ホンダF1をロスブラウンに売却、ブラウンGPとして臨んだ2009年シーズンはこれまでとうって変わって快進撃です。そのためもっと続けていれば、F1撤退は失敗だったのではないか、という声がありました。
asahi.com(朝日新聞社):フィットHV、10年中に販売へ ホンダ社長が方針 - ビジネス・経済 (1/2ページ)一方、撤退したF1については、「(ルールによる)制限が多くなり、企業の技術力を試す場ではなくなってきた。今の状況だと、経済が良くなっても『もう一度』ということにはならないと思う」と当面、復帰しない構えをみせた。ただ、トヨタ側が富士スピードウェイ(静岡県小山町)での開催撤退を表明した日本GPに対しては「鈴鹿での開催は基本的に続けるスタンス」と述べた。
たしかにブラウンGPの快進撃は複雑ですし、これがホンダだったらと思いますけど KERSを搭載してないことや、来期KERSが早くも禁止(終了)するという話があることも、ホンダがF1に参戦する意味が希薄です。
シビックハイブリッド:F1 KERSでホンダのハイブリッドは世界トップへ ([の] のまのしわざ)F1でも燃費向上による給油回数の低減、モーターの出力上乗せによる加速力向上などメリットがあります。一方で重量増によるハンデや信頼性の低下がデメリットでしょう。ただいずれにしても市販ハイブリッドカーと同じ利害で、両者は一致します。
・ハイブリッドスポーツカー戦略
そうなってくるとホンダのハイブリッドカー戦略が見えてきます。
・燃費性能を飛躍的に向上 ⇒ インサイト、フィットHV、シビックHV、ミニバンHV
・走行性能を飛躍的に向上 ⇒ CR-ZF1での開発はこの両者に寄与するものです。ここ最近ホンダがミニバン主体メーカーとなりF1参加と市販車との乖離が激しくなった昨今でしたが、ここにきて見事に軸が一致します。
逆にKERS必須、ハイブリッドカーのみで長年競われるのであれば、おそらくそれが広告的価値が少なくともホンダは参加したでしょう。毎年各チームのパワーバランスをとり、よりショー的に面白くしようとレギュレーションがコロコロと変更される昨今のF1シーンはメーカーが参加する意義はありません。また昨今のFIAとFOTAの泥沼をみると、本来の場所ではないところでの戦い(政治)がメインとなっているきらいもあります。
車の場合、製品のライフサイクルが5年〜10年と長いことから、マーケティングやブランディングも同じく長期的に見る必要があります。その観点からも参加するなら最低でも5年以上継続するつもりがなければ、これも投資する価値がありません。
といったことを総合的に判断すると、結果的にホンダのF1撤退は適切な判断と言えるでしょう。
とにもかくにも、早くハイブリッドスポーツ CR-ZX の登場が待ち遠しいです。type Rが出たらなおさら欲しいですね。