MINIであってMINIではない! MINIクーペ詳細写真からみる本気度合い

いつもお世話になっているMINI府中さんで、MINIクーペを見てきました。

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東京モーターショーは黒山の人だかりでほとんど見られませんでしたからね、逆にじっくり、ゆっくり見られてよかったです。

車両はMINIクーペ Cooper S 6速オートマ(6AT) JCWパッケージの黒です。

【リアスポイラー】

まず大きく目をひくのがそのルーフとルーフエンドにある導風板(ルーフベーン)、その先にある電動可変スポイラー。ここショールームではスイッチで上げた状態で展示されています。この電動リアスポイラーがカッコイイ!

MINIクーペ、電動リアスポイラーの動画【ワンダードライビング】

ニョキーっと上がって、にょろーっと格納されます。予想以上に角度がついていて、ダウンフォースをばっちり稼ぎそう。

さらにルーフベーンが効果的に空気をスポイラーにあてる構造。これはWRCのインプレッサについていたものと同じ原理です。

SUBARU - Motorsport

現在販売されているロードカー、インプレッサWRX STIの外観上の大きな特徴のひとつとなっているこのルーフベーンは、元々WRCの実戦で使用することを目論んで量産車に盛り込んだ空力デバイスである。ハイスピードステージなどでの高速走行時に車体の前方からボンネットを越えてルーフ上部に流れる空気は、このルーフエンドあたりで乱れ、後方に向かって渦を巻く。このためトランクリッドにあるリヤスポイラーは、ある程度高い位置にマウントする翼面でその空気をとらえなければ、後輪を地面に押し付けようとするダウンフォースにならない。しかし、このルーフエンドで空気を捉え少し流れを換えてやるだけで、大型リヤスポイラーの効果が高まることがわかっていた。

ちなみに3HBのルーフエンド・スポイラーはウィング構造。

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同じデザインテイストながら、デザインアイデンティティの「ヘルメットルーフ」とデザインしつつ効果的な空力デバイスとしているのがさりげなさすぎです。しかもともともルーフ形状がなだらかに湾曲しているので、ルーフベーンがなくてもリアスポイラーは効果的だったのでしょうが、デザインと両立しつつさらに効果をあげているものと予想されます。むむむ、やるなあ。

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フロントウィンドウの角度も随分と寝て、ルーフ高が低くなっていることも外観上の大きな特徴。

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さらにさらに。実は見えるところだけじゃないんです。

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真っ黒で見にくいですが、実はフロア下は樹脂製のカバーでリアサスペンションの寸前まで覆われているのです。つまりフロントから入った風は整流され、リアサスペンションアームを避けるようにして後ろに流されるという構造。

リアエンドが極端に短いこともあり、最近流行りのディフューザーはないですが、十分ストレーキ効果は発揮されそう。むむむ。

この動画の0:45くらいからと、1:29からで砂漠を走っているのですが、巻き上げた砂の動きがよく分かります。

【トランク】

次はこの中身、リアトランクです。湾曲した大きなリアハッチゲートを開くとそこは。

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MINIとは思えないほどの巨大なトランク空間が!

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さらにデザインされたトノカバーを外すと、もっと広々。

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しかもトランクスルー機構つき。運転席、助手席からトランク内へものをポイポーイっと放りこむことができます。さらに!

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ちょうど放りこむあたりに窪みがあってものを置ける構造。

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結果的に最大容量はこんな感じに。

床下は凸凹していますが、物があっちこっちにずれていかないことを考えると、十分リーズナブル。それに凸凹しているのはなんてことはない、リアサスペンションのサブフレームの取り付け部分のようです。このレベルに床面を合わせると収容量が落ちるので、出来る限り広くとった結果でしょう。

収納量だけを考えればそもそも運転席、助手席とトランクスペースを分ける「隔壁(バルクヘッド)」を設けません。しかしここをあえて壁を作り完全に分けています。この目的はボディ強化。広く大きく空いたハッチゲートで落ちるボディ剛性をこの隔壁で強化しているのです。これは堅そうですし、ちょっと運転したディーラーさんもとても堅く感じたそうです。

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床下にはパンク修理キット等車載工具が。ランフラットタイヤではないようですね。ちなみにタイヤはコンチネンタルコンチスポーツ3装着でした。

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3HBとリアセクションの比較(どちらもJCW仕様)。テールランプ、バンパー、タイヤハウス回りは同一のようです。

【室内】

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室内で一番気になるのがその後ろ側。がっつりしたバルクヘッドに収納されるリアスピーカー。中央には鍵付きのトランクスルー用のドアが装備されています。小物はこの前にあるトレーに置けるし、大きなものはトランクスルーで中に放りこみましょう。

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このバルクヘッドのおかげでリクライニングは最小限。

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新幹線や飛行機のエコノミーシート並みには倒れるので軽く休憩はとれるでしょう。この手のクルマで車中泊はしないでしょうけど不向きで、いわゆる「エクストリーム車中泊」のジャンルになります。

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シートベルトアンカーはBピラーにつくのではなく、バルクヘッド脇についています。しかもシルバーの金属素材むき出しでカッコイイ! Bピラーにつけていないのは今後でるであろうロードスターと共通にするためなんでしょうけど、この手の気の使い方は素晴らしいですね。

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ルームランプはこれまたロードスターを意識してフロントに内蔵されています。マップランプは従来と同様左右に。ちなみにリアスポイラーの手動スイッチもここの中央に入っています。

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ルームミラーをよくみると形状が今までの楕円からちょっと変わっていますね。ウルトラマンの目みたいに多少つりあがっています。

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ルームミラーをのぞくと内装は至って従来通り。

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唯一の違いはルーフが降りて、Aピラーが寝て迫っているところくらい。実に狭く感じます。とはいえせまっ苦しいわけではなく、いわゆるタイトな印象。頭上からルーフまではこぶし1個分はあいていますし、寝ているAピラーも昨今のクルマと同じ角度になったくらいでしょう。

一度運転席に収まってしまうと、恐ろしいくらいに「普通のMINI」です。

【フロントセクション】

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さらにフロントセクションへ行くと、もっと普通。もはや普通のMINIとの違いを見つけることができませんでした。同一、といっていいんじゃないでしょうか?

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184馬力 250Nmを発揮する1.6リッターツインスクロールエンジン。バルブトロニックを装備して燃費とパワーを両立しています。マイナー前の175馬力仕様に乗っていますが、いやマジでこのエンジンいいですよ。伊達にヨーロッパのエンジン・オブ・ザ・イヤー取っていません。

INTERNATIONAL ENGINE OF THE YEAR 2011

1. BMW 1.6-litre four-cylinder turbo (Mini Cooper S, Clubman Cooper S, Countryman Cooper S, Mini Works, Clubman Works)

【デザイン】

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なんてことないトノカバーですけど、この流線型の隆起。これは完全にデザインのためだけに作られたもので機能性はまったくなし! またですか、またデザインのためだけですか! 

フロントボンネットにあいているエアインテークも先代モデルでスーパーチャージャーのインタークーラー用にあいたものを模しているだけで現在は完全なるダミー。機能、効率だけでないこういう遊び心がMINIのいいところですね。

・・・

以上MINIクーペをじっくり細かいところまで見てきました。3ドアハッチバックと共通パーツを使いながら大胆にデザイン変更。しかしまったく別のクルマを作るのではなく、MINIはMINI。フロントセクションはまったく同一で、ここぞというところはオリジナリティを出しつつ、今後でるであろうロードスターと共通化と、細かい配慮がされているのがニクイです。

プレミアムスポーツではなく、量産スポーツカーであることを意識しつつ、コストをうまくセーブしながら空力やボディ剛性など抜かりなく詰めてきているのをみると、「むむむ」と唸らざるをえません。

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このプロポーション、どうみてもMINIというよりもはやAudi TT、しかも初代です。

星空はすべてキミのもの? 若奥様の使い勝手チェック:Audi TT RS クーペ高速試乗レポート(2)【ワンダードライビング】

2 by 2ではなく割り切って2シーターとしてしまっているところに男気を感じますね。もっともこのサイズ、このデザインではどうやっても2 by 2も無理ってことでしょうけど、初代CR-Xではむりくりリアシートつけています。MINIにとってリアシートよりも大事なもの、それはボディ剛性だったということでしょう。それに安全性が優先される現代であり、185馬力のハイパワーをかっちり受け止めるためには自然な選択ともいえます。

MINIクーペはバラードCR-Xの再来か? (CM動画あり) ([の] のまのしわざ)

完全なる2シーターということで、購入できる人も限られ日本導入の台数も非常に少ないとのこと。しかし完全な趣味クルマ、リタイア後に2人以下でしかクルマに乗らないという人にはピッタリではないでしょうか。実際BMW 3シリーズクーペに乗る老夫婦がやってきて MINIクーペの見積をとっていました。とりまわしがよくて、運転も楽しいしいい選択だと思います。

日本人気質として「イザというときに4シーターの方が便利」と考えますが、あえていいましょう。

・イザというときはほぼ来ない
・イザというときが来ても代替手段がある
・代替手段がなくて無理やり使っても、いいことはない

ようは中途半端ということです。その中途半端さのために日常を犠牲にしていることは無視されています。ようはゼロリスク症候群と同じ。

分かる

*ゼロリスク探求症候群

ほんのわずかなリスクの存在も許さない。
完全主義、完璧主義。日本人は、何万分の一の確率であっても、すべて危険と判断し不安に陥る傾向がある。

マーケットの要求で商売回っているので、しょうがないといえばしょうがないのですが、そういう日本市場だからこそ、MINIクーペが光り輝いて見えてしまうのです。2シーターオープンスポーツを乗っている私としては気になる、気になる、気になる…

もともと私は2シーターが大好きなんですよね。S2000は当然2シーターですが、その前のシビックRやシティもリアシートとっぱらって2シーターにしていたし…(競技用のため)。グループでワイワイドライブなんて「幻想」ですよ。平均乗車率は1.5名以下という統計をみても、ドライブは基本アローンです。

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MINI 府中

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