ARとはArgumented Realityのことです。
こちらの写真はCEO、末吉さんの写真。左下にサイバーコード、いや 2次元バーコードがついており、アプリGnGで読み込むとメッセージが表示されるという仕組み。
▼ iPhoneアプリリンク⇒GnG (GET and GO) - Koozyt, Inc.
ちなみにこのGnGの技術は PerfumeARで採用されています。
▼Perfume ARでちっちゃなかしゆかが現れた! #prfm ([の] のまのしわざ)
Perfumeといえば最近アンドロイド化、バーチャル化が激しく、もはや実体と仮想とが入り混じってその境界線があやしくなっています。
この Koozyt(クウジット)という会社は般若心経「色即是空空即是色」から着想し「空(くう)」と「実(じつ)」をつなぐ会社として「クウジット」と名付けられました。
「色即是空空即是色」とは。
色即是空、空即是色 - 故事ことわざ辞典【読み】 しきそくぜくう、くうそくぜしき
【意味】 色即是空空即是色とは、この世にあるすべてのものは因と縁によって存在しているだけで、その本質は空であるということ。また、その空がそのままこの世に存在するすべてのものの姿であるということ。
【色即是空空即是色の解説】
【注釈】 「色」とは、宇宙のすべての形ある物質のこと。
「空」とは、実体がなく空虚であるということ。
「即是」とは、二つのものが全く一体不二であること。
すべてのものは、永劫不変の実体ではないという、仏教の根本教理で『般若心経』にある言葉。
つまりこの世の中の実体(色)を思われるものと仮想と呼ばれる「空」の境界はあいまいで、実際にはよくわからないってことです。だから Perfumeが今も実体として現実に存在しているかどうかも曖昧なんですよ。
Koozytの技術を披露する Open Showcase 2012はそんな押井ワールドに入りこんでいきましょうという、未来への入り口。たくさんの現存する技術を紹介すると同時に、Koozytの共同創設者である暦本純一さんによる最新研究の紹介もありました。
暦本さんは15年前からARの研究を、当時はARという言葉すら存在しなかったのですが、拡張現実の面白い研究を行っていてその着想の一部を製品にフィードバックしたのがさきほど出てきた「サイバーコード」だったりします。
CyberCode - Research Gallery - Sony Computer Science Laboratories, Inc.サイバーコードは研究開発後、いくつかのソニー製品などに採用されています。1998年にはカメラ付きのノートパソコン、VAIO C1 にサイバーコードアプリケーションが搭載されました。2006年からは銀座のソニービルにサイバーコードを利用したキオスク端末が設置されています。そして 2007年にはトレーディングカードと融合したプレイステーション3用ゲーム、"THE EYE OF JUDGMENT" が発売されました。
暦本さんが現在行っている研究の中で、実に興味深いのがFlying Eyes。
カメラがまるでゲームの3rd person viewのように後ろから自分を撮影することで、ゲームの中に没入したような感覚を得られます。このカメラは ARドローンに取り付けられ、人間を追跡するのはもちろん、回り込みといって人間を中心に回転したりと自由に位置を変えることができます。
この Flying Eyesの応用範囲は広く、たとえばスポーツ中継。サッカーであれば選手全員に個々のカメラを浮遊させ、決定的瞬間をまじかで観察したり、お気に入りの選手だけを見続けたりすることができます。ええ、完全にゲームの世界を現実世界に飛び出させてます。
12年後のオリンピック・サッカーではARドローン・カメラがブンブン飛び回るようになっているかもしれませんよ。
雑誌「AXIS」にその他色々な研究についての詳しい話が載っているので、ご興味があればぜひどうぞ。
【Amazon】 AXIS (アクシス) 2012年 06月号 [雑誌]
さて、世界初のカメラ搭載ノートパソコン VAIO C1を作ったのが現在Koozyt CEOの末吉さんであり、私はこのC1向けのアプリケーションを開発していたというご縁なのでした。
▼ソニー、Tiny AIBOをバンドルした音声認識パッケージ
主に色モノアプリ担当でしたが。
同じく暦本さんがかかわった3次元仮想世界、VRMLを使ったアプリケーション Community Place (旧名 Cyber Passage)用コンテンツを開発していたこともありました。
▼Sony Japan|プレスリリース| インターネット上での三次元仮想空間におけるコミュニケーションを実現するソフトウェアパッケージ 『インターネット3Dパック』 発売
この「さぱり」に出てくる鏡、そして池の波を開発した飛鳥井さんは今 Koozytで PerfumeARなどを作っています。さらに TinyAIBOを作った goto-taさんも同じくKoozytで働いているということで...10年以上たってもご縁というものはありますね。
koozytの示す10年後の未来、どんなことになっているのか、とても楽しみです。サッカー、bird-view視点になっているかな?