Spring of Life的インド映画「ロボット」がワケ分からないけど面白かった #prfm

Perfume WORLD TOUR 1st 香港公演、行きの飛行機のVODサービスをつらつらと見ていてふと選んでしまったのがインド映画「ロボット」。

映画『ロボット』公式サイト

インド映画といえば「ムトゥ踊るマハラジャ」といった恋愛+大人数ダンスが有名、たまにいってたインド料理屋で流れていたインド映画が結構好きで、唐突にはじまる二人のダンス、大人数によるダンスなど、映像としてはえっと思うのですが、これも一つの様式美。その様式美とVFXばりばり、近未来のロボット製作を巡るSFを描く「ロボット」との結びつきがまったく想像がつかず、思わず見てしまったのですが・・・

これがイイ!

番組紹介動画はこちら。

ダンスの映像はこちら。

プロットがよく練られていて、ロボット三原則をうまく扱いながら、感情の芽生え、兵器への応用への葛藤、失恋、嫉妬、破壊、再生...などアトムやロビタにも通じる一種実存主義的なテーマを扱っています。が、その上にまぶしたスパイシーなアクションとダンスはインド映画ならではのもの。マトリックスのエージェント・スミスばりの数のロボットが磁力で合体して巨大ロボットになるなど、そのアクション映像は度肝を抜かれます。

アクションのハイライト映像はこちら。

あらすじはこんな感じ。

・・・

博士(スーパースター・ラジニカーント。本当にテロップでスーパースターと出るw)が作った自分そっくりのロボット、チッティ。アトムが子供に似せたのに対し、この博士は自分のコピーとして作ります。その研究に没頭するあまり、彼女(大学生)をほったらかし、再三の連絡があっても無視し続けます(いいのか?)。

博士のロボット、チッティはこれまで実現出来なかった人工知能を完成させ、生まれたばかりのチッティは世界を知らなかったものの、凄い勢いでこの世界の知識を得ていきます。

これを快く思わない博士の上司、別の博士がその秘密を盗もうと助手を買収、しかしうまくいきません。

一方チッティの完成により恋人(アイシュワリヤー・ラーイ)とデートを再開する博士。最初はチッティを快く思わない恋人ですが、執事のように身の回りのことをしてくれたり大学の試験のカンニングを手伝ったりすることで信頼を得ます。

チッティに対して心を許し始めた恋人と時を同じくして、人口知能の発達により知識・経験だけではなく感情をもつようになったチッティ、このチッティが恋人に恋をします。

これに気付き嫉妬した博士はチッティを恋人から遠ざけるようにした上に、婚約を発表。恋人はビックリするも、恋心を抱くチッティに「人間と機械は愛し合えないのよ」と諭します。感情をもつ機械チッティ、失恋と人間ではない、所詮機械であるというダブルの挫折を味わいます。

ロボット・チッティは失意のまま、兵器としての応用試験の現場へと向かいます。本来であれば圧倒的なパワーをもち、歩兵数百人分の兵力となることが期待され、この試験に合格すれば研究資金も入ってくる予定だったところを、

「殺し合うのはよくない。平和が第一」

といってチッティは戦うことを放棄。銃の代わりに花を植えます。

軍部は失望、博士は顔に泥を塗られて怒り心頭、先日の嫉妬とともに感情を抑えられなくなり、チッティを殺し(斧で解体、スクラップにする)、廃棄します。

しかしまだチッティは生きており、自分で再生しがれ場を歩きます。そこへチッティの人工知能が欲しい別の博士がチッティを探しにきて回収、修理します。ただ修理すればいいものを、ロボット三原則を外す悪のチップを挿入。悪の兵器としてチッティは生まれ変わります。

悪のチッティはいわばキカイダーでいえば良心回路が外されたハカイダー的存在。その場で別の博士を殺し、自らが神となり、自分をコピー、量産しはじめます。そして恋人を拉致し、悪の帝国の中に住まわせます。

もともと博士に似せたチッティなので、悪の容姿となっても風貌が大きく変わるわけではありません。博士は悪のチッティのコピーと同じ服装、メークにして悪の帝国に潜入。恋人に接近します。しかしこれがばれ、博士は恋人とともに脱出をはかります。

ここに警察、軍が加勢、悪のチッティ帝国と軍の全面対決がはじまります。その結果があのアクションシーンとなるわけです。

・・・

で最後までみて気付いたのですが、実はこの公開版、かなりカットされているのです。本編の完全版はなんと177分と約3時間。公開版は2時間余り、しかもストーリーに影響しないアクションシーンが大幅にカットカットされ、youtubeにアップされたアクションシーンの半分も入ってなかったのでした。だから非常にもったいない、見るならやっぱり完全版がいいです。

【Amazon】 ロボット 完全豪華版ブルーレイ [Blu-ray]
B008ICZZEI

映像も素晴らしければプロットもいいです。特に感情をもったロボットが恋をするところ、なんて Perfumeの Spring of Lifeに共通します。SoLでは外の世界に出ようと瞬間...

Perfume「Spring of Life」PVに込められた深い意味 #prfm ([の] のまのしわざ)

そしてLOVEを発見、LOVEに生きることを決めたアンドロイドはその準備をして、殻を破っていこうとするのです。

ところがその結果迎えた結末は、死でした。

しかしその死に至る時の心、そう心が初めて宿り、死という永遠の時間を恋にときめいて生きるのです、、、

宗教的な死生観はロボット、アンドロイドを扱うとどうしても直面するのでしょう。死ぬことで永遠の命をいただくのです。

Perfumeライブを見に行くときにみた映画が「ロボット」というのは単なる偶然でしたが、改めて感じたこと。

ジャケットにもでてくる透明な殻、これが今いる世界の大きさを表しているとするとその殻を破り外界にでるのもひとつの道。海外進出というのがこれに相当するのかも知れません。

それが中に残された日本のファンにとって、今の Perfumeの死を意味するかもしれない、という警告でもあり、もう一つの可能性を指し示しています。

それは日本のファンも海外に出ようよと。

今回香港、つまりは中国にいってきたわけですが、そのあまりのサイバーっぷりな街の風景に心からビックリしました。見た光景はまるでブレードランナーか、マクロス(の街)か。ビルの壁面に映像が踊り、空にはレーザービームとサーチライトが飛び交う一方で路地裏は混沌、熱気と臭気が入り混じる中、屋台の熱い食べ物を頬張る人々。老若男女問わず使う携帯はすべてスマホ、路上で売買される iPhone5。街に飛び交うWiFiスポットでネットアクセスは自由自在。なんなんだここは!

あらゆるエネルギーが吹き出てくる街でしたよ。生きる本質と未来が同居しているというかなんというか。ええ、生きるって、世界って凄いな、やはり殻を破って飛び出ないといけないと思いましたよ。

・・・

ちなみに「ロボット」の製作チームが手掛けた最新作、「ボス」は12月1日公開とのこと。

映画『ボス その男シヴァージ』公式サイト || 12月1日 伝説が始まる

これ、見に行きたいな。しかも踊っても騒いでも、写真撮影してもなんでもOK!

映画『ロボット』&『ボス』 公式ブログ : 映画館で騒げ!!前代未聞の劇場マナーCM登場!!

日本の劇場マナーの逆をいく史上初、
なんでもOK!
の劇場マナーのCMを作りました!!

<インド映画鑑賞マナー>
①大声で騒いでOK
②席を立って、踊ってOK
③好きに飲んで、食べてOK
④隣の人との会話OK
⑤クラッカー鳴らしてOK


とにかく好きに騒いでOK!!映画を全力で体験しましょう!

ライブビューイングもこれくらいやらなくちゃね。