電気自動車試乗まとめ:技術は時代に翻弄される

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(たま電気自動車)

世界で一番CO2を出さないクルマと日本で一番燃費の悪いクルマの乗り比べ ([の] のまのしわざ)

こちらで予告したとおり、

・電気自動車リーフ&たま電気自動車

・ロータリーターボ搭載 FD3S RX-7 ダートトライアル仕様

に乗ってきました。

ナチュラルに運転して! 電気自動車・日産リーフに試乗してきました(動画あり) : ギズモード・ジャパン
日本初の電気自動車! たま電気自動車に試乗してきました(動画) : ギズモード・ジャパン
「第19回グループ4ダートトライアル」FD3S RX-7ダートラ同好会・初競技会デビューしてきました ([の] のまのしわざ)

まったくもって極端から極端なわけですが、ただ一つ言えることは技術はいつでも時代に翻弄されるということ。

機械遺産Mechanical Engineering Heritage

この後順次改良型が開発され、東京ではタクシーとして利用された実績も有する。そして1949(昭和24)年に発売された「たまセニア」号では、1充電200kmの走行が可能になった。これは現代の電気自動車と同等以上の航続性能であったが、ガソリンの供給状況の好転と蓄電池材料の価格高騰により、一連の開発が中止された。  

この自動車は過去に一度放棄された技術も再び必要になることもあること、社会的な受容態勢がなければ一時のブームに終わることを示す重要な実物教材である。

たま電気自動車は戦後、ガソリン不足が深刻な時代背景を受けて開発が進み、現代の電気自動車とほぼ同じ構造、電池交換式、同程度以上の航続距離などを達成しました。

ところがガソリンの供給が安定し価格が下がったこと、逆に電池材料の価格高騰で「見合わなく」なって開発が終わってしまったのでした。

これは非常に示唆的で、現在EVが注目を浴びていますがこれはガソリン枯渇、価格高騰、一方で充電池性能の向上が大前提となって進めています。

しかしこれが例えば大油田が発見されてガソリンがさらに100年安定的に供給できたり、CO2排出と地球温暖化などの問題が特に問題視されなくなった場合は大前提が崩れてしまいます。

ロータリーエンジンもしかりで、構造が複雑なOHC、DOHCなどのバルブ技術が発達する前に高回転高出力を達成できたのはロータリーエンジンだけでした。しかしバルブ技術と点火技術の進化により逆転、今ではCO2排出、燃費で不利なロータリーエンジンは風前のともしびです。

ところがハイブリッド自動車、レンジエクステンダーといった技術で使われる発電用エンジンで再び軽量コンパクトでシンプルなロータリーエンジンが着目されています。

【ジュネーブモーターショー10】アウディ A1にプラグインHV…ロータリーエンジンで発電 | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

バッテリー残量が少なくなると、発電専用のエンジンが始動。アウディはこの「レンジエクステンダー」に、ロータリーエンジン(アウディは発明者の名前を取って、ヴァンケルエンジンと呼ぶ)を採用した。排気量わずか254ccのシングルローターエンジンは、最大出力20ps/5000rpmの性能。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給すると同時に、バッテリーを充電する。燃料タンク容量は12リットルだ。

このロータリーエンジンの発電によって、A1eトロンは、さらに200km、航続距離を延長。ロータリーエンジンは低振動&サイレント、軽量というメリットを備え、ジェネレーターや吸排気系、電装系、冷却系を加えても、エンジン単体のトータル重量はわずか70kgという軽量さだ。

ちなみにこのロータリーエンジンメーカー、AVLはロータリーエンジンを最初に開発したところで現在はVW/Audi傘下です。

ということで、今後も新旧技術に注目です。

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ROTARY ENGINE archives―マツダロータリーエンジン40年史 (NEWS mook) [ムック]

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