崩れても治す、を繰り返す石垣の万国博覧会・駿府城

上には上があるものです。

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仙台は青葉城も地震で崩れた石垣を修復、時代を渡って変化した最先端石垣技術を駆使してとりどりの積み方が楽しめましたが、駿府城はそれ以上。そういえば駿府城がある静岡は東海大地震が予測されている、地震銀座でしたね。

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ということでさきほどの石垣、なんと6種類の石垣のコングロマリット。普通に考えれば崩れたら作り直すとかすればいいのですが、そこはまた崩れちゃうしコストや手間を考えると使えるものは使って、そこに積み上げればいいじゃないという発想だったのかこんなつぎはぎだらけの石垣がここ駿府城の特徴。

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あっちも、こっちも、継ぎ接ぎです。

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さらに現在も崩れた石垣を修復作業中。


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さすがに現代となると継ぎ接ぎではなく、重機を使って一度解体して積み直すようですね。

さて駿府城はこのように石垣が継ぎ接ぎで修復が繰り返されているわけですが、一方二の丸・本丸の中はというと破壊、いや公園として整備が行きとどきすぎて往時の姿はほとんどありません。

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かろうじて復元された東御門巽櫓が威厳を保っています。

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とはいえ、ちょっとまだ新しすぎな感は否めず。まだまだ継ぎ接ぎだらけの石垣の歴史に比べたら新参ものです。

駿府城は徳川家康の最期の居城で、江戸を魔改造しまくった家康ですからここ静岡も当然のように魔改造。風水を人工的によくしている気配が漂っています。

やはり定番の水の流れを変えてしまうところ。

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これを家康は城下町に水が氾濫しないよう、水の流れをコントロールしたのです。水が流れたあとは平地になるので城下町を作るのに適しているわけですが、たびたび氾濫しては経済活動に支障がでるので対応しているわけですね。

そういう視点でいうと、ここ静岡はミニ東京といっていいかも知れません。

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駿府城の構造は理想的な輪郭式、ほぼ真四角で円状に本丸、二の丸、三の丸と広がっています。そういう意味では大変美しい形をしていたと思うのですが、今では高い建物もなく街に埋没してしまっているのが大変残念ですね。

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現代風の公園もいいのですが、当時の本丸、二の丸を構成していた堀はぜひ改修してほしいものです。それだけでもまったく雰囲気が違うと思いますよ。

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仙台城跡・青葉城は石垣の博物館:軍事力のパワーシフト、武力から知力へ ([の] のまのしわざ)