tumblrのDashboardがテレビよりもずっと面白くなってしまった

テレビが面白くなくなったんじゃなくって、インターネットがもっともっと面白くなってしまったということだと思います。

[JK]かしゆか(Perfume)部長のしわざ

dashboardは賑やかな方がいい?!

mitaimon:

yaruo:

あくまで自分個人の考えだけど、followは多ければ多いほど面白いと思ってる。
例え自分に興味のない画像が沢山流れてきてたとしても、それはそれで多彩で面白い。
全く知らないアニメの二次元画像だって、イイと思ったらreblogするし、知らない土地や街の写真見てその土地に行きたいって思って調べたり、実際に行くかもしれないし、美味しそうなラーメン見て実際ラーメン食いたくなって食べに行ったりもした。
ニュースだって流れてくるし、流行や最新情報だって手に入る。
故人の名言だって流れてくる。
ホント自分の観測範囲外の情報を手っ取り早く収集するには持ってこい。
みんなの選りすぐったものがdashboardには集まるからね。
どーでもいいテレビ見るくらいだったら、オレはdashboard見る。

全くだねえ。

まったくだねえ。TVがこの20年ほどうかうかしていたら、インタラクティブなインターネットがやってきて、この数年でパラダイムがどかんと変わっちゃったかんじ。

いやほんと、dashboardからは目が離せない、マジで。


昔、90年代はとにかくテレビっ子でした。起きている間中、家にいる間中テレビはつけっぱなし。ビデオ録画が趣味で、CMだけを編集するとかもしてたし、深夜番組は実験的なものが多くてそれこそ番組改編のたびに全部チェックする勢いでザッピングしまくってました。

ところが今となっては週に30分しかテレビ見ません。ガンダム00(ダブルオー)だけです。

テレビはこの数十年、フォーマット化されて成功体験の繰り返しに陥ったと感じています。すべてやりつくしてしまって、成功したパターンを組み合わせた番組作り。出演者は変われど、その構成はほぼ同じ。そしてこれは昨今のマスメディアの凋落、広告費削減とは無関係に起きていたことだと思います。原因はひとえに、単方向メディアの成熟と限界。

テレビはテレビジョン、tele-visionで、遠くの場所に映像を送るシステムの総称です。多くの視聴者に同じ映像を届けるのはテレビのもっとも得意とするところで、NHKの存在意義は全国民に同じ情報を届けることを使命としています。ですから離島などでVHFが受信できないという地域に向けて衛星テレビが開発されました。

しかしその目的はとっくの昔に果たされ、さらにはHi-Visionにより高画質化。相撲は力士の汗まではっきりと分かるほどになりました。テレビはこれにより完成し、限界を迎えたのです。あとはその方式をごにょごにょしただけ。アナログはデジタルとなり、圧縮方式を変更しただけでデジタル放送、デジタルハイビジョンに至ってます。チャンネル数が増大することが最大のメリットだったはずですが、放送局や番組制作の体制が変わらなかったために劇的な変化は見られず、多少つまらない番組が増えただけに終わったようです。

その間、インターネットは28.8kbpsから100Mbpsまで一気に帯域が増えました。料金は固定で10年前と同じ値段で転送量は3000倍。映像ももはやハイビジョン画質でライブ再生することが簡単にできます。そうなってくると画質面でテレビとの大きな差異はなく、むしろインターネット本来の双方向性を活かした強みが目立ってきます。そのひとつの大きな具現化が皆さんご存知のニコニコ動画。

ニコニコ動画はまさにインターネットの動画文化を象徴しています。コメントを字幕として書き込む、ただそれだけの機能なのですがその同時体験性こそが新しい映像体験に他なりません。またライブなだけではなく、コメントがアーカイブされることで同時体験を追体験することもできるし、コメントが増加することで再生するたびに違った体験ができます。

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tumblr.のDashboardも情報のライブストリーミングといっていいでしょう。絶え間なくリブログされるポストがDashboardに流れていく、誰一人職業としてコンテンツを作っていないし、またそのコンテンツすら誰が作ったか定かではないもの。しかしfollowとfollowerが時間軸を中心に同じコンテンツを違った形で何度でもリブログしていく姿は、人から人へと渡された糸が幾重にも重なって、まるでペルシャじゅうたんを織り成すかのようです。

Dashboardの素晴らしさは、同じコンテンツが何度も違うユーザーによってリブログされ現れる点。自分がリブログしたコンテンツが数十人のユーザーを介して戻ってくることを一部で「ブーメラン」と呼んでますが、このブーメランの軌跡がたどれるのもまた面白い点。

そしてなにがなくともその圧倒的な情報流量。一人一日1エントリー、ではこれほどのライブ感はでてきません。ブログ、ではなく「リブログ」は新しい未来を切り開いたのです。それは情報のストリーム化。

静止画がストリーム化すると動画になりますが、Dashboard上では情報が絶え間なく流れることでストリーム化し何かに変化します。そしてテキストや静止画でありながらニコニコ動画のような同時体験性をもつのです。

これらインターネットで今起きていることはテレビでは体験できないことです。

メディアの発達は技術の進歩と表裏一体です。技術進歩がとまったとき、そのメディアは成熟を迎え、ゆっくりと衰退の一途です。突然なくなることはありませんが、盛り返すこともないでしょう。

そしてなにより面白いのは、Dashboardはどう使ってもそれはユーザーの勝手だということです。ユーザー参加型ではなく、ユーザー中心主義。とにかくfollowを増やしたければ増やせばいいし、とにかくクリップしたければクリップすればいい。リブログだけでもいいし、そこに規程もフォーマットもありません。その自由度の高さがかえってtumblrを得体の知れない、理解しがたいものにしている側面も否めませんが、その革命的な面白さはもっと多くの人の知るところになるでしょう。

ということで、あとはアルファタンブリストの方々にお任せ。

Let's quote!


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