダンス中心のパフォーマンスにそのテーマが込められています。

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バーチャファイターのように戦うメンバー。実像からバーチャルのポリゴンに移り変わりカメラが回転しながら視点が変わるプロジェクションマッピングによる演出。その映像美とスピード感に酔いしれるのですが、はて、ここで一つの大きな疑問が。

なんで Perfumeのメンバー同士が戦っているの?

戦っているというよりも、もっと直接的にいうならば素手で殴り合い、足で蹴り合いなんですね。手からなんとかビームとか出ているわけではなく、飛び道具と必殺技のあるストリートファイターというよりも格闘中心のバーチャファイター

普段仲のよさが知られている Perfumeのメンバーが三つ巴になって戦うわけです。違和感がないはずがありません。とすると、これには明確な意図があるはず。その意図はおそらくは「JPN」、つまりいまの「日本」の現状をいっているのではないかと。

311の震災以降、日本の中はもうシッチャカメッチャカ。

物理的に破壊されただけでなく、心理的、精神的にも混乱をきたしています。その結果何が起きているかというと、本来力を合わせて立ち向かわなければならない大きなテーマ「復興」をおざなりにして、いがみあい、争い合っている日本人の姿です。

それは政局面でもそうですし、放射線汚染問題でもそう。

さらにそのいがみ合い、争いを助長しているのがインターネットでの「バーチャル」なコミュニケーション。嘘、偽り、デマが横行し、それが瞬く間に日本中に広がり極論が空気を支配し、言葉によるリンチ(私刑)が公然と行われています。

それが本当に日本のためになるのでしょうか? もっとすべきことはないのでしょうか?

太平洋戦争時のことです。

日本の軍は海軍と陸軍に分かれており、武器開発でもそれぞれが独立して開発、お互いの技術情報を交換することなく、対立していたことは有名です。それは

日本軍は内部抗争の合間にアメリカと戦っていた

と揶揄されるほど。当時をみていませんが、実際問題そうだったに違いありません。というのも、日本軍問題は日本人気質の根幹に根ざしており、「軍部」や「軍人」特有の気質ではないからです。現在の政治、お役所、大企業でもまったく同じことが起きています。「内部抗争の合間に外と戦う」のは島国日本国と日本民族の特徴であり、特性なのでしょう。

特徴ということが分かりましたが、では本当にそれでいいのでしょうか?

いいわけがありません。我々が本来力を合わせて戦わなければならない相手はもっと違うところにあるのです。

Perfumeのパフォーマンスはその後プロジェクションマッピングされたスクリーン(殻)を破り、バーチャルの世界からリアルの世界へと飛び出て、3人が協調して動き始めます。バーチャルではなくリアルで。

いくらインターネット上でもっともらしい理屈を並びたてたとしても、それが一体何に役に立つのでしょう。人の心を癒す言葉ならまだしも、相手を攻撃し、傷つけ、追い込む行為が氾濫しています。ツールは「バーチャル」かも知れませんが、リアルに人の心を蝕んでいきます。

能書きを「バーチャル」なネットで書くよりも、実際に「リアル」な世界で行動すること。人を助け、励まし合い、協力すること。それが今求められていることであり、私たち日本人が今すべきことではないでしょうか…

もうひとつのポイントは「日常」と「非日常」です。

あ~ちゃんがMCで言っていた内容。混乱する感情をひとつひとつことばで表現しようとするものの、まとめきれずあふれる思いが伝えきれませんでしたが、要約すると「日常」とは「生活」とは、「生きる」とは、です。

大震災以降、直接的被害を受けていない場所での行動縮小、いわゆる「自粛」が経済に悪影響を及ぼしています。特に Perfumeのようなエンターテインメント産業は「衣食住」が足りた上に成り立っているもので、「衣食住」が不足している地域や民衆、さらには人的被害をこうむった人たちに対して「ライブ」といった華やかなエンターテインメントをするのは「不謹慎ではないか」という危惧です。

確かに物的復興を優先させることや、大切な人を失った人たちの気持ちを考えれば、一見単なる「バカ騒ぎ」にしかみえないライブを盛大に行うことは、感情を害することもあるかも知れません。

しかし「衣食住」が足りるだけで人は生きるわけではないのです。

被災地で一人踊る【Perfume】GAME in 元近所【格之進】 #prfm ([の] のまのしわざ)

母の葬儀が済んでも尚、時間が全く止まってて、
ついこの前まで、私のどんな部分も、全然前に進みたがらなかったけど、

Perfumeのダンスコンテストをきっかけに、動画を撮ってから、
やっぱり楽しくって...。

私の元気なれる要素の1つに、Perfumeがあるんだなと思いました。

I LOVE Perfume!!
I LOVE のっち!!
この前お誕生日おめでとうございます!遅くてごめんなさい!


この世に楽しいこと残しててくれてありがとう。

私は、大好きなここで生きていきます。

震災という「非日常」から本当の意味で立ち直れるのは、日々の生活、「日常」の生活に戻ることです。いつまでも「非日常」にとらわれていたのでは前に進むことができません。

ライブも「非日常」です。「ライブ」がはじまれば数時間後には終わり、再び我々は「日常」へと戻ってきます。一見「ライブ」の前と後で何も変わりはなく、いつもと同じ生活を過ごすだけです。それならば「ライブ」がなくとも同じ、と思われるかもしれません。

しかしそれは大きな間違いです。

「ライブ」の存在により、我々の内面世界は大きな変化をもつのです。

生きるとは、ただ命を長らえるだけではありません。時間をどう過ごすのか、どういう気持ちをもって生きるのか。

「生活」とは「生きる」上に「活かす」という言葉も入っています。活かす、というのは活力です。つまり活力をもちながら生きることが「生活」なのです。死ぬまでの時間をただただ過ごすのとは大きな違いがあるのです。

毎日繰り返しの日々、「日常」の生活に時折はさまる「非日常」の出来ごと。いいこともあれば、悪いこともありますが、また日常に戻るのです、いや戻らなければならないのです。

震災も「非日常」、Perfumeも「非日常」。どちらも同じ「非日常」ですが、今回の Perfume JPNツアーはライブという「非日常」を通し、私たち日本に「癒し」「楽しさ」「元気」といった生きる活力を与える「心の」復興支援活動です。

Perfumeのライブに参加することで、いやライブがあるというだけで、もう心はソワソワ、わくわくどきどき。参加した人たちの幸せそうな気持が伝わってくるだけで、頑張る気力がわいてきます。挫けている場合じゃないんです。同じ日本人同士でいがみあい、争っている場合じゃないんです。前に向かって進んでいかなきゃならないんです。

アンコールの1曲目は Dream Fighter。

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最高を求めて 終わりのない旅をするのは
きっと 僕らが生きている証拠だから
もしつらいこととかが あったとしてもそれは
君がきっと ずっと あきらめない強さを持っているから
僕らも走りつづけるんだ YEH!
こぼれおちる涙も全部宝物 YEH!
現実に打ちのめされ 倒れそうになっても
きっと 前を見て歩く Dream Fighter

ダンスパフォーマンス「バーチャファイター」からリアルな Dream Fighterへ。きっとこれが Perfume JPNの答えであり、私たちができること、です。

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