ホンダの上原繁氏が今秋勇退(退職)するという衝撃

上原繁氏といえば、操安の研究を行い世にNSXを輩出、海外で高い評価を得た立役者です。

その後軽量化することでサーキット走行性能を傑出させた NSX typeRを出すことで typeRコンセプトを確立。

その後typeRを万人にというコンセプトで インテグラtypeRをプロデュース。その志はその後のシビックtypeRなどに受け継がれました。

同時にホンダ50周年記念車、S2000の開発に携わり、世の中でも珍しいオープンスポーツカーを世に送り出しました。

その上原繁氏がこの秋、ホンダを勇退(定年退職?)するという記事をVTEC Sportsでみかけました。これはかなりショックです。

S2000以降、つまり2000年以降のホンダでの上原氏の動きは余り芳しくありませんでした。というのも排ガス規制、スポーツカー離れなどの逆風が吹き荒れ、売れない車=悪というレッテルを貼られてしまったからです。

次期NSX開発も途中で二転三転、ちゃぶ台返しをしたところで結局上原氏がNSX開発から外れるという衝撃がありました。もうその頃から布石はあったのでしょう。上原氏の手を離れたNSXはV10フロントミッドシップのスーパースポーツという、違う世界へと行ってしまいました。上原氏の最後の仕事といえばS2000のマイナーチェンジと、今年のS2000 CRと大きなものではありません。

上原氏は言います、

「ホンダでやりのこしたことはない」

「(後進に)伝えたいこともない」

「私の作ってきた車を見ればわかる」

と。

エコが叫ばれて久しいこの世の中で、車を運転する楽しみをいかに車に持たせるか。自分で動かす車だから自動車と呼ぶのであって、私が欲しい車は乗用車ではなく、この自動車です。NSXをはじめとする自動車のイメージがホンダに寄与してきた。それだけに上原氏がホンダで果たした意義は大きいです。

今後の上原氏の動向に注目したいと思います。