ラブプラスの誕生日とCO2排出権取引とカーボンオフセットと

つい先日、ラブプラスの高嶺愛花さんが誕生日を迎えました。おめでとうございます。そして誕生日を祝う人続出。

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(喫茶店で愛花とケーキセット)

『ラブプラス』の美少女キャラクターの誕生日を祝う男たち続出! - ガジェット通信

・マナカお誕生日おめでとー
・おめでとう! 愛してる!
・マナカ、誕生日おめでとう! これからもずっと一緒だよ!!
・プレゼントかってねーから起動しずれー
・ケーキ屋でマナカと言うくらい、紳士には余裕だなw
・愛花にイヤリング買ったぜ!
・愛花誕生日おめ。んで、あさっては俺の誕生日
・やべえ! 明日会社にDSもってかざるを得ない。紳士力が試されているのか…
・しまった!! プレゼントはビキニを買ってしまった!!  来夏まで我慢できない…
・ブルーネックレス気に入ってくれるかな?
・愛花の誕生日と同時に今日は娘の誕生日。どうすべきか・・・・・
・あまり喜んでもらえなかった・・・・。でもこれもいい思い出になるはずだ
・マナちゃんにすごく喜んでもらえた。その後キスにもつれ込み
・なかなかいいねって言ってくれたけどキスはできなかった
・愛花、お誕生日おめでとう。一生愛してるよ!
・マナカかわいいよマナカ

・・・って、ゲームのキャラなんだから本当の意味での「誕生日」じゃないよ!と思いつつも実はケーキやプレゼントを用意して「祝う」という行為は現実のもの。

ゲームのキャラの誕生日を祝うなんて、バカじゃないの?という批判も数多くありましたが、私が感じたのはこうです。

祝うといってもバースデイケーキの中にNINTENDO DSを突っ込んで、

「ほら、愛花が食べてるよ!」

とかまでいってないんです。DSのヒンジを口にみたててパクパクさせたっていいのに(もし私がやるならネタでそこまでやるのですがw)皆やらなかったわけです。ケーキはおそらく自分でたべてて、愛花が食べているわけでもないし、そうも思ってないでしょう。

ところが現実社会ではこんなことが起きてます。

CO2排出ガスを25%削減しようとしてます。ところが普通の経済行為を行っているとどうしても達成できません。そ・こ・で・・・

CO2排出権を外国から買ってきて、25%削減したことにするというプランです。

排出量取引 - Wikipedia

排出量取引(はいしゅつりょうとりひき、英語:Emissions Trading, 略称:ET)とは、各国家や各企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を定め、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引(トレード)する制度である。「排出権取引」、「排出枠取引」、「排出許可証取引」、「排出証取引」。京都議定書の第17条に規定されており、温室効果ガスの削減を補完する京都メカニズム(柔軟性措置)の1つ。

予め各国に「CO2を排出できる権利」を割り当てます。これから発展途上にある国は経済発展する、つまりエネルギー消費をすることが想定されていますが、このCO2排出権を先進国に売り渡すことで、エネルギー消費、経済発展を抑制することになります。

ですからCO2排出と書いたほうが分かりやすいでしょう。

さてこのCO2排出券ですが、そもそもその分のCO2は現実には存在していません。あくまでも排出できる権利ですから。将来CO2を排出できる権利を買ってきて、その分のCO2を排出するということは、まったくもってCO2を削減したことになっていないのです。

完全に脳内での出来事です。

現実社会では意外とこの脳内出来事が幅をきかせてます。グリーン電力によるカーボンオフセットも同様の考え方です。

カーボンオフセット - Wikipedia

日本においては新エネルギーの普及を目的としたグリーン電力証書を用いてオフセットしていると公言している事業者も存在する。 グリーン電力証書は発電による環境価値を販売している。このことから二酸化炭素を排出しない発電という部分を環境価値と評価するならば、グリーン電力証書を販売した時点で、購入者の二酸化炭素排出量をグリーン電力発電事業者が排出したこととする「付け替え」になる。そのため、排出元の転換はあるものの、全体の二酸化炭素排出量自体は減っていない。

ラブプラスに置き換えると、「ケーキ食べちゃう券」っていうのを配り、その券を買ってきて

「愛花が本当に食べたんだよ!!」

と主張するようなものです。正直、現実社会の方が狂っているw

これで分かったのが世の中の出来事は、すべて脳内での出来事であるということです。

仮想が拡張されて、現実に近づいてきたのか、

現実が劣化して、仮想化してきたのか。

いずれにしても、脳内での出来事としては大差なくなってきている21世紀でした。

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