60km/hになると5速に入っちゃう(入れちゃう)スマートくん、さて高速道路の走りはいかに。
まず高速の合流、小さくて踏みにくいアクセルペダルと、抑え目なアクセル開度、執事風自動変速ロボのすばやいシフトアップで加速しません。そこで積極的にマニュアルモードを駆使してエンジンを高回転まで引っ張ります。
ひとたび速度を乗せれば高速巡航はこなせます。ただし問題がひとつ。それは・・・
物凄く速度感がある!!
つまり感じる体感速度が実際の速度より高いんですね。うわー、もうだめスピードですぎ!今何キロ、えっ、
90km/h??
なんてことはしょっちゅう。なので回りのタクシーやトラック飛ばしてんなあ、怖いなあなんて思っていても別の他の車が飛ばしているんじゃなくってスマートくんがユックリなだけだったりするんです。
飛ばすのには自信がある私でもなんでこんなにユックリなのかというと、ひとえに速度感があるということにつきます。着座位置は高く、視界が広いので普通は速度感がないはずなんですがスマートの場合はボンネットが見えず、手前の路面までクッキリはっきり見えるんですね。手前の路面の風景の流れっぷりは当然ですけど速く、これが速度感を出している要因のひとつ。
そして着座位置の高さがどうもちょうど自転車にのったときの視点の位置なんです。そして広い視界のせいで、なんだか超速い自転車で高速道路に紛れ込んでしまったかのよう。特に首都高は継ぎ目があるためピッチングやロールが激しく、自転車感が増します。すると90km/hでも「うぉーーー、はぇーーーー!!こえぇぇーーーー」ってなっちゃうんです。特に夜の首都高は速い感が著しいです。
90km/hでもはぇーーーってなる首都高ですが、東名高速でも似たようなもの。90km/hでのフレキシビリティ(加速能力)があまりなく、追い越し車線なんて
ムリムリ。
特に坂道に至ってはちょっとでも坂になった瞬間に速度は見る見る落ちていきます。アクセルを踏み込んでも速度が回復せず、シフトダウンもしません。そのままひょろーんと速度低下です。
この速度域は5速のオーバードライブギア、エンジン回転数は100km/hで約2500回転。エンジンの特性をみると2500回転以上だとパワーがでてくるのですが、例えば80km/hくらいだと2000回転位なので加速はムリなので、4速に落として速度低下を食い止めないと厳しいです。
2500回転以上はパワーがでてくるのですが、燃費は逆に落ち込むのであまり嬉しくありません。ということを勘案すると、だいたい80km/h~90km/hでの高速巡航が妥当です。
そしてもうひとつは空力特性の問題。
丸っこくてカワイイスマートくんですが、空力がいいかというとそうでもないようです。特に風があると顕著。前後方向の風の場合では風切り音がしはじめますし、横風があるとモロにうけるらしく、それなりに流されようとします。重心が低いので100km/h以下であれば危険、ということはありませんが物凄い「抵抗感」があるんですね。向かい風であれば速度低下です。
やっぱり丸っこいとはいえ、基本は正方形に近い形なのが、構造的に厳しい模様。特に高速安定性は前後オーバーハングを長くして安定させるというのがスポーツカーの定番で、NSXのリアが極端に長いことや、マクラーレンF1がマイナーチェンジやレース仕様ではオーバーハングを長くしたというのも、今回の件でよく理解できました。
当たり前ですけど直進安定性は細長い方がずんぐりむっくりしたものよりイイということです。
そもそも考えてみれば全長たった2.7m、ホイールベースも1.8mしかないんですからその割には安定しているといってもいいでしょう。ポテンシャル的にはメーターの最大値160km/hを出しても破たんしないほどの安定感ですし、ブレーキも大径でフルブレーキでもしっかり止まり切れる性能をもっていそうです(試してませんが)。
そのへんはやっぱり速度無制限のアウトバーンをもつドイツの車。限界性能までよくバランスをとっている手ごたえを感じました。
ということで高速は90km/h巡航、基本はA(自動変速ロボ)ですが、坂道になった瞬間に4速へ手動でシフトダウン、速度低下を抑えつつというのがよさそうです。え、もちろん走行車線キープ、登坂車線はもちろん入りますよ。人呼んで、
追い越し車線の羊、走行車線の狼
です。いや意味分かりませんが。
追い越し車線に入っていいのは下り坂のみです。いいですね。
・・・なんてことを感じながら思い出したのが、20年前のっていた KP61スターレット。最後のFRスターレットで、4Kエンジン 1300cc OHV グロス 72馬力という非力なクルマ。私にとって初めての5速マニュアル、加速レーンを全部使い切っても80km/hまでしか加速できないほどでした。まあエンジンとかプラグとかどうも調子悪かったためですが。
そのKP61スターレットも同じく、走行車線キープ。下り坂のみ追い越し車線を使うという走法で調布から熊本まで帰ったことがあります、お盆の渋滞にはまりながら22時間かけて。
そんな牧歌的な時代を思いおこさせるスマートくん。そんな意味では牧歌的な走りでキャラによくあっているといえばあっていますね。ただ問題は現代クルマ社会の平均スピード、当時よりも相当あがっているのでなかなか。速度的にはトレーラーやトラックと仲間で、ムリは禁物です。
シフトダウンしてギュンギュン走るのもいいですけど、燃費も悪くなるし、そもそもキャラに合いませんからね。まったりとクルージングを楽しもうではありませんか。
ちなみにシートがすごくよくて、9時間のっても全然疲れませんでした。座面の奥行きがたっぷりあって、膝裏まできっちりと接していることやランバーサポートがしっかりしているのがいいですね。しかも今回のクルマは私の大好きな本革仕様。背中は通気性のいいメッシュになっていて、快適でした。
ということでスマートでの長時間のクルージング、安心していけますよ、ちょっとゆっくりですが。それに燃費が嬉しいです。私の生涯最高燃費はGA2シティ 5MTの20km/Lですが、それをはるかに上回りました。
【お知らせ】
1)スマートが1台あたるキャンペーン
smart surprise!
え、エスパー伊東さんがエスパー納車??わけわかりません!
2)ブロガー試乗キャンペーン
このサイズがあまりに小さくて駐車場がでっかく感じてしまうスマート フォーツーがブロガー向けに試乗キャンペーン中です。この機会にぜひどうぞ。
応募概要|smart cafe>>「スマート フォーツー」の週末試乗キャンペーン
週末に、smartに乗ってsmall happinessを探しにいきませんか?
ブロガーの皆様向けに、最小限のボディサイズで最大限の安全性・快適性・環境適合性を実現させたマイクロコンパクトカー「スマート フォーツー」の週末試乗キャンペーンを実施します。
応募期間:10月13日~10月24日(第3弾)
・11月13/14日
・11月20/21日
・11月27/28日のいずれかの週末で試乗いただくブロガーさんを、日本全国から20名募集します。
draco
詳細なレポート大いに参考になりました。他のブロガーのも見ましたが、的確かつ圧倒的情報量。
ひっくり返っちゃう車や飛んじゃうル・マンマシンがあったりで技術レベルは・・・。でもスマートの改良を地道に重ねる姿勢は○。
KP61は懐かしい。OHVでしたね。日本人はすぐ古いだのといいますが、コルベットスチングレイのL87、クライスラーのHEMIエンジンもOHV。要はそれぞれ特徴があるということ。
そういえばシートがいいとのこと。重要事です。私は同じ車種(JZX81GTE)を3台、35万Km乗った経験から、このシートは(運転席)幅の調節ができ、電動ランバーサポート調節もあって、9時間でもへちゃらでした。ドッカンターボの暴力的パワーは燃費という代償が大きく手放しましたが、よい車でした。
これからも楽しい記事をお願いします。
tnoma
> dracoさん
スマートは突っ込みどころ(?)がたくさんあって、ブログするのにとてもいい素材でした。思わずあれやこれやと書いていたらこんな分量になってしまいました。
まだいくつかネタがりますので、お楽しみに~
JZX81を3台35万kmとは!凄いですね。私も同じ車種2台というのはありますが、まだまだそこまでは。
では今後ともよろしくお願いします。