ガンダム0083スターダストメモリー感想(パート1)

ストーリー

ストーリーとは、舞台設定とキャラクター設定でほぼ決まってしまう向きがある上に、この0083では一年戦争とZガンダムの間に位置する時代設定にしたが故に、非常に制約が大きい。Zの歴史を変えないように歴史、世界観、メカデザインなどを有効に配慮しなければいけない。一番良いのは、ここで描かれる壮大なドラマが終わってしまえば「無かったこと」にできる物語にすること。逆にそれがこのシリーズの不幸とも言えるような気がする。

キャラ設定

舞台設定を宇宙暦0083とした時点である程度規定されてしまったところで、あと自由になるのはキャラ設定くらいしかない。ところがこのキャラ設定にちょっと疑問。主人公はテストパイロットで新兵。ヒロインはガンダム設計者でガンダム好き、勝気で短気で、美人だが色気はない。女性らしい女性はこの一人だけ。しかし最も問題なのはキャラクターに絵の魅力がない点、あくまでも私見だが。

さて脇をかためる脇役たちはどうかというと、これは結構数多くいるわりにはタイプが3種類くらいしかいない。真面目な軍人で先輩タイプ、愚連隊風でぐれて絡むタイプ、そしてよき理解者である友人タイプ。だから意外と多くキャラがいるわりには多様性がない感じ。

敵となるジオンの残党、デラーズフリートといえばまず大義に燃える、一本気のガトー少佐とそれを支える忠義に厚い部下、上長。そして策を弄するやっぱり愚連隊のシーマ。

そしてふと出てくる軍人というより悪人のティターンズのバスク大佐。全13話、1クールの物語にしては数多くのキャラが出ているが、使えないキャラが多すぎでちょうどいいバランス。逆に数が邪魔して一人一人を掘り下げることに失敗しているように思う。特にメインとなるコウ・ウラキ、ニナ、ガトー、シーマはもっと過去を掘り下げて表現しても良かったのではないかと。途中からアルビオンに参加した愚連隊3人組(モンシア)との確執や、ガトーとニナの過去を結びつける伏線としか機能していないフォン・ブラウンのケリーとか、まあ悪くないのだがそのエピソードで何が印象付けられたかは弱いところ。コウはニュータイプでもなく、パイロットとして優れているようにも見えず、成長が見られたかというと劇的な変化は認められない。

メカ設定

とはいえ、やっぱり礼賛すべきはメカでしょう。デンドロビウムの秀逸なデザインと機能性がこの0083の魅力すべてといっても過言ではないはず。

HG UNIVERSAL CENTURY 1/144 デンドロビウム
B00030EU9Y

逆にいうと1号機(GP-01)、2号機(GP-02)はいかがなものかと。特にGP-02は足の太さが気になる気になる。

GUNDAM FIX FIGURATION # 0008 RX-78 GP02A サイサリス
B0002U3DM0

シャアが優れていたのはやはり、他の一般ピーポーと同じザクなのに赤くて、こじゃれた角がついていて、3倍早いという通称「シャアザク」が同じなのに違うというところ、そして何もかも赤くて目立ちたがりなところ。ジャブローに潜入するのに赤鼻他の隊員が全身黒づくめなのにも関わらず、いつもと同じ白いヘルメットに赤い制服を着ていくという「場をわきまえない」going my wayさが魅力でしょう。

ガトーもシャアに負けず劣らず名セリフを量産していて、しかもそれが大塚明夫さんの渋い声で発せられるわけだからシビレるんですけど、統一されたカラーや代表となるモビルスーツが無いのが残念。

HGM 1/550 ノイエ・ジール
B00030EU8U

せめて色だけでも合わせればよかったのになあ、黄色とか。

ニナ「ああ、私の2号機が黄色に!?ま、まさか、あの人が?」

とかね。まあ最初からガトーって分かっているからそこまでしないわけですけど。

(続く)