ホンダはあの頃の輝きを取り戻せるのか?

NSXとマクラーレンホンダが復活します。

Honda | 新型「NSX」の米国生産工場を発表

新型NSXは、従業員が持つ職人の技と新たなアプローチを取り入れる生産技術を調和させた、このパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センターのみで生産され、北米での販売を皮切りに世界中のお客様にお届けする予定です。新工場では、新型NSXの2015年の量産開始に向けて既存のオハイオ工場から約100名の従業員を選抜し、新型NSXを高いクラフトマンシップで生産する為の工程のトレーニングを開始します。

Hondaは、「需要のあるところで生産する」という考えに基づき、1979年9月に米国で二輪車の現地生産を開始し、1982年11月には日本の自動車メーカーとして初めて米国で乗用車の生産を開始しました。以来、北米での現地生産を拡大し、2013年3月までの北米における四輪車の累計生産台数は2,500万台を超えています。

Honda | FIA フォーミュラ・ワン世界選手権 参戦について

Hondaは、FIA※1 フォーミュラ・ワン世界選手権(以下F1)に、パワーユニットサプライヤーとしてMcLarenとのジョイントプロジェクトのもと、2015年から参戦することを決定しました。

このプロジェクトではHondaがエンジン及びエネルギー回生システムを開発・製造・供給、McLarenは車体の開発・製造及びチーム運営を担当し、McLaren Honda(マクラーレン・ホンダ)として活動していきます。

F1では2014年より、1.6リッターV型6気筒直噴過給エンジンに加え、エネルギー回生システムが採用されるなど、エンジンのダウンサイジング化をはじめとした環境技術が導入されます。これらの技術への挑戦は、内燃機関のさらなる効率化や、ハイブリッドシステムなど、先進のエネルギーマネジメント技術を常に追求してきたHondaにとって、将来技術の開発や技術者の育成などにおいて大きな意義があると捉え、参戦を決意しました。

どちらのニュースも長年のホンダファンにとっては嬉しいニュースなのですが、同時に不安がよぎります。

NSXがアメリカ向けデザインでアメリカ工場で生産されること。ホンダ、というよりもアキュラという位置付けに「ホンダ」という日本の名前、日本ブランドがどこまで世界に通用するのかという不安。

ホンダF1復活のニュースがホンダからではなく、常にF1界隈の噂、特にマクラーレンとメルセデスのエンジン供給契約の駆け引きの材料に使われてきた点。

いずれも「ホンダ」「日本」という力強い軸がないんです。特にF1は政略に利用された感もあり、手放しでは喜べなかった、というのが正直なところ。なにせ噂があがったとき、社内の人にきいても「ないない、絶対ない」と言われた位、社内でもまったくそんな動きは見られなかったほど。

2008年末のF1撤退報道の前後、このようなエントリーを書いています。

シビックハイブリッド:F1 KERSでホンダのハイブリッドは世界トップへ ([の] のまのしわざ)

ホンダのF1撤退の判断を再考する ([の] のまのしわざ)

ご存じのように2009年、ロス・ブラウンに売却したチーム、ブラウンGPはチャンピオンをとっていました。今回のF1復帰は小排気量+KERSという昨今の市販車に見られるダウンサイジングと歩調を合わせた形で、よりF1技術と市販車技術が近くなった感もあります。

ただどうにもこうにも、時計の針を5年前に戻したという感は否めません。今回はマクラーレンへのエンジン供給に集中ということですが、これもどうも「無償提供」という噂もあり、F1ビジネスという意味では人のいい日本人が交渉力にたけたヨーロッパ人に翻弄されているのではないか、という危惧もあります。

ということで手放しでは喜べず、なんとも歯がゆい思いをしております。

そんな杞憂を吹っ飛ばすにはあのマクラーレン・ホンダの連戦・連勝、そして新たなスーパースターの登場、特に日本人F1ドライバーの復活が望まれますね。

新型ビートはいつでるのかな。