映画「ターミネーター4」TERMINATOR SALVATION の感想

Transformerを見に行こうと思ったら、来週からだったので代わりに Terminator 4を見てきました。まあ、大差ないでしょ?

(以下、ネタばれあり)

実は前評判を聞いた限りでは余りよい噂を聞いてなくって、

(見終わって)「口直しにターミネーター2を見直そう」

とDVD借りに行くとか。そういうわけで余り期待せず見始めました。

なにがどう気になるのか、そればっかり気になってみたのですが確かに気になります。もうそればかり気になって仕方ありません。それは、ターミネーター役の人が

ちょっとイケメンなピエール瀧(電気グルーブ)

に見えちゃうこと。

ピエール瀧 - Google 画像検索

Photos of Sam Worthington(ターミネーター役)

一度「ピエール瀧」だと思ったら、もうおしまい。どのシーンでも、どのへんがピエール瀧なのか、そればっかり気になってしまって、話とかアクションとかお構いなし。ここはピエールっぽいな、ここはそうでもないな、とか。

とか思ってたら2時間終わってしまいました。あらあら。

いかんせんT-3を見てない上、T-1, T-2だってもう何年前よってことでよく覚えてないわけです。なのでさっき慌てて前作品の粗筋だけチェック。

こちらが分かりやすかったです。


◆試写会◆ターミネーター4を観た~前作あらすじ~長いよ!|frannyの高慢と偏見で書くレビューいろいろ

ターミネーターを知らない人のために、今から、
5分でわかるターミネーター講習会を強行いたします。

基本的にはタイムスリップSFで、タイムパラドックスに挑戦するストーリー。パラドックスだけにちょっと複雑だったりするわけですが、まあ細かいことを気にするのは日本人だけでアメリカ人はどーんと構えて、こまけえこたあいいんだよ、てな具合だったのかも。とにかく、えーっとどっちが親で、どっちが子でと混乱することは請け合いです。

今回の違いは従来のように過去側ではなく、現在(未来)側の戦いを描いている点。つまり週末の日以降の話なわけですが、見事に世紀末伝説、北斗の拳風なすさみっぷりで、まあマッドマックスぽくもあり、やっぱアメリカは砂漠の大陸なんだなあとシミジミしたり。

とはいえ結局はピエール瀧に見えちゃうわけですけど。

売りのアクションはといえば、今回はスカイネットとの戦いでレジスタンス側の通常兵器が出てきて、お得意のアーミー協力のせいか、ヘリにA-10サンダーボルトに、V-22オスプレイと豪華出演です。トランスフォーマーもV-22オスプレイがばんばん出てました。

映画「トランスフォーマー」がいかにもアメリカ映画だった件 ([の] のまのしわざ)

まず冒頭から呆気にとられたのが、そのミリタリーなところ。アメリカ国防総省の全面協力による、本物のA-10サンダーボルト、C-130 ガンシップの登場、しまいには超最新鋭機であるF-22 ラプターが出てくるところなんて、トップガン以来のリアリティに痺れました。

それにしてもほんとアメリカ人はこういうヘリものが大好きですね。ヘリコプター、チョッパーとも呼ばれますけど、これは比較的新しい移動体で、軍事用に本格投入されたのはベトナム戦争から。

A-10サンダーボルトは湾岸戦争で活躍し、と退役軍人を慰撫するためにやっているのかと思うくらいです。

ナウシカに隠された宮崎駿の陰謀 ([の] のまのしわざ)

押井守監督がいっているのは、ナウシカがいかに「軍国主義」で「日本的な戦争に対する考え方を具現化」していて、しかもそれを環境問題にすりかえて見せているか。だから「タチが悪い」わけです。

「戦争のリアル」で押井守監督は日本的な戦争に対する考え方を一刀両断しましたが、同様にアメリカ映画も斬って捨ててます。アメリカ映画はとにかく、ヘリ、ヘリにつきるとw

ヘリなんて損耗率が高く、あれだけベトナム戦争でこっぴどくやられているのに、アメリカ人は「ヘリが大好きで仕方ない」と。だから必ずヘリがでてくるし、しかも活躍する。その最たる例はヘリが主役のドラマまで出来た、というアレですね。

超音速攻撃ヘリ エアーウルフ - Wikipedia

ベトナム帰還兵の主人公、ストリングフェロー・ホークが、秘密裏に開発された攻撃用ヘリコプター・エアーウルフを駆使して様々な事件を解決する 特撮スカイアクション・テレビドラマシリーズ(詳細はパイロット版のあらすじ参照)。

さて肝心のターミネーター4ですが、これまた面白いことにヘリ、全部落とされているんですよ。なのに移動は全部ヘリ(とオスプレイ)。落とされても落とされても、それでも好きなヘリコプター。

結局軍隊というのは国民性がでて、特に極限状態に追い込まれるため幼児性が出てしまう、と押井守監督は指摘します。映画も国民性がでるのですが、その二つが結託するとちょっとイビツな表現になるのですね。

じゃあ日本は何が好きかというと、もちろん戦艦(機動艦隊)に潜水艦ですよ。潜水艦もアメリカのヘリ同様、太平洋戦争で初めて本格導入されたものですが、やはり損耗率は高く、しかも交戦によって撃破されるよりも故障や長期潜行の末そのまま沈んでしまった率が高いのが特徴です。恐ろしい・・・

で、よく考えたら今公開されている日本映画で「真夏のオリオン」ってありますけど、これ潜水艦の映画でしたよね。ああ、やっぱり押井守監督のいうとおりだ・・・w

ということで、映画は国民の幼児性を反映するってことを改めて確認できたいい映画でした。次回こそトランスフォーマーを見たいと思います。

そういえば、押井守原案・脚本の「宮本武蔵」が公開されていますね。こちらも注目です。

6月13日公開 原案・脚本 押井守 映画「宮本武蔵 ―双剣に馳せる夢―」公式サイト

にしても関東で単館上映って、、、敷居高すぎです。

戦争のリアル Disputationes PAX JAPONICA
押井 守
4757741448

なお、T-4はシュワルツネッガーの家族には大変好評だったようです、念のため。

シュワ、「T4はシリーズ最高」と家族に言われ傷つく - MovieWalker

「家族全員で見に行ったんだよ。素晴らしい映画だね。すごく興奮したよ。ただ一つだけ問題だったのは、映画館を出て、“どうだった?”と子供たちに訊いたら、“これまで見た『ターミネーター』シリーズの中で最高の映画だ!”って言うから、気持ちが落ち込んだね。僕の自尊心を傷つけてくれて、本当にどうもありがとうって感じだった」と語っている。