あんなに背が高くなくてもいいのに。

最近デビューする日本車といえば5ドアの背高ワゴン、コンパクトカーか、エコカーばかり。自分の欲しいクルマはもっとシンプルで、走りがいいもの。軽量コンパクト、重心が低いことと、まったく真逆なものばかり。

ヒドイなあと思うのは物理法則から考えて、本来クルマがもつ運動性能をスポイルしていることをきちんと消費者に伝えていない点。昨今流行っている背の高い軽自動車なんて危険きわまりないのですが、なんであれが幅をきかしているのか不思議でなりません。

大きくなったことで昔に比べてパッシブセーフティ、ぶつかった時の安全性は上がっているのかもしれません。しかしアクティブセーフティ、操縦安定性は悪化していませんか? 平坦な市街地ではそこそこ走れるのかもしれませんけど、大きく重くなったボディと燃費にふったギア比のせいでアップダウンのある場所での加速性能はスポイルされ、ワインディングでのハンドリングは重心の高さから不安定です。トレッドよりも車高の方が高いものが倒れやすいのは当然ではありませんか。

実際問題、ここ八王子から神奈川、山梨の県境は峠道。昔に比べて平均速度が落ちている気がするのです。遅くなればより安全ではないか、という声もあるでしょうけどそれは列車に例えれば特急より鈍行の方が安全、という理屈であり、列車の安全性は速度に比例するわけではありません。比例するのであれば一番危険なのは新幹線であり、将来登場するリニアモーターカーとなるはずです。

背の高い軽自動車は横転の危険性が高く、なにかあればすぐに横転してしまいます。横転すると何が問題かというと、車内から脱出出来ない点。

ドアは横にひらくから力がいりませんが、あれを縦に押し上げるとなると、男性ならいざ知らず、非力な女性や子供では無理です。しかもドアを押し上げながらよじのぼり、車外に脱出するとなると一人でできるかどうか。実際問題近所で起きた衝突事故では軽自動車が横転、運転していた女性が閉じ込められて、出てくるのにレスキューを待たなければなかったのです。これが稀かというとさにあらず、数回事故を目撃しましたがどれも横転してました。

仕事上背の高いクルマが必要なのは当然でしょうし、あっていいと思います。しかしそればかりになる、となると事情が異なります。アクティブセーフティを今一度振り返った方がよいのではないかと思う今日この頃です。

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アクティブセーフティのよい軽自動車はないものでしょうかね。