高速渋滞は料金が原因なのではなく、ドライバーの技量と車両性能の問題も

世の中、高速道路の渋滞が問題となっていますが、

・1000円ETC割引になったから渋滞がひどくなっている
・高速無料化すれば(分散化して)渋滞が解消する
・高速無料化すれば、さらに渋滞が加速する

などなど意見がでています。しかし誰も指摘しないことがあります。それはドライバーと車両性能の問題。

根本的に忘れてはいけないのは、車はドライバーが運転するものということです。そしてそのドライバーは「免許」という、お許しを得るだけで18歳以上は誰でも運転可能です。学歴も体力も関係ありません。品性も不要です。視力が悪くなっても、年をとっても運転できます。

次に車両性能の問題。日本車はスポーツカーやヨーロッパ車と走行性能を競うような一部の高性能車のを除き、高速走行性能は問われません。100km/h巡航できればOKです。そのため、100km/h以上のフレキシビリティとよばれる加減速性能は弱いです。

特にミニバンやコンパクトカー、エコカーは当然。軽自動車はそもそもつい先ごろまで80km/h制限だったほどで、望むべくもありません。

さらに昨今の背高ブームで空力性能は落ち、安全性能向上のため重量は増え、環境対策でエンジン出力は伸びず、ギア比は低いです。

つまり全体的に「遅くなっている」、「加減速できない」んです。

これにドライバーの技量の問題。ドライバーの技量とは運転技術だけではなく、運転マナーやメンタリティも含めます。

昔は「高速道路は怖いから乗らない」という初心者ドライバーも多かったはず。しかし運転が簡単となり、車がコモディティ化することで意識が低下。まるで自転車を乗り回すかのように車をまさしくころがしてます。

自転車の運転マナーが日本のモータリゼーションを象徴していて、携帯メールしながら片手運転、信号無視、迷惑駐輪。自己中心的な行動が目立ちますが、これがつまりはドライバーの技量の素地となっています。

高速道路の渋滞にいえば、同じく自己中心的な行動、遅い車なのに追い越し車線を走る、追い越しても走行車線に戻りません。これにより何がおきるかというと、走行車線の方が空いているという状況。3車線あっても3車線がきちんと機能していません。

これにより本来もつ交通容量が発揮できないのです。

1000円高速や、高速無料化によって問題となるのは、実は交通量が増えるだけではなくこのような高速道路の運転マナーを実行しない、「準サンデードライバー」が増えることです。そして交通容量が減る、つまりボトルネックを作ってしまうこと。

実は高速無料化によって一番の問題はこの「準サンデードライバー」を「高速道路」という危険な道路にあげてしまうことでしょう。

ですから高速道路無料化の是非と同時に議論しなければいけないのは、運転マナーを上げ「準サンデードライバー」をいかに技術面、メンタル面、モラル面で鍛錬するかだと思います。特に自己中心的で全体最適解を考えないドライバーの教育面は急務です。

特に交通事故は危険性および渋滞の両面から憂慮すべき課題でしょう。

まず実施してほしいのが、以下です。

・走行車線に戻る、追い越し車線をずっと走らない
 制限速度で走行しているからといって、フタをしない

・上り坂ではアクセルを踏みこみ、速度低下をさせない
 速度低下する場合は登坂車線へ

・下り坂をうまく利用
 遅い車は下り坂で追い越しする

・事故は見ない(減速しない)
 事故見渋滞を招きます

・ガソリンは満タン、タイヤ空気圧は必ずチェック
 高速道路上での停車は危険。渋滞も招きます。

ハードウェアばかり目がいきがちですが、ソフトウェアも大事ですからね。みんなで上品ドライバーを目指しましょう。