北陸旅行、2日目は石川から富山へ、宇奈月温泉から水力発電の道筋をたどる旅です。
トロッコ電車は通常の電車よりも幅が狭く、みてのとおりオープンエア感満載の普通車両がメイン。この他ちゃんと扉や窓がついている特別客車、リラックス客車があります。
客車のご案内旅の気分や同行人数によって、トロッコ電車の客車が選べます。開放感を味わいたいときは窓がない普通客車、肌寒い季節には特別客車(窓付)、ゆったり旅したいならリラックス客車(窓付)がおすすめです。
夏の暑いときは普通客車がオススメ。というのも窓付きの上級クラスも冷房はなし、暑いのであれば風通しがいいオープンタイプがマシです。トンネル、特に長いトンネルの中はひんやりしていて涼しげ、峡谷の中なので走っていれば日影が多くなかなか過ごしやすいです。ただ背もたれがないので、寝るのには不向き。
終点欅平までは 1時間20分! 特にくたくたに疲れた帰りは景色を楽しむこともなくぐったりと寝てしまうので、帰りは上級クラス車両がいいかも知れませんね。
終点・欅平についても駅に特別なにがあるというわけでもありません。親子連れの人気はどうやらその前の駅、釣鐘駅だったということで、多くの人が降りていました。それでも行き当たりばったりの旅は、遠くへ、人が少ないところへ!
ヘルメットは大げさでもなんでもありません。道に覆いかぶさるにように崩れかかっている巨岩、地滑りが起きたあと、硬い金属のガードレールが落石でベコベコになって錆びている姿を見れば、安全第一。誰も信じませんが、私は誰よりも安全を考えているのです。
ちなみに私たちの他だれもヘルメットをかぶっていませんでした。とはいえ、ほとんど誰も歩いてないわけですが。
地震とか、大雨の後とか、まあ何かあったら確実に死にます。
幾多の困難を超え、途中休憩しながら向かった目的地は祖母谷温泉。
むちゃくちゃ野天風呂です。外から丸見え。解放感抜群!
お湯は熱く、水でぬるくしたいくらいですがなかなかそういうわけにもいかず。ハイキングの汗を流したつもりですが、熱い日差しで結局すぐに汗が吹き出てしまい、入浴した意味はなかったです。でもいいのです、秘境温泉にやってきたという達成感、ゴールです!
帰りは下り坂なので行きよりも楽々。子供はそのへんに落ちている棒を拾っては杖にするという、もう2歳の頃からやっていることを今回もやって上機嫌。変わりませんねえ。しかも途中でその杖(軽い方)をお年寄りにプレゼントしていました、えらい。
途中名剣温泉があり、秘湯っぽかったので今度はこちらに入りたいと思います。こちらは外から見る限り、断崖絶壁の峡谷際にあり、涼しげでした。
たっぷり数時間歩いてくたくたになって宇奈月温泉に戻るわけですが、ここでトロッコ電車の役割の話を。
観光目的でトロッコ電車ができたわけではなく、これは発電所建設のための交通手段。急峻な地形と豊富な水量は水力発電向きということで、精錬に大きな電気が必要なアルミニウム工場のためでした。
黒部川の電源開発黒部川における電源開発の歴史は大変古く、今から85年前に始まりましたが、この時、宇奈月からのルートとして資材や作業員輸送用にトロッコ電車が敷設されました。黒部川第三発電所建設では、 岩盤温度が160℃にも達する高熱地帯や泡雪崩等の厳しい自然条件を克服しながらの完成で、吉村 昭薯「高熱隧道」に詳しく描かれています。
その後風光明媚なため、観光にも使おうという要望にこたえて一般に解放されています。
今では観光資源として活躍、駅員の方もきさくに手を振るなど、気持ちがいいところです。とはいえ峡谷で、鎖しかない車両から落ちたらイチコロですが。
スペクタクル、というのは壮観、いい光景といった意味がありますが、遊園地のような箱庭の中の作られたスペクタクルではなく、少し危険をはらんだ、秘境での本物のスペクタクルは格別です。子供にはそういった「本物」を体験させてあげたくてこういった場所に来ています。本物を知った上で作られたスペクタクルを楽しむのが順序かなと考えてます。
他に誰もいないので、とんだり跳ねたり、騒いだり。自由にできて、まあ余りに跳ねすぎると峡谷にまっさかさまに落ちてデザイアなわけですが、そういった場所が自由奔放な彼には似合う気がしますね。
そして行き当たりばったりの旅は、夕方6時、宇奈月温泉に戻ったものの、宿がありません。
急遽電車から見えた宿に電話して、予約。10分後にチェックインです。なんでも映画「釣りバカ日誌」の撮影に使われたとか。いいお宿でした。