人はなぜ掃除機をかけなければならないのか 【Dyson ハウスダスト調査】(1)

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「掃除機をかける」。

「家電」のひとつ、「電気掃除機」。昭和中期に「発明」されて「大量電気消費社会」となり、だれしもが「疑問」を持つことなく「掃除機をかける」時代。そんな平成26年。

しかし実際に「掃除機をかける」頻度やかけ方は人それぞれ、各家庭によって様々。最近流行りの「ロボット型掃除機」「ルンバ」の流行も記憶に新しいが、床にモノが置かれていないことが前提である。そして「ロボット型掃除機」を動作させるために、人はモノを床に置くことをやめ、せっせと「片付け」をしなければならなくなった。

しかし「歴史」を振り返ってみて、そもそもこの「掃除機をかける」ということは必要だったのだろうか。「掃除機」発明前には「掃除機をかけない」ことによる「不利益」「健康被害」といったものは「現代社会」におけるそれと比較して大きかったのだろうか。そんな疑問が湧きおこる。

その謎を解く鍵が「ハウスダスト」と川上博士の解説にあった。

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その謎とは、

「生活環境の変化」

である。

古来、日本人は「畳」の上で生活していた。木造で壁は「漆喰」、屋根は「瓦」、仕切りは「障子」と引き戸。「高温多湿な風土」に合わせ、風通しがよく、近くでとれる素材を使った構造だ。特に日本で問題となるのが「湿度」である。風通しをよくすることや湿度を吸収、放出する素材である畳や漆喰で「湿度」を自然に制御してきたのである。

一方で問題なのは「防熱効果」が薄いこと。そのため室内であっても氷点下になることはザラで、そのため室内に「囲炉裏」や「炬燵」をおき、「半纏」を着こむことで局所的に温めた。

この生活様式を一変させたのが、戦後の「高度成長」、都市の「人口過密化」、「集合住宅化」である。

古来木造であった「住居」は「高層化」された「団地」となり、その躯体には「コンクリート」が使われた。

「コンクリート」は「防熱効果」が高く、「アルミサッシ」の登場により密閉度の高い生活環境を構成した。この恩恵により室内は常に暖かく、氷点下になることはなくなった。日本人は快適な生活を手に入れたはずだった。

神様は平等である。

この「快適な生活空間」は我々日本人だけではなく、同時に他のものにも分け与えた。

それが「虫」である。

それが「菌」である。

密閉度が高く、つねに温度が一定の生活環境は、同時に「ダニ」や「カビ」の「温床」となったのだ。

「エアコン」の中にカビが生え、「輸入畳」の中に入っている「合板」にダニが潜む。布団は人間が寝るためだけのものではない、ダニの寝床でもあるのだ。

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そしてそれらは死骸となって、また食糧となる。そして増殖する。

これまで「四季」があり、高熱になりにくく、冷えやすかった室内が、まるで亜熱帯のように温度変化の少ない環境と変貌したことで、これらの「虫」、「カビ」の繁殖を促したのである。

するとそれまで問題とならなかったことが、起きてくる。それが

「ハウスダスト」である。

「ハウスダスト」が「アレルゲン」となり、人間のアレルギー反応を呼び起こし、様々な疾患が生まれた。

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アレルギー疾患を予防するためには「ハウスダスト」を除去するしかない。

「ハウスダスト」の正体が「虫」「カビ」である以上、それらを取り除かなければならないのだ。

しかし彼らは小さい。途方もなく小さい。

昔は「箒」ではいて、外にだす程度でよかった。しかし今では「ダニ」は布団の奥底に潜り込んでいるので、箒では無理だ。

「うちはモップをかけているから大丈夫」

大丈夫じゃない、密閉性が高い現代住居では、それが空気中に舞い上がり、吸い込み、呼吸疾患を呼び起こすのだ。

どうすればいいのだ。

「掃除機」をかけるしかない。

「白物家電」が「高度成長期」の「象徴」であるように、「住居」が「高度成長期」に変化したのと合わせて現代人は「掃除機」で掃除する必要があるのだ。

いや、いいかえよう。

「掃除機をかけなければならない」

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それが唯一我々に残された、健康になるためのたった一つの方法である。

人類の希望が「掃除機」にある、といっても過言ではない。

(つづく)


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