これはすでに前エントリーで説明したとおりである。
では掃除機はどれを使えばいいのだろうか。
家庭用掃除機の多くは真空掃除機(バキュームクリーナー)である。つまり真空(に近い)状態を電動モーターで作り出し、負圧で吸い込んだ空気の中のほこり・ゴミをフィルターで分離する方式。
掃除機の進化の歴史はこのゴミと空気の分離の進化といっても過言ではない。
当初ほうきとチリトリと同じく、ダストボックスに集めて捨てるタイプだったものが、紙パック(フィルター)の登場によりほこりを出さずにすぐに捨てることができるようになった。
この方式は長く続くが、住居環境の進化、ダニ・カビといったハウスダストの主成分が細かく小さくなるにつれ問題が引きおこる。
それがフィルター目詰まり問題である。
フィルター式の場合、どうしても細かなチリを集塵しようとすると、フィルターの目も細かくならざるを得ない。そのためフィルターの目が詰まることで集塵力が低下し、使い物にならなくなってしまうのだ。そのため抜本的な解決方法が求められていた。
そこでジェームス・ダイソンが発明したのが、粉体分離機を応用したサイクロン掃除機である。
原理単純に、遠心分離器の応用ともいえる。固体の混じった液体、気体を漏斗状または円筒のサイクロンの円周方向から気体、液体の流速により渦を描く様に流し込む。この際、気体、液体の排出方向はサイクロンの円の中心から上方向に排出する。固体は、遠心分離され、壁面に衝突しその後重力により落下、下に溜まる仕組みである。気体、液体は円の中心から排出されるため、固体成分の多くが除去されたものとなる。
この仕組みを掃除機に使った有名なものにダイソンのルートサイクロンテクノロジーがあるが、ロスが大きいため、紙パック式掃除機と比べると吸込仕事率がおよそ1/3しかない。
実はサイクロン掃除機の吸引仕事率(吸う力)は通常のフィルター式掃除機と比較し低い。ただしサイクロン掃除機はゴミの量に関わらず安定して吸引可能である。
一方紙パックフィルターを掃除のたびに毎回新品に替えるのであればいいが、実際には数週間から数カ月そのままで、フィルがーが目詰まりすることで吸引力は低下する。また紙パックの中には生きたダニ、カビが入り、そこがまた温床となり繁殖してしまうのももう一つの問題である。
単純に吸う力だけで語れないのが掃除機の難しいところだ。
問題はいかにゴミ、ちり、ハウスダストを除去できるか否か、である。
これを実証するためにシーツの下にひそむハウスダストにみたてたベビーパウダーをシーツの上から吸引できるかどうか、の実験を行った。
ただしこの実験は公正ではない。
左側の比較対象機がパワーモードで5往復させるのに対し、右側のダイソンDC61はパワーモードではなく通常モード、しかも5往復ではなくたった3往復なのだ。ハンディがありすぎる。
ハンディがあるにも関わらず、ご覧のとおり。ダイソンDC61は白い粉末を取り切ったのに対し、比較対象機は白いままであった。
公正を期すならどちらも同じ往復回数で行うべきだった。とはいえ結果は変わらないと予想される。
つまり吸引力で単純に比較できるわけではない、ということである。ちなみにDC61の吸引仕事率は通常モード:28AW、強モード:100AWである。比較対象機は 65.1W(モード表記なし)であった。
よって、今回行うハウスダスト調査にはシーツの下に潜んでいるダニすらも集塵できるダイソンハンディクリーナーDC61モーターヘッドを用いる。なぜなら取れない掃除機ではそもそも調査にならないからだ。
もう少しこのDC61について詳しくみていく。
サイクロンテクノロジーは遠心分離機を応用したものだが、DC61ではハンディ機でありながらも、2層に配置された15個のサイクロンで微細なゴミを遠心力で分離する。それぞれのサイクロンによりとれる粒子の大きさ、重さは異なり、この遠心力が増せば増すほど小さなチリまで集塵できるという原理だ。
微細なチリまでサイクロンで集塵できるため、最後の砦となるフィルターはほとんど汚れることがない。
フィルター式はフィルターが真っ白になり、目詰まりする。
ハウスダスト調査実験は自分の家庭の布団・ベッドで行う。
マットレスなどはそのままに、シーツの上から吸いこむ。つまり普段自分が寝ている環境でいかにハウスダストがあるのか、そしてその中にどんなダニがいるのか、を調査するのだ。
集塵したゴミは丁寧に規定の袋に入れる。
これを漏れないよう封をして、送付するという手順だ。
これを年に3回に渡って行い、季節による変化等も見ていく。
このハウスダスト調査実験は単なるスペック上の吸引仕事率ではなく、実質的な吸引力のあるダイソンハンディクリーナーDC61モーターヘッドであるからこそ成立するものであり、この実験を進んで行うダイソンは製品に対して大きな自信を持っていることが伺える。
この調査結果については、また改めて報告したい。
(終わり)
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