静岡ホビーショー2009で著者の岡部いさくださく さんが直筆サインしてくれるというので、以前から気になっていた「世界の駄っ作機」を買いました。
岡部いさくさんといえば、ガンダムの軍事設定のアドバイスでも知られる軍事評論家ですし、以前紹介した押井守さんとの共著、「戦場のリアル」も楽しく拝読しました。
ナウシカに隠された宮崎駿の陰謀 ([の] のまのしわざ)先週から押井守・岡部いさく著の「戦争のリアル」という本を読んでますけど、文中にて宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に関する面白い記述を見つけました。
この「世界の駄っ作機」は、「世界の傑作機」をもじって第二次世界大戦前後の失敗作、駄作におわった航空機を紹介しています。メインは英仏米で、なじみのある日本の航空機機は入っていません。ちょっと寂しい気もしますが、すでに日本の駄作機は知っているのでいいといえばいいですね。
世界の駄作機をみると、「なんだ、世界もこのレベルか」と安心できます。
どうも太平洋戦争に負けたのがトラウマになって、必要以上に卑下する傾向にある我が日本ですけど、いやいやどうして、物資も費用もないなかよくやってます。ただややもすると全部が全部「貧乏人の発想」に陥りがちで、いわゆる「富豪的なアプローチ」がないことが惜しまれます。これは経済成長した今も同じで、お金もっているのにやっぱりせせこましんですよね。いい言い方をすれば、
倹約家
ですけど、まあ悪いいいかたすればセコイ。
この反語は
浪費家
ですけれども、いい言い方すれば富豪的です。たとえば大規模プロジェクトなどは富豪的なアプローチの方が成功するような気がしますね、宇宙開発とか。NASAも倹約家発想で「スペースシャトル」を計画しましたけど、結果的に値段がたかくつき、しかも事故多発したという結果でしたし。
1000円ETC割引にしても、定額給付金にしても、国家がやることにしてはせせこましいですよね。
ということで、世界に目を向けるにはとてもいい本でした。駄作機だけに、写真も、プラモデルもないのですべて手書きのイラストというのがまたいい味出ています。
世界の駄っ作機〈4〉
岡部 ださく