興奮と感動のフライトシミュレータ体験の次は現役キャビン・アテンダント、「日本航空 客室教育・訓練室」による「安全・定時性への取り組み」の紹介です。
プレゼンテーションはスライドを用いて行われ、客室乗務員の役割や新人訓練について説明していきます。誰ですか、居眠りしているのは!
金髪の仮名ジェームズくん(いしたにさんが部屋に入るなり命名)がすっかり上向いて寝てます。まったくもう。
次にビデオを使って新人訓練の様子。客室乗務員、新人訓練といえば思い出すのはアレ。
じゃーん、じゃじゃじゃーーん、じゃじゃじゃーーん、じゃじゃじゃぁじゃーーん・・・
フラッシュダンスのテーマでもある、what a feelingのテーマ曲です。
フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング - single - アイリーン・キャラ
そう、あの迷作、いや名作「スチュワーデス物語」!
スチュワーデス物語 - Wikipediaスチュワーデス物語(-ものがたり)は、深田祐介の小説及びそれを原作とする1983年10月18日から1984年3月27日までTBS系列で放送された、日本航空の客室乗務員(当時は「スチュワーデス」と呼ばれていた)訓練生を描いたテレビ映画
概要
日本航空のパイロットであった今はなき父親の思い出を胸に、スチュワーデスへの道を進みだした高校卒の日本航空のスチュワーデス訓練生である松本千秋が、3か月に渡る厳しい訓練を受ける中で、風間杜夫演じる教官との恋愛や、教官の元婚約者や継父による嫌がらせ、同じ訓練生寮くれない寮に住む訓練仲間との友情や対立を通じて一人前のスチュワーデスになるまでのいきさつを、日本航空の全面協力のもと計22回(+スペシャル1回)の放送で描いた大河ドラマ的作品。
日本航空の全面的な協力を得たこともあり、要所要所で本物の訓練所やモックアップ、ボーイング747やマクドネル・ダグラスDC-10などの飛行機や現役教官が出演している上、イタリアなどの海外ロケも行われている。
当時のアイドルであった堀ちえみが主役を演じ、その大根役者ぶりが大げさで奇想天外なストーリーとマッチして、全23回の放送を通じた平均視聴率が約20%、最高視聴率は26.8%を記録するなど高い視聴率を確保した他、ドラマ内のセリフが当時流行語になるなど、社会現象となった。
なにがもうこれがスゴイかというと。
原作は元日本航空社員(放映当時は嘱託社員)の直木賞作家、深田祐介が日本航空の新人スチュワーデスの奮闘を描いた小説「スチュワーデス物語」(1983年新潮社刊、1984年新潮文庫刊、1991年文春文庫刊)だが、大げさな演技と奇想天外なストーリー展開が売り物の大映テレビ制作のため、原作とは似ても似つかないストーリー展開となっている。
この大げさな演技なところ。「教官、私はドジでのろまな亀です」という自虐的なセリフからはじまり、教官に思いを寄せる主人公を仲間全員が知っており、歌を歌って励ます?ところなど、非常に見ていて恥ずかしくなるような演出がたくさん。特に敵役の片平なぎさの「ヒロシ・・・」といいながら歯で手袋を外すシーンは印象的。
↓ こちらが具体的です。
悪役」の片平なぎさ演じる新藤真理子は、「ピアニストを目指していたが、スキーに行った際、婚約者の村沢浩と衝突してしまう。その時両手の指を粉砕骨折してしまい、手首から先を義手にせざるを得なくなりピアニストの道を諦めざるを得なくなった」という設定で両手に手袋をしている。そしてドラマでは毎回のように掛け声に続いて両手袋を歯で引っ張って外し、罵倒するシーンが流れ(外した手袋をどうやって再びはめるのかは謎である)、数年間は寒くなると手袋をした子供たちなどが同じように歯で手袋を外してモノマネをするのが流行った。
ええ、もちろんやりましたとも。
新人教育の様子はとても真剣、団体行動が主で体育会系的でもありかけ声をかけあったり、反復したりするんですけど、その雰囲気はスチュワーデス物語を多少彷彿とさせました。
説明が終わり、質疑応答が終わった時のこと。
「もう質問はよろしいですか?・・・お客さま!お客さま!」
非常事態発生です。なんと我々の中で急病人発生、意識を失った人がいるんです。もしや、と振り返るとそこには気を失ったジェームズくんが!
即座に現役キャビンアテンダントがファーストエイドに入ります!
着衣を外し、人工呼吸へ。同時にAEDを用意します。
AEDを使っての電気ショック時は感電を防ぐため、周囲の安全を確認。
口には酸素マスクをつけ、呼吸が戻るまで人工呼吸を続けます。これはとても体力と気力のいる作業。しかしこれを客室乗務員は続けなければなりません。時には着陸するまでの数時間続けることも想定されるそう。そうなってくるとさすがに少ない乗務員では対応しきれません。もちろん周囲の乗客に助けを求めることも。
「そこ、カメラを撮っているあなた! かわって下さい!」
は、はい! この緊急事態に全員が協力しあいます。
いつのまにかに見学者全員がやっていましたよw
キャビンアテンダントは教官よろしく、手を叩きながら人口呼吸をカウント。
「そこ、もたもたしない! もっと力を入れて!」
「はい、教官!」
もちろんこんな会話はありませんでしたが、脳裏はそんな感じ。リアル・スチュワーデス物語です。これはヤバい。ええ、もちろん私も参加したのでこの先の写真はありません。
お客様の協力もあって、無事 Anneさんは呼吸を取り戻しました。
え、アン????
そうなんです、この救急用人形は突然亡くなられた北欧の女性、Anneさんをモデルに作られたもの。今後このようなことがないようにと名付けられたそうです。JALはAEDの導入に早期から取り組み、2000年台初頭には全機に装備。当時は医療器具のためお医者さんしか操作ができなかったそうですが、関係各所への働きかけを行い、現在のように誰でも操作でき、街の各所に設置されるなど普及に至ったとのこと。
それにしてもジェームズ(仮名)が女性だったとは、どうりで色々おかしいと思ったんですが全然気づきませんでしたよ。
プレゼンテーションからまさかのリアルデモンストレーションへのスムースな移行は劇中劇のようで迫力がありました。その手早さ、正確さは日頃の訓練のたまものなんでしょうね。
正確さといえば定時到着率。
JALは定時どおりの到着で、定時到着率が89.90%でなんと「世界No.1」!
定時に正確に着くというのはもちろん乗客にとってもいいことですが、燃料の節約、CO2排出の削減などにも効果があるとのこと。つまりECOにも貢献しています。
安全であること、正確に運行すること。サービスの向上を含め、日々厳しい教官のもと訓練されている客室乗務員、キャビン・アテンダントの方はとてもステキでプロフェッショナルな方たちでした。
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▼ボーイング777フライトシミュレータ実体験(1)リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)
▼ボーイング777フライトシミュレータ実体験(2)リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)
▼ボーイング777フライトシミュレータ(3)現役パイロットのデモ飛行:リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011 ([の] のまのしわざ)