フライトシミュレータ体験・デモ飛行、キャビンアテンダント教育訓練の次はメインイベント、日本航空機体整備工場の見学です。いままでがソフトウェアだとすると今回はハードウェアのメンテナンス。まずそれに先駆けて、整備についての概要説明から。もちろん担当は現役整備士の方々。
誰でも整備士になれるわけではなく、国家試験にパスする必要があり運輸省発行の免許が燦然と輝きます。航空機が外国製のため整備マニュアルは英語、英語力も必要です。そのためか今回のプレゼンテーションスライドも英語です。
整備は「機体整備」と「部品整備」に分けられ、それぞれさらに細分化されていきます。羽田の機体整備工場ではこのうち機体整備を担当。
機体整備は経過時間、飛行時間によりチェック項目がことなります。当然飛行時間が長くなれば長くなるほど、細かなチェックが必要となります。
T-checkと呼ばれるのは、フライト毎に行う点検。着陸後すぐにはじめ、20~30分程度で行います。飛行機は巨大なので手早く回る必要があり、まず操縦室にいき異常や気になる点がなかったかパイロットからヒアリング、その後一筆書きの要領で飛行機をぐるっと一周。機体に異常がないかチェックします。
A-checkやC-checkとなると機体整備工場に入れての整備、M-checkとなるとさらに細かく分解整備を行います。
今回はその整備風景が見れるとのこと。これはワクワクドキドキですよ。
ところで座席下に収納されている救命胴衣(LIFE VEST)。活躍する機会に遭遇しないのが一番で、これを使うのはなかなかにして危機的状況。そんな救命胴衣を今回体験させてもらいましたよ。
しかも本番(?)さながら、不時着後60秒で機内から脱出するというシナリオつき。つまりモタモタしてたら間に合わないんです。椅子に座り、椅子の下の救命胴衣をセット、リアル・キャビンアテンダントの号令からいざシナリオスタートです。
キャビンアテンダント「着水、ditching!!」
CA「シートベルト外して、救命胴衣を着用!」
救命胴衣を椅子の下からとり、広げて首からかけます。ここまでは特に問題なし。その後背中から出ているストラップのフックをベスト左右の金具にひっかけるのですが、これが意外と見にくくて大変。一人でやっているとパニックになるので、これは隣の人と助け合いながらやるのがいいそう。とくに恰幅がいいひとはわきの下とか見えにくいでしょうから大変かも。
両方のフックをかけたら次は体に合わせてストラップを調整、といってもただ引っ張るだけ。ただこの引っ張るところもぱっと見た時よく分からずワタワタです。
ストラップを調整しなんとか無事に着用完了、この間約30秒。機外へ60秒以内で脱出するのはできそうで、ホッとしました。
さらに今回は特別に救命胴衣を膨らませるところまで体験させてもらいました。
「爆発するような感じでショックがありますよ。心臓は大丈夫ですか?」
と脅されたので、恐る恐る紐をグッと前に突き出すようにして引っ張ると…
プシュ!パン!
まさに一瞬にして膨らみましたよ。しかも圧が高く首を多少圧迫するほど。炭酸ガスが一瞬で充満したために空気が冷やされて首はひんやり。こりゃすごい。
膨らませる仕組みはシンプルで、救命胴衣の裏には小さな炭酸ガスボンベが仕込まれており、紐をひっぱるとこのバルブが外れます。すると炭酸ガスがベストに充満して膨らむという仕掛けです。ガスボンベは生ビールサーバーと同じもの? いやもっと強く、生ビールにつかうと泡だらけになっちゃうとか。
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形的にはこんな感じです。
やっぱ飛行機が不時着なんてのは実際には体験したくななあと感じつつ、いよいよ飛行機が安全に飛ぶための基地、整備工場へと出陣です。安全のためヘルメット着用!
ドアをあけるとそこは整備工場だった!
ということで次回はいよいよ本編。
↓ つづきはこちらから
▼パトレイバー特車二課整備班シゲさんの世界(2):リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)
↓ その他の見学会の様子はこちらからどうぞ
▼教官! わたしはドジでノロマな亀、を追体験?:リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)
▼ボーイング777フライトシミュレータ実体験(1)リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)
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