(ミニ四駆小説は2日に1回の更新予定です。)
前回までのあらすじ流しのミニヨン・レーサー北川はトラブルに巻き込まれたが、ミニ四駆勝負で勝利した。しかしトラブルとなった原因のマシンを見て何かに気付き、北川は「新宿」を行くことを提案する。
甲州街道。それは江戸城跡、半蔵門を起点とし、新宿を経由、甲州は甲府まで続く街道筋である。その街道の先に待ちうける大垂水峠の手前に位置するのが「高尾」。その高尾にミニヨン・レーサーでは知らないものはいないという、ミニ四駆専門店「高尾サーキット」がある。
▼高尾にあるミニ四駆専門店⇒タミヤ ミニ四駆 専門店 通販 ミニ四駆ステーション! えのもとサーキット
高尾店主「ほぉ、北川くんが現れたのかね」
新橋のマスター「そうなんですよ、いやあビックリしましたよ。うちの常連のトップをあっさりと破りましたからね」
電話口で興奮気味に新橋のマスターがまくしたてる。
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新橋のマスター「でもその直前に若い学生が古いマシンを持って現れて、それが常連に勝っちゃったんですよ。北川くん、そのマシンをみて顔色が変わって・・・新宿に行くとかいってましたね」
高尾店主「古いマシン...新宿...なるほど、そうか」
高尾店主はミニ四駆歴40年の大ベテランであると同時にミニ四駆の生き字引といっても過言ではない。歴史、そしてレーサーのデータベースが頭の中に入っているのだ。北川もここ高尾サーキットで育ったレーサーの一人である。
高尾店主「北川くんが今度見えたら、渡したいものがある、とことづけておいて下さいよ」
そういって高尾店主は黒電話を切った。
・・・
数日後、3人が新橋のミニ四駆飲み屋に集まっていた。
浜田「兄貴~、新宿はいついくんですか、兄貴~」
北川の後ろに大男・浜田がピッタリと寄り添う。北川はそれを無視し続け、もくもくとミニ四駆のセットアップを続けている。
学生「ぼくもなるべく早く行きたいのですが・・・どうなんですか、北川さん」
北川は壁の方に目を向ける。壁には飲み屋のメニュー、そしてビールを片手にニッコリほほ笑むイメージガールのカレンダーが貼ってある。
北川「・・・まだだ。まだ時期ではない」
浜田「新宿、早く行っていきてえなあ。きっと凄いコースがあるんだろうなあ。そこでもコースレコードを出して、オレ様の素晴らしさを後世に残してやるぜ、ムハハ」
浜田は相変わらずである。
マスター「北川さん、そういえば高尾サーキットから言付けが」
北川「高尾のオヤジさんから? なんですって?」
マスター「渡したいものがある、だそうですよ」
北川「・・・渡したいもの・・・」
北川は下を向いて考え込みはじめた。数分たって顔をあげ言った。
北川「まず高尾だ、高尾へ行く」
学生・浜田「はぁ、高尾ですか?」
二人は顔を見合わせている。一方北川は壁のビール・イメージガールのカレンダーを凝視したまま動かない。
高尾店主は何を北川に渡そうというのか、そして新宿にはいつ行けるのか? 次回、衝撃の展開。
(つづく)
この小説はフィクションで、実在の人物・団体と一切関係ありません。ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
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飲酒は20歳になってから。