身近にMacBook Airを使用している人が多く角がたつので黙っていましたが、発売から2年がたち、そろそろヒンジが壊れて買い替え時期なので総括してみたいと思います。
MacBook Airは潔く、そして美しい。 ([の] のまのしわざ)
まず発売当初はそのパッケージングで賛否両論渦巻いたわけですが、薄くするために機能を削ったことなどは特に問題ではありません。
MacBook Airが役立たずな理由の的外れな理由 ([の] のまのしわざ)
MacBook Airの最大の問題は熱対策です。
実はunpackして最初に気付いて、その後多くのユーザーが直面したシングルコア問題。熱対策が不十分だったことがすべての災いのもとです。
MacBook Air日本出荷開始! 最速開封レポート ([の] のまのしわざ)
上がMacBook Air、下がMacBookです。CPUはどちらも同じ Intel Core2 Duo。発熱量は大差ないと考えると、なぜシングルコア問題がAirだけ発生するかというとこれは構造上の問題。
MacBookAir初期型 熱暴走問題 CPU、チップセット周りの冷却見直しヒートシンクがあんな板で排熱性が良いとはお世辞にも言えないと思う。 多分シロッコファンで筺体から排気して負圧状態を作り、 ヒートシンク際のスリットから吸気して冷却するように設計されているんだと思うけど、 ヒートシンクに熱が伝わらなければ全然冷えないし、 同じヒートシンクでCPUとチップセットの両方を冷やす構造なので、 チップセットの温度もCPUの温度に合わせて上昇するわけで・・・そりゃ熱暴走しますわ、
で、実はこのシングルコア問題に直面したのはHDDモデルのユーザーなんですね。当時まだ高価だったSSDモデルのユーザーでは発生しにくかった模様。というのもSSDは熱をHDDほどは持たないからです。
そしてCPU、HDDの他に熱源となるのはバッテリー。
特に薄さを求めてリチウムポリマーを採用したAirは薄く広い範囲でバッテリーが底面を覆っています。
みなさん気にされないようですが、実はこのバッテリー、放電時も充電時も発熱するんです。これはミニ四駆やラジコンをやっているとすぐに理解できる話ですが。
特に充電時の発熱量はハンパないです。
シングルコア問題に直面したユーザーの使用環境をきくと、バッテリー駆動後ACアダプタで充電しているんですよね。それでは熱暴走するのもいたしかたないです。
この熱暴走を防ぐためにシングルコアに切替、発熱量をおさえようと制御するわけですが、それにより作業効率はぐっと落ちてしまいますし、実は熱源はCPUだけではなく、HDDとバッテリーも大きいのでCPUをシングルコアにした位では冷えないのでしょう。
かくしてシングルコア問題は非常に重大かつ解決できないものとなってしまったのでした。
なぜこうなったかというと、これはひとえにiPod touch/iPhoneの成功体験によるもの。
iPodの歴史をみれば明らかですが、バッテリーはリチウムポリマー、記憶媒体はHDDからSSDへと移行。このリチウムポリマー+SSDの組み合わせで薄型化するというフォーマットはiPodから着想しているはずです。
確かにこのフォーマットは発熱の小さなCPUを搭載する小さなデバイスでは有効でした。しかしこれをノートPCに応用したのはアップルをおいて他にいません。なぜ他メーカーがやらなかったか。薄型軽量にこだわりをもつあのソニーVAIOですらやってないフォーマット。
それは熱問題をクリアできなかったからでしょう。
そもそも当時他メーカーはCore2 Soloを使っていたことから分かるように、Core2 Duoの発熱量は無理があったわけです。そこにHDDとリチウムポリマーの発熱がアルミ筺体で伝わってしまったのです。
確かにMacBook Airは美しく、持ち運びができる唯一の軽量MacBookでした。
しかしその代償は大きく、盲信的ユーザーしか使うことが耐えられない孤高のマシンとなってしまったのです。
これははっきりいってしまえば、失敗作、欠陥品といってもいいでしょう。そんなものをジョブスが許すはずがありませんね。
そこで、ジョブスの反撃がはじまるわけです。その結晶がiPad。
私がiPadでもっとも評価している部分、それはでっかい液晶でも薄い部分でもありません。今回初採用となるアップル自社開発のCPU、A4です。
A4プロセッサの特長は10時間駆動を実現した消費電力が少ない(=発熱が少ない)点と、このクラスで初めてHD動画再生を可能とした点です。これはiPadの要求性能を考えると当然のこと。
しかし従来はどこからかCPUを買ってくるしかなかったのです。
PowerPCからIntelに鞍替えしたのは数年前。しかしインテルにとってアップルはファーストカスタマーではないので、お仕着せのCPUしか与えられません。AtomかCore2 DuoかCore i3/i5/i7か、といったチョイスしかないわけです。
速いけど消費電力と発熱が低いCPUがほしいといっても、そんなのない、でおしまいです。
仕方なくCore2 Duoを使ってみたら、SSDモデルじゃなくてHDDモデルが売れてしまってシングルコア問題。これがMacBook Airの悲劇でした。
そのリベンジとしてA4プロセッサの登場です。Atomでは実現できないHD動画再生が可能、消費電力は少なく10時間駆動。iPhoneが1日もたないのに液晶が大きく、CPUの性能もアップしているiPadの方がバッテリがもちそうって、単純に容量だけの問題ではないのです。
MacBook Airについてまるでタブーのようにジョブスは触れませんが、もっとも気にしてそれがiPadのフォーマットに影響を与えているように思います。
ということでAirは買わなかったけど、iPadは買いたいですね。Airと違って安いし!(そこか?)
[N] 「MacBook Pro」13インチ購入→開封の議
ネタフルさん、MacBook Pro購入おめでとうございます。これで熱問題から解放されますね。
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iPadとTOEICで935点の関係は?