2023年 VRを作るとしたら

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1995年からだいたい2000年まで、VRMLという技術をつかいVRChatサービスを企画開発運営していました。いまVRブームと言われていますが、90年代が第一波だとするとセカンドライフが第二波、今回が第三波という感じでしょうか。今回はホンモノだ、定着する、とかなり鼻息荒い人が多いようですが、昔VRをやっていたロートルとしてはかなり冷静です。燃えないというか、なんというか。その理由はたくさんあるし、口をひらくとすぐに老害呼ばわりされるので、逆に今自分がVRやVRChatを企画するとしたらどうするか、考えてみたいと思います。

VRゴーグルは悪手

VRの普及を妨げているのはVRゴーグルです。みんなそれは分かっているのでコストダウンや高性能化など計っているようですが、いやそうではなくVRゴーグルを使わないとVRできないことに問題があるのです。だからVRゴーグルが不要な世界を作るべきです。特にVRゴーグルは3D酔いしやすく、一度酔ってしまった人はトラウマになりなかなかやりたがりません。

VRゴーグルを使わないならディスプレイとキーボードの普通のPC環境になっちゃうので陳腐だ、そんなのVRではないという意見もあるでしょう。現実世界との連続性が強すぎるためですね。

そこで思い出したいのはVRの先駆けであるOUTRUNです。OUTRUNは体感ゲームといい、筐体が左右に動くことでGを感じることができました。つまり別にゴーグルにする必要はなく、身体全体をおおってしまえば十分没入できます。そしてそのヒントはガンダムにあります。

ファースト・ガンダム時代のモビルスーツはコックピットに前面とサイドモニターを装備していました。これが6年後のZガンダム時代になると全天球コックピットで全周モニターとなり死角がなくなります。そしてこれを模したのが「戦場の絆」のような閉鎖型筐体というわけです。これは十分VRとよぶに相応しいですよね。

これを部屋におけばいいんですが、置ける場所なんてありません。じゃあどうすればいいか。なんてことありません、最近の家屋には必ず1つ以上存在するあの小部屋を改造すればいいのです。それは洋式トイレ。

洋式トイレ魔改造

ソースが見つけられませんでしたが、昔引きこもりの理想の部屋かトイレ、というテーマでトイレに必要な機能を追加していった結果、冷暖房、モニター、PC、ゲーム機などありとあらゆる装備がされた理想のトイレが出来上がっていました。最後は車輪がついて走っていたかな? ガンダムシリーズでも「Gのレコンギスタ」でコックピットのイスの下が水洗トイレになっており、やはりコックピットとトイレは相性がいいというか、長時間滞在して外にでないという環境の共通性が見出せます。VRも一度没入したらそうそう「落ちる」ことはしないしマナー違反を問われるので、妥当な選択でしょう。

アバターは人間でなくていい

昨今に限らず、私が好きではないのはアバターのゆらぎです。アバターが本人の「化身」ということで個性を出すため自由な表現手法になっていますが、そのベースが人間であり、性別があり、ファッションの自由度があればあるほど統一性がなくなりせっかくの世界観を台無しにしていると感じてます。いわばジャンプのキャラ全員集合みたいなもので、北斗の拳とDr.スランプあられちゃんが同じ世界にいても、困るわけです。

また性別が問題です。VRは現実に不都合を持ち込む必要はありません。現実世界でもっとも不都合な真実は性別と年齢、さらにいえば人種と言語です。言語に付随して歴史と文化、宗教などがくっついてきますが、これはまだ先の話。

だからアバターで男女を用意してとかやると、あとはセカンドライフの時代に流行ったVR風俗に走るしかありません。何が面白いのか分かりませんが、一部では結構流行っていたようです。

VRゲーム、コックピット型筐体で考えるとアバターはクルマやモビルスーツが実は適しています。そうすると現実世界から仮想現実へ入るのにドアをくぐるという儀式をすることで、隔絶することができます。ナムコワンダーエッグにあったギャラクシアン3もこういう儀式をすることで宇宙空間に飛び込む感覚を味わうことができました。

トイレに入ってアバターに乗り込む

同様にトイレを魔改造したコックピットに乗り込み、そこからワープしてVRの世界に飛び込んでゆく演出によりアバターに「乗り込む」こととすればいいわけです。ここで問題になるのはアバターは通常は人間サイズの人間だったのですが、コックピット化することでモビルスーツ化する必要がでます。そうすると自然とアバターもモビルスーツサイズ、小さくてもボトムズ(アーマードトルーパー、AT)サイズになるので実世界をモデリングしたVRだと狭く感じてしまいます。ただこれは1/1スケールでの話なので、設定でミクロの決死圏のようにスケールダウンしたという設定にすれば同じサイズ、もしくはもっと小さくしてそれこそ人体の中に入っていってしまうなんてミクロの決死圏VRを体験することができます。ちょっとやってみたくなってきた。

ということで、今日はざっくりここまで。気が向いたら続きを書きます。