書店で見かけるものの、最近購入をためらっていた「ベストモータリング」と「ホットバージョン」がなんと4月末をもって休刊していました。
【Amazon】
ベストモータリング 2011年6月号[DVD] [-]
▼ベストモータリング&ホットバージョン - BestMOTORing.JP
ベスモ・ブログ - BestMOTORing.JPベストモータリングは本日発売の号をもって休刊します。
若者のクルマ離れでDVDが売れなくなった。
ごくごく一般的な理由としては間違いではありません。
今は、そうご理解ください。
90年代、同僚と一緒に寮の一室であーでもない、こーでもないとワイワイ盛り上がっていたあの「ベスモ」が休刊とは残念です。90年代は毎月のように買っていましたが00年代になって買わなくなり、最近は、といっても数年前シビックタイプRが出たときに買ったくらいでしょうか。
若者だけでなく、オッサンもベスモ離れがすすんでいたに違いありません。
ベスモといえば、市販車をノーマル状態でインプレッション、つくばサーキットでライバルとバトルをするというのが売り。インカービデオを駆使、カメラを切り替えながらつないでいく編集技術に神谷さんの名ナレーション。特にレーシングドライバーが軽妙な語り口で車を語りながら、テクニックを駆使して車を転がすサマは本当にあこがれました。
これを我々でもできるようにしたのが、PlayStationのゲーム、GT(グランツーリスモ)だったんです。
プレイするのと同じ以上の時間、リプレイ映像をみて楽しんでいましたね。だからGTはベストモータリングを一般人でもバーチャルで可能にしたという意味でも偉大なんです。
ベスモが終わったという理由と意味について。
ベスモ・ブログ - BestMOTORing.JP中谷明彦 より:
2011 年 4 月 27 日 11:56 PM
ベストモータリングの創刊を準備されていた初代編集長の正岡さんからお話をいただいた時に、ついに待望の媒体ができる!と胸が躍った。
それ以前に僕はカートップ誌の編集部員として筑波サーキットで市販車の比較テストをする時にレース形式で競いその行方をレポートする「CTグランプリ」なる企画を手がけていたのだけど、写真と記事だけでは伝えきれない事象がたくさんあって動画媒体でなければ事実を正確に表現できない、と考えていたからだ。ベストモータリングでは「バトル」という名でその願いは実践され多くの真実を伝えることができた。
しかし後年、映像媒体の持つ危険因子である「編集」や脚色、脚本による「情報操作」が生まれ娯楽性は高まったと思うけど真実を正確に映し出せなくなってきていたことに大きな不満を抱いた。そんなことを僕の好きなファミレス(^^;でベスモ編集部スタッフと7時間も論じたこともあった。僕は妥協も迎合もしないことを理念としてベスモを去った。正岡さんからは「将来レースを引退したら貴方が編集長をやればいいんだよ」と言葉をいただいていたが、そのベスモが無くなってしまうのでそれも叶わなくなってしまったね。
でもここに寄せられている読者の皆さんの言葉を見ていると、やはり動画で事実を伝えることの必要性もまた強く感じている。
こんな時代だから、バトルして動画作ってお金儲けしようなんて筋道はない。営利目的では成立しないから休刊して会社が清算されてしまうのは不可避だったろう。「クルマが好きだから」
それだけの理由で大きな負担も苦にしない理解者を探し出すしか再生への道は無い。
ビデオやDVDには編集上カットされてしまった名場面や核心的なコメントなど埋没させてしまうのはあまりにももったいない。結局ベスモ休刊を知らせてくれたのは田部君だけだった。最後のロケを見に行ったけど、帰りに正岡さんが「こんなベスモなら無くなって当然。毎月見てくれていた読者に申し訳なかった」と言われたのが象徴的だったね。
ベスモ・ブログ - BestMOTORing.JP中谷明彦君が「思い出」の中でぼくが「こんなべスモなら消えて当たり前」といっていたと紹介しているので、その真意のほどを、ここで公開するつもりでしたが、この1連の写真を見て貰えば、もうなにも語る必要はないでしょう。そうだ、一つだけ言っておこう。ガンさんのドライビングぶりはいつもながら美しく、見飽きないはずだが、荒君を横に乗せたあの正面斜めからのアングルはなんだ! ディレクターも編集長もよくあれでOKしたもんだ。最終号だけに残念極まりない。スーパーバトルも、だからどうなの?といいたくなる。見てくれている読者とこころを通わすものが皆無。ロケと出来上がった最終号をみて、あらためてそう思う。24年の財産とは何なのか。関係者はもう一度、それぞれの胸に手を当てて、問うて欲しい。
24年の変化は大きいです。クルマ業界だけでなく、出版、パッケージソフト(DVDでの映像販売)の難しさ。インターネットへの違法動画のアップなどいろいろなことが重なり合って今に至ったということでしょう。人々の思いも交錯し混乱しています。
ただコメントを読むにつけ、これだけクルマ好きの人たちがいて、ベストモータリングが愛されていたという事実は揺るがないなと。どんだけクルマ離れだ、といっても全滅したわけでないんです。確実にユーザー層はいて、確かに高齢化しているかもしれないし、若い世代は先細りしているかもしれませんけど、ゼロじゃないです。逆に「走れる車」がなくなっていることで、飢餓感は高まっているんじゃないでしょうか。
こんなんじゃない、ぼくらが求めていた未来ってこうじゃないよ、と。
ぼくらが求めていた未来って、もっとこうかっこいい日本車がたくさんでてきて、わくわくして、しかもパフォーマンスが高くて、安いのに外車をやっつけちゃうようなクルマの出現。たしかにR35 GT-Rでポルシェはやっつけたんですけど、いかんせん高くて買えません。ありゃあアラブの富豪用で、まあポルシェはもっと高いわけですが。
結局私においても2002年にS2000を購入してからもう9年。買い換えるクルマもなく、動態保存モードへ突入です。ええ、売ることもできず、買うものもありません…
なんで、どうしてこうなっちゃったの?
疑問はつきませんが、それでも前にすすまなければなりません。幸いうちの子はとてもクルマ好きに育っているので、将来彼が免許をとり、走れるクルマに乗れるようにするためにも、この現状を打破しなければ。たとえそれが日本車じゃなくても、仕方ないでしょう。本当は日本車に頑張って欲しいんですけどね! 日本がだめなら、ドイツ、イタリア、フランスに流れるのも止むを得ません。
今の若者(10代、20代)がダメなら、もう次のターゲットは40以上のオサーンか、10歳以下ですよ。10年計画で、10年後に免許をとる小学生を虜にしなきゃそれこそお先真っ暗です。頑張れ僕たち。
リョウケン
ベストモータリングは初バトル企画の時、書店で見て買い、それ以来ずっと買い続けてきました。
確かにここ10年くらいは本当に面白さが無くなってきて、でも、自分の生きがいであり、愛車を見つける物差しとなっていたのも事実です。
しかし、これが無くなり、自分の毎月の楽しみも一つ無くなって、さみしいかぎりです。
若者の車離れ・・・これは自動車メーカーにも責任ありますよね。
ほとんどの車種にマニュアルミッション車が設定されず、ハイブリッド化していく。そして、名車であったブランドも消滅していってしまったり。売れなければ廃止せざるをえないのはわかります。でも、それでもニッサンのようにGT-Rを世界一の車になるくらい開発に力を入れているメーカーもあります。日本中のメーカーが力を合わせればまた車業界も元気になると思います。どうか、前向きに走って元気な車を作ってほしいと願っています。
自分も現在R34GTRを所有しています。古くなってきているので買い替えをしたいと思っても、走って楽しい車、カタログを眺めていてドキドキするような車が今はありません。
このGTRを動態保存するしかないのです。
自分の希望としてはR35のような高価な車ではなく、庶民でも少し無理すれば手が届くようなホットなモデルを出してほしい。
スカイラインでいえば、かつてあったようなGT-AとかGT-Bとか、現行型ベースのメーカー系チューニングモデルなんかも企画してほしいです。