ブログが炎上したら、まずはコミュニケーションをすること

F1富士の地獄絵図が世間一般に伝わったのと2ちゃんねるの存在は無関係ではありませんね。そんなわけで、早速こちらを購入して読んでみました。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)

あわせて読みたいのはこちら、「フラット革命」。

フラット革命
フラット革命

著者の佐々木俊尚さんは上記の「2ちゃんねるは~」でひろゆき氏と対談をしていますので、ますます効果的に読むことができます。二人の立ち位置の違い、目線の違い、感覚の違い、バックグラウンドの違い、年の違い、もー、なにもかもが違いすぎです。でもそんな二人が同じ話題、例えばWeb2.0について言葉を交わす、そこに不思議さとゆかしさがあります。

実は私、2ちゃんねるに余りなじみがありません。一時検索結果の上位に2ちゃんのスレッドが来ることがあったので、何か調べ物をする際に読んだことは多いですが、基本は避けてます。どうしてもノイズが多いので、読んだ量に比べて得られる情報量が少なく、効率が悪いというイメージです。だから2ちゃんのまとめサイト、これはとても有難い。電車男もスレッドを追うのはかなり億劫ですが、まとめサイトがとてもよくまとめたおかげで読み応えのある、とてもいいお話になりました。

さて、今回F1富士の大失敗に関して、2ちゃんでもかなり盛り上がったようです。私のこのエントリー、

F1 日本グランプリ in 富士スピードウェイ 2日目:地獄絵図 ([の] のまのしわざ)

も2ちゃんねるに貼られたのと、はてなブックマークのホットエントリーになったことから大ブレイクしました。⇒F1 日本グランプリ in 富士スピードウェイ:地獄絵図のソーシャル化 ([の] のまのしわざ)

おかげさまで私の見聞きした情報、そして映像が広く知れ渡ることとなったのでその影響力の大きさに驚いています。

一方で炎上と呼ばれる、出来事も起きています。⇒来年も行くぞ!! F1日本グランプリ(富士スピードウェイ) ([の] のまのしわざ)

それがこちらの記事とブログ。

+D Style:来年も行くぞ!! F1日本グランプリ
今井優杏オフィシャルブログ(魚拓)(ブログはこの週末に削除されてしまったようです)

このブログの運営者はコメントを寄せた人たちとコミュニケーションを拒絶、コメント数が約500ほどいったところでコメント、トラックバックを停止。その後ブログ全部を削除するといった、非常に悪いお手本のような行動に出てしまったのが残念です。

ウェブ炎上」の帯ではこのように言っています。

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)
ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683)

「今日も誰かが標的に!」

今回自称モータージャーナリストの女性が軽率な記事を書いたこと、さらに火に油を注ぐお詫びエントリーが炎上してしまったわけですが、こういったことはブログを持っている誰にでも起き得ます。ブログを長くやっているひと、そしてブログを含むネットでのコミュニケーションを長く見ている人は自らの経験や、知識で「これは炎上するかもしれないな」というのがなんとなく分かります。記事の内容で炎上の要素がいくつか入っている場合がそれです。ですから人気ブロガーの多くは自然と「炎上しないギリギリの内容」に抑えるように努力しているのです。

しかしそれでもどうしても炎上してしまうことがあります。

その場合の理想的な対応方法は何か。いくつかのやり方がありますが、基本は

コミュニケーションを重ねる

という方法です。つまりはコメントにはコメントを返す、ブログにエントリーをして自分の考え、誤解を解くような内容を載せること、です。

コミュニケーションはめんどくさいです。言葉をつむぎ、相手に自らの気持ちを伝える、真意を理解してもらう努力をすることです。何文字も書く必要がありますし、場合によっては何度も書かなければなりません。ただもしも民衆の支持が必要な立場であるならば、これを厭うわけにはいきません。民衆の支持とは基本的にはコミュニケーションの上に成り立つからです。政治家で寡黙で、民衆からの意見は聞きませんよ、という人はいません。全員が全員、「みんなの声を聞きます!」といって、まあ実際にはアレなわけですが。

ブログにコメントやトラックバックという機能がついていて、多くの人がそれを利用するのは、そういったコミュニケーションが必要ということをなんとなく理解しているからでしょう。つまりコミュニケーションをオープンにしているというスタンスを保つことで、読者の支持も得たいのです。これがもしかしたら純粋な日記(つぶやき)とは異なる点かもしれません。

企業でいうと、通常カスタマーとのコミュニケーションの窓口としては「お客様相談センター」や「カスタマーセンター」「サポートセンター」といったものがあります。こういった窓口がお客様とのコミュニケーションを拒絶するケースは稀です。通常は何回でも、丁寧に応対するものですね。もしもこういった窓口がなく、電話もメールもつながらないといった企業の製品はおそらく次からは買わないでしょう。

それではなぜ個人ブログにしても、企業にしてもコミュニケーションを図るのか。それはコミュニケーションを通してでないと人間同士の信頼は作れないからです。人間同士は出会ったときからお互い、信頼できる存在かどうか分かりません。この人のいっていることが、本当か、嘘かなんてそのときは何も分からないです。しかしその人のことを知り、言葉を交わし、また友人を介して話すことで相手をだんだんと理解し、ようやく信頼できる(できない)ようになるわけです。

人間というのはとても不自由な動物で、言葉でしか伝えられません。コミュニケーションのほとんどは言葉を通して行われるのです。ですから言葉を重ねることはとても重要です。

特に言葉を生業とする職業であればなおさらのこと。これをいい機会ととらえ、繰り返しチャレンジすることで経験となり、良識ある人たちとの信頼関係を得ることが可能だったはずです。

そんなわけで、ブログが炎上しても慌てず、騒がず。冷静にコミュニケーションを続けてみましょう。