太田道灌と徳川家康の築城技術の時代差が石垣に現われる江戸城

皇居は江戸城跡。「皇居」とかいうからややこしいんですよねえ。まあ明治政府は倒幕したのでそりゃ否定もしたいわけですが。

さて今回時間があったので、子連れで江戸城跡を散歩。といってももちろん目的は「石垣」です。子供も私の石垣好きはよく理解しているので、話しが早いです。

江戸城

日比谷公園側からアプローチ。祝田橋交差点、道路は内堀通り。内堀通りはあとから作ったので元々橋はなく、その面影はこの石垣にあります。そう、表面は「打込接(打ち込みハギ)」。ばらばらの形の石を積み上げ、隙間に細かい石(間詰石)をいれてます。ところがこの道路が通っている部分の石垣は横に目地の通った「布積」。明らかに作られた時代が異なることがみてとれます。

仙台城跡・青葉城は石垣の博物館:軍事力のパワーシフト、武力から知力へ ([の] のまのしわざ)

このように石垣をよくみると面によって石垣の大きさ、積み方が異なるのがみてとれるのが江戸城の特長。

こちらは二重橋の「正門石橋」、明治時代の建造物です。こちらは「眼鏡橋(石橋)」に詳しいですが、鉄とセメントの時代がくる直前、石垣の最高傑作にして有終の美といってもいいでしょう。

[の] のまのしわざ: 石橋・眼鏡橋(meganebashi) アーカイブ

眼鏡橋の技術のチェックポイントはアーチの内角。いわゆる半円形のもの(180度)より、角度が少なければ少ないほど高度な技術が要求されます。日本橋はその点アーチの内角が小さいので、非常に高度です。

石橋の聖地、石匠館は石橋(眼鏡橋)の博物館 ([の] のまのしわざ)

東京からきたというと、東京には日本橋、二重橋と石橋がある、日本橋の上にある常磐橋も素晴らしい、とのこと。

日本橋、二重橋はどちらもここ東陽町出身の橋本勘五郎(種山村、丈八)がかかわったとのこと。ちなみに丈八の生家はこの石匠館の隣、向かいにあり現在も橋本家として続いてます。

この石橋(正門石橋)の先にあるのが大手門。

こちらは巽櫓。石落としがありますが、この右側の壁面はすべて打込接ではなく、切込接(切り込みハギ)。石が四角くきっちりと切りとられ、接合部の隙間がないもの。つまりそっちの面からは上がってこないから、こちらの登りやすい石垣の方にだけ石落としを設けたということでしょう。

富士見櫓。3重櫓で、現存する櫓としてはもっとも高いものとのことです。表からみるとかなり目立って綺麗なのですが、裏からくるとご覧のとおり、立ち入り禁止です。とても残念。

現在過去未来

中之門、百人番所ごしにみえる丸の内のビル群。

中之門は現代的な切込接で、しかも目地が通った布積。さらに「化粧」といい、表面を非常に綺麗にしあげています。実は江戸城、現存する門の石垣はほとんどこの形態をとってます。つまり縄張り上重要となる門は、徳川時代に手を入れていることのあらわれ。

天守台
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天守台も現代的な切込接、布積で構成されています。石もかなり大きく、徳川時代にどっかーんとたてたことが分かります。ところがこの天守はというと1657年明暦の大火で失われています。

江戸城 - Wikipedia

焼失後、ただちに再建が計画され、現在も残る御影石の天守台が前田綱紀によって築かれた(高さは6間に縮小)。計画図も作成されたが、保科正之の「天守は織田信長が岐阜城に築いたのが始まりであって、城の守りには必要ではない」という意見と江戸市街の復興を優先する方針により中止された。後に新井白石らにより再建が計画され図面や模型の作成も行われたが、これも実現しなかった。以後は、本丸の富士見櫓を実質の天守としていた。
また、これ以降諸藩では再建も含め天守の建造を控えるようになり、事実上の天守であっても「御三階櫓」と称するなど遠慮の姿勢を示すようになる。

まさに天下泰平の世の中、天守再建?はあ?江戸復興が先っしょ、みたいな感じで先送り。結局そのまま現在に至るです。天守が城の守りに不要、となった象徴的なことでもあります。それだけに富士見櫓は公開して欲しいんですけどね。

石垣の積み方に注目するだけで、その石垣が徳川時代に手を入れられたものかすぐにわかります。その点で江戸城は歴史が深く、いわゆる「古城」に手を入れて最新鋭に改造したもの。一方例えば大阪城や熊本城など、築城の名手「加藤清正」が手掛けた超最新鋭の城と比べると見劣りしたのではないでしょうか。まあ、最新鋭といっても400年ほど前なわけですけど。

身近な存在すぎて普段見過ごしていましたが、ちょっと散策しただけで色々な石垣の積み方があり見応えがありました。特に門は見事ですね。次回はぜひデジタル一眼をもって写真撮影しにいきたいと思います。

そして大阪城にいきたいです。

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江戸城から出ると、時代は一気に昭和へ。まさにタイムスリップ感覚ですね。この後、北の丸にある科学技術館へ散歩、武道館を抜け九段下に出て帰宅。思いっきり昭和でした。

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