ブルートレインもどんどん廃止され、いまや夜行列車は絶滅の危機。完全に絶滅する前にもう一度のりたい!という気持ちをずっと持っていたのですが、ようやく果たせました。
▼一人旅は予想外の展開に! 岡山城から急遽変更、姫路城をみて新八代へ ([の] のまのしわざ)
今回はその「サンライズ瀬戸」の詳しいレポートをご紹介。
サンライズ瀬戸とサンライズ出雲はそれぞれ7両づつで前が瀬戸、後ろが出雲という形で連結されています。
乗ると早速車掌さんがいて、検札。そこですかさず「シャワー権」いや「シャワーカード」をゲット。サンライズに乗るとtwitterでいったところ、すぐさま買うべきとのアドバイスを受けて買いました。シャワーは300円ほどで、タオルを持ってなかったのでタオルセットも同時購入で510円。なかなかリーズナブルな価格。
車両の中に入るとなかなか質感の高い空間が広がり、いや狭まります。廊下の幅は私の肩幅+αくらいで、恰幅のいいひとはかなり窮屈。さらに人と人がすれ違うのはなかなか大変です。その狭い廊下を通り、自分の部屋へ。今回は「シングル」と呼ばれる部屋をとりました。
扉の中には足をのびのびと伸ばせるベッド兼シートが広がります。テーブルにはプラスチックコップ、枕と毛布にガウンもついていて、気分的にはビジネスホテル。
入口のくぼみにちょうどトランクケースが収まり、スリッパもあるので車内はスリッパとガウンでリラックスできます。2階だて車両の上側で、窓が車両の丸みにあわせてラウンドしているのがとてもよく、高い位置から空まで広々と見渡せます。といっても夜汽車なのでほとんどは真っ暗な宇宙だけですけどね。
ドアはレバーを倒し、上側のロックをかけるだけ。電源コンセントもあるのでノートPCからiPhoneの充電まで出来ます。一応名目上はシェイバー用。またコンパクトな鏡(姿見)もすぐ横にあり、立って身支度するときに便利です。
逆側(奥側)が頭を向ける場所となっており、壁面にはラジオや照明のスイッチ、時計・目覚ましタイマーの操作パネルが備わっています。こんなところもホテルチックですね。
ホテルっぽいだけあって、ドアもロックをかけられます。
外にでてドアをしめ、暗証番号4桁を入力すればロック完了。解錠は同じく4桁の番号を入力すればあきます。キーがないところがかえって紛失などの煩わしさがなくて手軽。
ということで、車内散歩にいってみましょう。
こちらは廊下から1F/2Fへと別れて上がる、下がるができる車両。
のびのびシートと呼ばれる、カーテンで仕切られる昔ながらの寝台。プライバシーは皆無ですけど、ブルートレインのB寝台といえばこういった雰囲気ですね。さすがに中の写真はとれませんでした。
サンライズ瀬戸と出雲の連結部。ちゃんと行き来ができるようになっています。
基本的にどちらも編成は同じようでした。
喫煙所となるスペースも一か所あり。ただ灰皿があるだけで分煙・排煙は不十分で、まわりに煙草臭が蔓延してました。予約の際、この近辺は避けたいところ。
照明が綺麗な洗面所
トイレは多目的トイレも完備。トイレ自体は飛行機や新幹線と同じ方式で空気圧で引き抜く感じでした。
肝心なシャワールームの写真はナシ。シャワーは6分間使え、途中で一時停止することもできます。いわゆる洗車場のシャワーと同じですね。6分という時間は頭を洗っていると結構短いので手早く洗う必要があります。
水は消毒がきついのか、上がったあと顔がガサガサになりました。乾燥肌、敏感肌の人はちょっと気を付けた方がいいかもしれませんね。
さあそんなわけで車内探検も終わったところで、一人酒です。
部屋を減光し、夜の戸張を楽しむことに。
ほぼ真っ暗で街灯しかみえません。しかしひとたび体を横にし、ラウンドした大きな窓から空を見上げればそこには星が広がります。ガタゴトンというレールと車輪の織りなす規則的な音、揺れの少ない車内ではその音が心地よく、懐かしい感じです。
この夜汽車は寝れないので苦手、という繊細な人は多いですが私もどちらかというと寝れません。私の場合繊細というよりも、興奮するのとこの貴重な体験を逃すまいという貧乏性(?)で眼が冴えてしまうんです。今回も2:00AM過ぎまで目はパッチリ。朝シャワーを浴びるため5:30AMにアラームをセットしていたので、3時間ちょっと寝れたかどうかでした。
さて朝になってみると、なぜだか列車が止まっています。そういえば昔のブルートレインも時間調整のためか明け方長い間停車してたよなあと思いつつ起きてiPhoneで位置を確認。
一人旅は予想外の展開に! 岡山城から急遽変更、姫路城をみて新八代へ ([の] のまのしわざ)無事にサンライズ瀬戸にのって、就寝したのが2am位。そして5:30amに起きたところ場所は米原の手前の「醒ケ井駅」。はて、ここから1時間で岡山につくの? なんか変だなあ、ちょっと遅延しているのかなあ、と寝ぼけながらシャワールームへ。
シャワー浴びている間にサンライズ瀬戸は米原駅に移動して停車。ずいぶんと動きません。
結果的に3時間以上の大遅延だったわけですが、逆にこのおかげで昼の風景も楽しむことができましたし、新大阪駅で下車、姫路でおりて姫路城も行けたわけですから大遅延さまさまだったかもしれません。
トラブルは旅の醍醐味のひとつ。サンライズ瀬戸乗車後の予定がフリープランでよかったです。できれば次回はこのまま終点の高松や出雲まで行きたいですね。
昔、といっても本当に昔。30数年前、小学校低学年くらいまでブルートレイン「みずほ」や「はやぶさ」で帰省するのが普通でした。夕方6時台に横浜を出て、熊本や八代に到着するのは次の日の昼頃だった記憶があります。その時ブルートレインは1時間に1、2本出ていたようです。
今回サンライズに乗った時丁度3歳前後の兄弟を連れた家族連れがいましたが、発車が横浜発 22:24PMと遅いために眠い目をこすりながら、多少ぐずりながら頑張って乗っていました。子供にとってこの時間帯はちょっと厳しいです。
とはいえ、これだけ新幹線網が発達し、リニアモーターカーが登場しようかという近未来。かつてブルートレインの名前だった「みずほ」「はやぶさ」が3月から新幹線の名前として復活したことが象徴的ですが、いずれはなくなる運命の夜行列車。今のうちに子供を乗せて、旅に行きたいですね。
(サンライズ瀬戸・新大阪臨時停車後の発車の様子)
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