MINI Clubmanのハンドリング

やはり私の走りの原点は神奈川県H市にあるY峠。

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最近では某違法公道爆走漫画のバトルの舞台となっているようですが、免許をとって最初に走りにいったのがこのY峠なわけです。

当時のY峠はまだ舗装半分、未舗装半分。特に峠をこえてから宮ヶ瀬方面はほとんどが未舗装。そのためダートを走るラリー屋さんの練習場所のメッカでもあったらしく、夜はそういった車がそっと出没。そんな中免許とりたての若造が男だけでこの山へ向かい、アスファルト、タイヤを切りつけながら、暗闇走り抜けてたわけですよ。もちろんBGMはその通りにTM NETWORKで。

その後未舗装だった道はほとんどが舗装され、宮ヶ瀬近辺の道は水没のため道が封鎖され、拡張工事がところどころされて対面通行が楽になり、夜景のメッカで展望台と駐車場が新設され、峠の駐車場でジムカーナの練習ができないように改修されたりと変化がありましたが基本の道は変わっていません。ハイビームで走ると遠くからキラリと光る目があってシカが出てきたり自然豊かな場所です。

そんな道も昨今は久しく行っていませんけど、今回たまたま高速とR246の渋滞を避けたらいつの間にかにY峠へと向かってました。帰巣本能とでもいうのでしょうか。

そしてiPodアダプタを介してiPodから流れるBGMは奇しくもTM NETWORKの「Get Wild」。

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20年たっても変わっちゃいないぜ。

と一人つぶやきながら慣らし運転中のMINIのタービンに鞭を入れる。4000回転までを利用してグイグイと上る。このトルク感は今までになかったな。ハンドリングは素直そのもの。ロールしつつフロントはスイスイとインへと向く。ラジコンの荷物を満載しているカーゴルームをひっくりかえさないレベルのコーナリングGであれば難なくいなす。

下りは慣らし中のためシフトダウンによるエンブレが使えないので基本はフットブレーキ、しかも左足で。フェードが怖いので速度は抑え目に。荒れた路面で跳ねる、というか伸び側の減衰が強くて落ちる(伸びない)ことによる振動が。フロントブレーキのロックを覚悟するがABSが作動することなく制動力が立ち上がる。変形し、錆びたガードレールが左右に迫る狭い道でも、吸い込まれることなくクリアしていく。この感覚、この速度はファミリーカーのそれではなく、まさしくスポーツカーであり競技車に近い。

なんてことを一人考えながら、あっという間に宮ヶ瀬湖畔へ。

一部で土砂崩れを直していて狭くなっていたり、逆に補修されて広くなっていたりしていたところもあったが、基本は知っている峠。峠のコーナーというのは必ずリズムというか、基本的な流れというのがあって、それが変化する部分が一番危険な箇所、事故多発地帯。そこさえ抑えておけば問題ない。もちろんそこは今まで十分怖い思いをしているので体が覚えている。特に橋が鬼門。ブレーキが肝要でミスすればそのまままっすぐコースアウトか、欄干につっこむか。こんなところをセンチ単位で攻めていくラリー屋さんにはなれないよ、と改めて思った。

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ということで完全に一人言モードだったわけですが、今回の走りで思ったのはMINIのハンドリングが素晴らしい点。これがマニュアルで、ショートホイールベースのR56だったらさらにステキだろうなあと。もちろんLSDが入っているといいなあ。足回りもこれくらいのグリップ力には十分なもので、変える必要性も感じないほど。カート感覚というキャッチコピーの割りにはやはりきちんとロールする足。正直柔らかいです。ただロール量(ホイールトラベル)が一般車としては非常に少ないですね。特に伸び側が硬くロールが規制されるのでクイック感があります。リアは・・・よく分かりません。リアがブレークするまで攻めてから考えます。

一方で不満点もいくつか見えてきました。

まずはシートのホールド性がないこと。長距離走っても腰痛が起きない疲れにくいシートなのですが、フィット感に乏しく細身の私には広すぎました。

そしてボディ剛性。剛性感はあるし、ドライビングをする上で特に問題はないのですが、やはりクラブドアによる大きな開口部でネジレ剛性は低いです。段差を超えるときにサッシガラスからミシと空気が抜ける感覚があるので間違いなくヨレてますが、まあだからなんだ、という程度ですけどね。

これで箱根スカイラインとか走るとまた違った印象なのでしょうが、ドライブが楽しみになる車の一台には間違いなさそうです。