ミニ四駆:えのもと杯アルカリ電池耐久レース(2010年2月)参戦レポート

今回から使用する電池をマンガンからアルカリに変更しての耐久レース。それだけでも既存のセッティングが通用しないので参加者を悩ませていたのですが、さらに天候は雨。小雨決行ということで前日から振る雨の中、各車セッティングに頭を悩ませていました。

そんな中、うちの子供が出した究極ウェットセッティング。

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タイヤをよく見てください。通常のミニ四駆タイヤは溝なしのスリックタイヤ。しかしこのタイヤは、な、なんと溝あり!

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(溝ありタイヤの拡大写真)

まるでブリジストン POTENZA RE-ほげほげのような縦溝に斜め溝を組み合わせた排水性の良いハイグリップタイプ。またまた~、そんなの見掛け倒しでしょうとばかりに履かせてウェット路面の中はしらせたらグリップするじゃありませんか。ほんとですよ。通常のローハイトスリック、ローハイトオフセットトレッドタイヤと比較して明らかにラップタイムが早いんです。

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結局子供のマシンはこちら。前後とも同じ幅(フロントタイヤをリアにも装着)、ボディは水が入りにくいナイトレージJr.を装着、さらにテープで保護するといった念の入り用。レアな溝ありタイヤはえのもとさんにいただきました、どうもありがとうございました。

そして迎えた耐久レース当日・・・

雨はさらに強くなっていましたとさ。

どれくらい雨がふっていたかというと、コースに水がたまるくらい。

スプラッシュマウンテンじゃないから!

一部ではいっそのこと水追加して水中モーター装着して走らせればいいんじゃないの?くらいな話まで出るくらい。しかしそれでは別のレースになっちゃいますよ・・・

午後には雨が止むということでしばらく様子見、11:30スタート。そのころにはすっかり雨足と止み、雑巾がけしたコースに水滴が残る程度に。そんななかいよいよ耐久レーススタートです。

支給される電池はアルカリ乾電池1セット(2本)、これで予選10分(通常は15分、雨のため短縮)x2本を走り、周回数の合計で競います。

レース前の練習走行では大径(30mm)タイヤ+トルクPROモーター+アルカリ電池ではコースアウト続出。今回からコースアウトした場合、カウンターの前から再スタートするというルールが適用されます。つまり今までコースアウトしようがすぐさまその場から再スタートできたのでロスタイムは数秒だったのが、カウンターの前から再スタートとなることでロスタイムが増えてさらに周回数がカウントされないというペナルティに。

コースアウトを連続ですると、1周たりとも進みません(カウントされないため)。

コースアウトしないようにペースを抑える「亀さん走法」か、コースアウト上等、ハイペースで飛ばす「うさぎさん走法」か、というまさに「ウサギと亀」の耐久レースが実現するのです。

今までのマンガン電池用セッティングではコースアウト続出。私のマシンもコースに収まりません。そこで今回ライトダッシュPROとレブチューンPROモーターを購入、交換して試行錯誤。

トルク>ライトダッシュ>アトミック>レブチューン>ノーマル

というラップタイムに。マシンは大径で面圧の高くなるハーフタイヤ(幅狭く加工)装着マシンを使用することに。

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(トルク+アルカリ使用)

まず1回目の走行。モーターはアトミックチューンPROを使用。同じ組で対するドルさんはなんとノーマルモーターを装着。亀さん作戦のようです。

いざ、スタート!どっかーーーんん!!

ああああ、ウサギさん作戦の私はやっぱりコースアウト、1回休みコースだあ。

スタートして直後はアルカリ電池が元気なためにコースアウトが続出。さすがに3回連続でということはありませんが、2周に1回はコースアウトするという展開に。ただこれを数周させると電池が消耗、ラップタイムが落ちてきて安定してきます。

すると先行するノーマルモーター装着のドル号を捕捉、ついに逆転です。ウサギが亀にかった瞬間。

ところがほぼ半分の残り5分となったころ、ドル号がノーマルモーターからトルクチューンPROモーターに交換。ウサギと亀が入れ替わる瞬間です。

トルクと比べてアトミックは消費電力が大きい、つまり燃費が悪くラップタイムもかなり落ちてきました。一方ノーマルモーターを使ったドル号は電池の消費も少なく、トルクに換装して1秒近く早いペースで追い上げてきます。

これは危険な予感。

どんどんと追いつかれてきてます。迫り来る残り時間。そしてゴール!

周回数は私が61周、ドルさんが60周! 1周差で逃げ切りです。

さてこれで安心していられないのが耐久レース。同じ組の人との勝ち負けはまったく関係なく、全員の周回数、さらには2回分合算して競われるわけですから予断を許しません。

1回目のアタックを終え、1位の62周に続き2位で折り返します。

さて2回目の予選アタック。電池もずいぶんと消耗したことだしということで、今度はトルクに換装してのアタックです。

2回目は、、、よくおぼえていません。とにかくやっぱり最初コースアウトしてしまい、必死こいて再スタートさせていたような。周回数はドルさんといい勝負、しかし2周差を逆に追う展開に。コースアウトが多かったためその分差がついていたのです。じりじりと追い上げていますがどうにも近づきません。1.5周差になったところで運命のカウントダウン・・・

3、2、1秒前!

そこでわがマシンがカウンターをすり抜けて、0秒!

ドル号62周、私が61周と1周差につめ、2台の合計はともに122周!勝負の行方がますます分からなくなってきました。

そして2回目の予選が進み、なんと別の組でも同じことが。2台の合計がともに123周!で同率1位です。

そのため決勝は2台で2組走行、30分の周回数で競われることに。つまり決勝進出しました!やった!久々の決勝進出!

耐久の決勝は変則ルール。アルカリ1セットにマンガン電池1セットの合計4本が支給され、そのうちマンガン電池で最初の20周を周回しなければいけません。

ジュニアクラスのレースをみていると、電池の接点圧が不足して走行できなくなるマシンが2台ほどでており、なかなか予断を許しません。

決勝レースにはマンガン電池使用のラップタイムも考慮し、トルクモーターで望みました。しかし今から考えるとこれはウサギさん戦法でしたね。

マンガン電池を装着していよいよ決勝レーススタートです。スタート・・・

どっかーんん!!

あああ、やっぱりマンガン電池でも飛びます、飛びまくりです。またもや再スタート・・・これを数周繰り返してようやく落ち着きます。トルクを使っているのでラップタイムは速く、規定の20周にあっという間に達します。

しかしここからが大問題。というのもマンガン電池でもこれだけ飛ぶし、新品のアルカリをいれたらどうなることやら。悩んで結局21周目に電池をアルカリ2本に交換。

どっかーーーんん!!

あああ、もう。

どっかーーーんん!!

うわーーー

どっかーーーんん!!

えええーーー

どっかーーーんん!!

まじでーーー

どっかーーーんん!!

うそでしょ

どっかーーーんん!!

いい加減にしてくれーーー

・・・

とまったくもって入ってくれません。まったく周回数を刻めずこらあかんということで急遽電池交換、1本をアルカリからマンガンに戻し、1本アルカリ+1本マンガンという変則パターン。その間ドル号はたんたんと周回数を重ねます。

結局勝負はこれでほぼ決まり。ラップタイムが速い私が追い上げますが、周回数が6周までつめたところでさらに電池交換1本アルカリ+1本マンガン、そして最後に2本アルカリを投入。しかし電池交換後必ず数回コースアウトして周回数が9~10周まで開いてしまうという結果に。その後周回をつめましたが時間切れ、結局

ドル号167周、私162周でゴール。

速さの制御もそうですが、マシンのジャンプ姿勢の悪さ、不安定さが課題となった一日でした。


(左レーン:ドル号、中央:私)

もう一組の決勝レースは我々の苦闘を見ていたため、最初からアルカリ2本という無謀なことをせずにアンパイな、アルカリ1本+マンガン1本の単セル交換を実施。ハイペースで周回を重ねます。

ところが一人はピットイン時のマシン修正に手間取り、そしてもう一人は電池交換で逆に電池を入れてしまうという失策を犯してしまいます。圧倒的に有利と思われた二人でしたが、終わってみると

166周と163周でゴール!?

え、つまりドルさん優勝です! おめでとうございます!!

それにしてもこの1周差という僅差での優勝、はかったかのような電池逆挿しやマシントラブル、運命的ですね。実はドルさん、3月で実家へとUターンしてしまい在京でのレース参加はこれが最後。そんなメモリアルレースだったのですが、見事優勝です。まさに有終の美を飾りました。

ジュニアクラスの優勝ラップは162周、私と一緒。つまり淡々とコースアウトせずにラップを刻んでもこれくらい周回できる見本でした。いかに大人たちがアタフタしてコースアウトしたり、いらぬマシントラブルや電池交換でミス、ロスをしていたかがよく分かります。

とはいえ初めてのアルカリ電池、そしてウェットコンディションからのレーススタートで刻々とかわるコース状況。後から冷静に分析することはできますが、レースの最中はコースアウトしたマシンをコースに戻すので精一杯。これ、どんな体育会系と思うほどで頭脳プレーできませんでしたね。

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今回うちの子供はドライになった午後も小径レインタイヤ、アトミックモーター装着のままで2回目の予選アタックをし周回を伸ばせず。途中でほとんど電池切れになってしまいました。ウェットではない路面での小径レインタイヤはメリットがなく、かつ燃費が悪くなってしまいました。さらにコースアウトの衝撃でフロントFRPが曲がり、スラスト角が30度くらいついていたというオマケつき。これではラップタイムもあがるわけありません。

ということでひさびさに予選落ちです。しめしめ、たまには親の威厳を見せないとね。

さてジャンプ姿勢が悪い件です。前後重量配分を計ってみました。

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(子供マシン F: 43g R:63g)

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(私マシン F: 48g R: 46g)

子供のマシンは素組+重いナイトレージJr.ボディにリアバンパー+ブレーキ装着。私のマシンは色々と手を加え軽量化をしたもので、リアが20gも軽いです。

このリアの軽さが浮き上がりの原因になっているかもしれません。またスピードコントロールの面からもブレーキはあったほうがよく、どうやらワンタッチで取り外しができるブレーキユニットの開発に各方面が着手するという噂もあります。そうなれば電池交換時にブレーキをつけたり外したりすることもできますね。

また今回わたしは行いませんでしたが、レース時のモーター交換について。スピードコントロールのひとつの方法としてモーター交換はアリです。ただMSシャーシよりもその点は裏からワンタッチ(ツーアクション)で取り外しができるスーパーXシャーシ、スーパーXXシャーシが良さそうです。ただ電池交換は無加工だと表になってしまいますが。

巨大なJCJCスロープと、アルカリ電池のパワー。そしてバンク。

マンガン電池耐久は駆動効率の高さ、電気抵抗の低減(接点圧を高く)、電池交換の速さを競っていましたが、アルカリ電池はスピードコントロールという新しい局面に突入したようです。公式コース的なマスダンパーも有効かもしれません。いや色々な楽しみがありますね。ミニ四駆は奥が深いです。

今回もえのもとさん、レース運営のスタッフの皆さん、参加者の皆さんお疲れ様でした。雨の中大変でしたけど、とても楽しかったです。その後の送別会も楽しかったです。

ドルさん、優勝おめでとうございました。ぜひ遠征してもらって、その時は一緒に飲みましょう!

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(ドルさんの凛子マシン)


ミニ四駆:えのもと杯マンガン電池耐久レース(2010年1月)参戦レポート ([の] のまのしわざ)