新型スカイラインクーペ(V36)先行特別試乗会へ参加してきました

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今回は運転免許を持ってない、みたいもん!いしたにさんの専属ドライバーとして、そしてGizmodo Japanのスタッフとしてこの秋に発売される新型スカイラインクーペ・先行特別試乗会に行ってきました。

【速報】新型スカイライン クーペ先行特別試乗会 : 日産:スカイライン公式ブログ SKYLINE BLOG

スカイラインクーペ先行試乗会:行ってきました編:[mi]みたいもん!

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【V36スカイラインクーペ】V36スカイラインクーペの試乗会に行ってきたよ : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)

場所はなんと鈴鹿サーキットフルコース!! 豪華です。特別です。贅沢です。去年までF1を開催していた聖地ですが、今年はご存知のように富士スピードウェイでの開催。そのおかげで今回鈴鹿サーキットを1日まるまる貸切できたとのこと。

試乗会は大きく分けて3部。まずは自らがステアリングを握り、鈴鹿サーキットのフルコースを使っての試乗を3周。次にプロドライバーによるサーキット限界走行の同乗体験を2周。そして駐車場を使ってのパイロンスラローム体験。自分が運転できる機会が二度もあり、さらにプロのサーキットアタックへの同乗ができるというのですから充実した1日になりました。

サーキット試乗体験

先導車に従い、3台の隊列を組んでサーキットを自らが走行体験するというもの。

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各コーナーでは指示速度が設定されていて、無線機を使って事細かに指示を受けます。最高速度はバックストレッチで140km/hまでとなっており、サーキット走行では少し物足りないですが、色々なレベルのドライバーがいることを考えると妥当でしょう。

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使った車両は19インチホイール、アルミ対抗ピストンキャリパー、4WASが付いたスポーツモデル、370GT TypeSの5ATモデルです。最初の1周はDモード、次はスポーツよりに振ったDSモード、最後の1周はマニュアルシフトを楽しむというプログラム。

さて路面コンディションは朝降った雨により完全にウェット。雨は止んだためにこれ以上悪くはなりませんけど、どうみてもスリッパリーです。そのためヤル気はあるものの、とっても慎重にコースイン。

さて1周目。ハンドリングを確かめつつ、加速性能をみます。さすがは3700cc, 330psと噂されるエンジンのおかげでアクセルを踏めばどこの速度域からでも加速ができます。バックストレッチの140km/hの制限速度なんて、あっという間。やっぱりこの制限速度は物足りません…
ヘアピンでアクセルを踏み込むとリアが出て、少しカウンターをあてることがありましたが、VDCが効いたおかげでスリップは最小限にとどまります。

次に2周目。DSモードに切り替えての走行です。とはいえ速度制限があるし、前走車が近すぎてほとんどアクセルは踏めません。踏めなくとも速度が自然にのっているので、ここでDモードとDSモードの大きな違いは感じ取ることができませんでした。

そして3周目。今度はマニュアルモードに切り替えての走行です。マニュアルモードへはDSモードでハンドルについているパドルを引くと移行します。パドルをダウンシフトすると勝手に回転数をあげてつないでくれるので、特に変速ショックもなく、スムースそのもの。

一方マニュアルモードになると勝手にシフトアップしなくなるらしく、1速でレブリミッター7500回転にあたってもそのままでした。単純にシフトアップを忘れてしまったためなので、あわてて2速へアップ。それ以降はなるべく気をつけてシフトアップしましたけど、今度はシフトダウンを忘れる始末。普段は6MTに乗っているんですけど、シフトアップ、ダウンは左足のクラッチと連動して体が覚えているので、パドルシフトには全然慣れませんね。そしてエンジンのパワーバンドが広いので、あまり細かにシフトチェンジする必要がありません。そのため5速で十分ですし、私ならいつでもどこでもDSモードにお任せしてしまいそうです。

S字の切り替えしでは路面がウェットのためかアンダーステアが顔をのぞかせてきましたが、それ以外は本当にハンドルを切ったままに走るといったイメージです。これくらいの速度領域では何も起きないですね。とにかく安定して速いです。速いですけど、速度を感じさせない安心感があります。

だんだんと慣れてきて、これから!というところでサーキット3周は終了。もっと走ってみたかったです。

プロドライバーによるサーキット限界走行の同乗体験

お昼休みを挟んで、プロドライバーによるサーキット走行の同乗体験です。これは一人づつ、プロが運転するスカイラインクーペの助手席に乗せてもらいます。午後はすっかり路面もドライになり、限界走行するにはピッタリの条件。

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さすがはプロ、最初の1コーナーのブレーキングからして違います。S字はフロントが逃げたり、リアが出そうになるのを絶妙なアクセルコントロールとハンドルさばきで荷重を前に後ろに動かして消してます。1600kgを超える車体を自由自在に動かすさまはカッコイイ!! いちばん痺れたのはテグナー。最速ラインをふっとびながらトレースしていきます。そのせいであっという間に前走車に追いついてしまいました。

バックストレッチでは180km/hスケールのメーターを振り切って走ってます。おそらく190km/hから200km/hくらいは出てたのでしょうが、妙な振動も、神経質な細かい動きもないので安心そのもの。普通はこれくらいの速度だと冷や汗かくんですけど、そういうのはまったくありません。

2周目はVDCオフにしての走行。ところがプロドライバーの方も「もうタイヤがたれちゃったねえ」というように、
連続走行のためにタイヤ温度、内圧ともに上昇して踏ん張りがきかなくなっていたために大きな違いは感じられません。それでもヘアピンでの立ち上がりはカウンターステアをあてつつ、前に進めていました。

プロの華麗なテクニックはあっという間に終了。降りてタイヤを触ってみるとゴムはペタペタ、相当温度は上昇してました。ブレーキはこれだけのハード走行にも関わらず、特に問題ないようです。

スラローム体験走行

今度はパイロンスラローム。正直パイロンの区間はかなり狭く、このクラスの車では厳しいはず。

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1本目はVDCオフの状態での走行。そして2本目はVDCオンの状態で走行させます。

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まずは1本目。スラロームはともかく、定常円への進入でアンダーがでます。アンダーを消しつつ、アクセルを踏み込むと・・・

カスン

アクセル全開なのに、エンジン回転数があがりません。しかも気持ち的には1秒~2秒ほどそんな状態で、かなり長く感じられました。弱アンダーな状態を維持しつつ、定常円を回ります。

2本目。今度はVDCオフですから、かなり気合がはいります。アクセル全開でスタート、スラロームを、、、おっとっと、アンダー気味です。そして定常円への進入はさらにアンダー。いわゆる突っ込みすぎってやつですね。これをアクセルオフで抑えて、さらにアクセルを踏み込んでイメージではここからリアを振り出すつもりが、アクセルを踏むとフロントが逃げます。フロントが逃げるのでアクセルを踏み込めず、さらにまってから踏み込むとようやくリアが出てきました。がリアが出る量とフロントが逃げる量ではフロント側の方が多く、これではアンダードリフト、昔の4WDターボのような姿勢です。失意のまま最後のスラロームセクションに臨んだのですが、アウトにふくらみすぎてコースアウト。禁断のバックギア利用でコース復帰です。はー、恥ずかしい。

これでよく分かったのは、ドライ路面、タイヤがグリップしている状態では基本的にプッシュアンダーステア傾向で、VDCをオンにするとこれを弱アンダーステアにおさえてラインをはらまないようにしてくれる効果があるということです。VDCがなかったら私のようにコースから外れてどっかに突っ込んでしまうかもしれません。

そしてウェット路面、タイヤがグリップしにくい状況ではリアが出すぎるのを抑える効果があります。これはスピン防止に役立ちます。安全性を考えると、このクラスの車ではVDCのような電子制御デバイスはとても有効ですね。

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(プロによるドリフト走行。上手い!)

総括

全体を通して感じたのは、車の大きさ、重さを感じさせないなということでした。極限まで走ればもちろんわかるのですが、予想よりも小柄で俊敏です。それよりも高速側の安定感、そして静粛性といったところで大人のクーペの良さが思う存分発揮されていて、非常にうまくまとまってます。これなら遠くへ高速道路を使ってドライブしても疲れませんし、ワインディングロードをハイペースで走るのもイージーです。

次回に続く⇒V36 新型スカイライン クーペは S13シルビアの再来だった! ([の] のまのしわざ)

【関連リンク】
V36 新型スカイラインの試乗 ([の] のまのしわざ)