次回の東京モーターショーはCEATECと同時開催してもいいんじゃない?

個人的に幕張メッセに何度もいくのが大変だから、という理由が大きいですが。10月はCEATECにホビーショー、さらに東京モーターショー2回と完全にノックアウトでした。

それはともかく、これだけ電気電気してくるとCEATECの展示とかなり親和性が高くなっています。例えばシャープの直流家電住宅と三菱ブース。

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(シャープ:CEATEC2009)

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(三菱自動車:東京モーターショー2009)

どちらも三菱アイって、そういうことではなく、言っている内容が同じなんですよ。つまりエネルギーの地産地消、ソーラーパネルや風力で家庭発電した「直流電力」を直流で電気自動車を充電しましょうと。

家庭用電源は当然AC(交流)ですが、これは発電所から電気を「輸送」するのに適した方式だから。一方で家電はコンピュータを含めてすべてDC(直流)で動作します。そのためACアダプタや内蔵するトランス(変換器)によってACからDCへ変換して利用しているのですね。

家庭でACのまま使うのは交流モーターを内蔵するエアコン、洗濯機、冷蔵庫くらいでしょうか。もっともインバーター回路を使ってわざわざ直流化するものもあるのでその境界はあいまいですが。

電気自動車になると素敵なのは、排気ガスがゼロということです。これは画期的。というのも三菱ブースのように家庭のリビングに車を入れても良くなるってことですよ!!

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(リビングの中が車庫になっている)

これまでも一部の車好きがガレージ兼書斎と称して様々なデザイナーズな部屋を作ってきました。しかしどれもコンクリート打ちっぱなしが基本で寒々としています。それもそのはず、どれもガレージの域を出てなかったから。ガレージに無理やり書斎をこしらえたものばかり。排気ガスのことを考えたらリビングにいれるなんて考えられません。

しかし排気ガスがでない電気自動車なら、リビングに入れてもまったく問題なし。いやむしろリビングに入れたい。なぜなら自動車の空間がそのまま居住空間にもなりえるから。

例えばダイハツのデカデカ。

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(ダイハツ:デカデカ)

車内がそのまま移動オフィスやリビングのようになってます。36型大型液晶ディスプレイが目立ちますね。

そもそも車内の目指す方向は「リビング」のような快適空間。オーディオも、エアコンも、シートもそうですね。であれば、まさにリビングから一部を切り取って走り出す、リビング収納型電気自動車もアリです。

いまはモバイル機器としてデジカメからノートPCまで色々なものをリュックに入れて持ち歩いていますが、持ち歩く時代はそろそろおしまい。デスクトップPCをそのまま持ち出せるんです。これはモータリゼーションの革命といってもいいでしょう。

まあちょっと間違えるとあっという間にホームレス生活ですけどね。

そんなホームレス生活電気自動車に欠かせないのは充電スタンド。家庭では100Vでも充電できるようですが、200Vの充電スタンドを設けるのが急速充電できてよいでしょう。そこで凌ぎを削っているのが電気スタンドのメーカー。

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(日産リーフ:パナソニック ELSEEV)

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(三菱iMiEV:パナソニック ELSEEV)

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(三菱ブース:パナソニック ELSEEV、マルチ接続タイプ)

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(三菱ブース:三菱自動車急速充電器)

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(CT&Tブース:充電スタンド)

日産も三菱もパナソニック製の充電スタンドを置いていました。三菱なら三菱電機を使いそうなものですが、関係ないようです。今回のモーターショーではパナソニックがかなり頑張っていた印象で、電気スタンドのプラグは規格が決まっているので、どのメーカーのスタンドでどのメーカーの車も充電できます(CT&Tは韓国メーカーのため不明)。

コンセントの増設・交換が可能、パブリックエリア向け電気自動車用充電スタンド「ELSEEV(エルシーヴ)」を開発、来夏発売予定 | ニュースリリース | パナソニック電工株式会社 | Panasonic

この度当社では、屋外設置が可能な自立型の電気自動車用充電スタンドを開発。設置後にコンセントユニット(200V・100V)の増設・交換が可能な仕様にしました。EV・PHV利用者の利便性を高められる製品として、主に市役所や図書館などの公共施設や企業の駐車場向けに提供することで、低炭素社会の実現に貢献してまいります。  なお、EV・PHVの普及にあわせ、戸建住宅向け充電スタンドなどについても順次発売する予定です。

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(TDK:フレキシブルソーラーパネル)
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(TDK:直流給電)

TDKもソーラーパネルで提案をしていました。特にフレキシブルソーラーパネルは設置場所の自由度があがり、とても期待できますね。

Googleもこのソーラー発電に電気自動車に注目しています。Googleの目的は電源のクラウド化。データセンターが電源を必要としますが、Googleはグリーン電源を求めて太陽光発電や風力発電を積極的にとりいれています。しかし自然エネルギーを使う電源は出力が安定しません。

そこで家庭用の電気自動車の「充電池」をバッファとして活用しようというのです。

各家庭で太陽光発電、風力発電で得られた電気を一度電気自動車の充電池に蓄えます。そしてGoogleが必要なときにこの充電池から給電してもらう(買電)という仕組み。もちろん電気自動車が走っているときはできませんが、夜眠っているときとか、駐車しっぱなしのときに多少電気を使われても特に問題ありませんね。

さすがGoogleだけあって、考えることがまあ規模がでかいです。バッファ、専門的ないいかただと「コンデンサー」みたいな使い方をするのはなかなかなアイディアです。

そういうわけで、2年後は是非CEATECと東京モーターショーの同時開催を。名前もかえていいんじゃないですかね、東京電気モーターショー。

しかし憧れだなあ、リビングにマイカー。うっとり。

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