ミニ四駆はジョジョの「スタンド」だった!?

DSC_9517
(写真:タミヤ本社ギャラリー)

先日熊山さんと「ミニ四駆」についてお話したところ、

「それって、ジョジョ(の奇妙な冒険)のスタンドみたいですね」

と言われました。えええ?どうして?

まずジョジョのスタンドを説明する前に、「ジャンプの法則」に触れなければなりません。

「ジャンプの法則」とは、友情、努力、勝利の三要素から成り立つ感動の法則。戦い続ける中で絶え間ない努力をし、友情をはぐくみながら勝利を得る、さらには敵が友人になると最強というヒット作のモデルケースです。

Perfumeがおっさんホイホイ(R35世代狙い撃ち)な理由:ジャンプの法則 ([の] のまのしわざ)

しかし陥りがちなのが「強さのインフレ」。次から次へと敵、そして自分が強くなり、最後は収拾がつかなくなってしまうもの。

いまPerfumeかしゆかがはまっているという「ジョジョの奇妙な冒険」も一時その罠にはまったそうですが、これを打ち破るために導入したのが「スタンド」制です。

スタンド (ジョジョの奇妙な冒険) - Wikipedia

スタンドは、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』第三部以降に登場する架空の超能力である。漢字では「幽波紋」と表記されるが、中国語版ではそれとは別に「替身」という言葉が通常使われる。

スタンドとは強さだけではなく、性格であり、特徴的な技によって差別化をしつつ、そして戦いの基本は「頭脳戦」。荒木飛呂彦さんによると単純な強さだけで勝負が決まるわけではない、強さのインフレからの脱却を図ったそうです。

さてミニ四駆もモーター交換という、簡単な手段で「速さのインフレ」を起こしました。そして軽量化はいくところまでいき、改造につぐ改造で速さだけが突出していったのです。しかしこれらにより子供や素人の参入障壁を高くし、結局は先細ってしまうということが起こりました。

そのためタミヤが考えたのは速さではなく、別の要素で勝負がつくようにしたいと。

そこでタミヤ公式戦コースでは速くするとコースアウトするようなコース作りになっているんですね。いくら速くてもコースアウトしたら負けです。完走しないと勝利できません。今はタイトターンは当然、テーブルトップと呼ばれるジャンプ台、そしてコースをよくみると継ぎ目が粗く段差が多いために弾かれることも多いです。

そのようなコース設定が、結果「ノーマル」が趣向を凝らしたバリバリの改造車に勝っちゃう偶然性と「楽しみ」を与えてくれます。そのため子供や素人が参入しやすいというわけです。

しかし参入しやすいからといって、コースアウトしない、速いマシンを作るのは簡単ではありません。さらにどこのコースでも速い、コースアウトしない万能マシンは作れません。コースに合わせて、その時々でセットアップをかえないといけないのですから、奥は深いです。

またミニ四駆を作ると、本当に誰ひとりとして同じマシンにならないんですから、個性豊かなスタンドちっくですね。


【ジャンプの法則に関連するエントリー】

Perfumeがおっさんホイホイ(R35世代狙い撃ち)な理由:ジャンプの法則 ([の] のまのしわざ)

「漫画版ナウシカ」はどちらかというと「映画版もののけ姫」 ([の] のまのしわざ)