「ボーイング777フライトシミュレータ実体験(1)リンクシェアJAL日本航空機体整備工場見学会 2011」のつづき。
さて今回はついに私がボーイング777の操縦桿を握り、着陸にチャレンジです。
もはや同乗者の命は私の手中にあるといっても過言ではありません。それだけに緊張が高まります。
操作は離陸と同様、ピンクのラインに自機マークを合わせるという簡単なお仕事。でも簡単じゃないんです!
着陸するラインに対して斜めに進入。右に旋回して着陸ラインに合わせることがまず求められます。次に推力を下げ、速度を落としつつ降下開始。操縦桿を押して機首下げです。操作に対して機体がグググと傾き、Gを感じます。
こ、これは本物だ!
特に風もない、外乱の少ない好コンディションにもかかわらず、機体がいうことを効きません。もしかしてこの感じは、
機体が重い!?
船もそうですが、飛行機は空に浮いていて慣性の法則で操作に対して動きが遅れます。その遅れを見越して、早めに操作しないととっちらかっちゃうんですよ。
即座に早め早め、しかも微調整をするように頭を切り替えます。
手には力が入り、うっすらと汗が。緊張が高まります。
いよいよランディング。ラインは問題ナシ、進入角も適正です。
着陸の50メートル(?)前に機首上げ。ぐぐっと操縦桿を引きあげます。
ギュギュギュ!
着陸成功です、やった!
そして副操縦士の指示に従い、逆噴射。スロットルレバーを手前に引きあげます。逆噴射のゴゴゴという音がコックピット内に響き渡ります。
さらに両足を使ってブレーキ。ブレーキは両足のペダルの上の部分を踏むことで左右別々にかかるそうで、停止の際は両足踏み込むのだそう。
完全停止する前に逆噴射を停止、そしてティラーを使って機体を駐機場へと導きます。着陸は非常にスムースにいき、褒められるほどだったのですが、慣れないレバーによるタイヤ操作はあれあれあれ。
グラグラ、ユラユラ。
もう自分でもわかるほどのグラグラ運転です。あああ、こんなはずじゃなかったのに・・・やっぱりドリフのコント状態。ごめんよ、いしたに機長、私も同じでした。
言い訳すると、右利きなので左手でレバー操作ってぎこちないんですよ。しかも角度を保持しなきゃいけないので力いるし、そもそも着陸シミュレーター THE COCKPITは着陸までで、そのあとの地上の移動はシミュレーションしてなかったよ!
総括するとですね、THE COCKPITは偉大だったということです!
The Cockpit for MZカラー対応のリアルタイムフライトシミュレータ。夜間着陸を行うもので、 4種類の機体、7種類の空港を選択して着陸を行う。一応実物に近い夜景らしいです。 操作してから実際に効果が出るまでやや時間があるので操作がかなり難しいと思います。 左右のずれの補正も結構難しいので、無風での着陸以外は難易度がかなり高めです。 無風だと高さ調節と着陸操作だけなのでどうしても着陸できない人にはお勧めです。 また、機体によって操作しやすさが違うので、最初はDC-8辺りがお勧め。
あの過酷な訓練のおかげで今回スムースに着陸することができました。課題は地上での移動ということで。
次回は現役パイロットによるデモンストレーションフライトです。これがまたスゴイんだ。
(続く)