「宣伝費をネット広報にまわせ」の宣伝をネットでしています

私が働いている(株)ニューズ・ツー・ユーの代表取締役、神原弥奈子が共著者を務めた書籍「宣伝費をネット広報にまわせ」をざっと読みました。ざっとというのはかんばらさんが書いた章はすっ飛ばしたからです、すみませんw

この「宣伝費をネット広報にまわせ」の読者ターゲットはネットを24時間365日活用しきっている一般人ではなく、「旧来マスメディアが凋落して、ネットが力をつけてきているけど、どうしたらいいか分からない」とお悩みの企業の広報・宣伝・マーケティング部署、担当者です。そのためこ難しいネット界での事象や概念的なことは極力廃し、より具体的な出来事、事例などを紹介することに重点を置いているようです。

ここ昨今の、というよりもまさに2008年がターニングポイントになったという感が強いですが、もうTVはダメです。新聞はとっくにダメになりました。サブプライムを端に発した世界恐慌(といっていいでしょう)によって広告宣伝費は軒並みカット、新聞社は赤字転落です。すでにここ5年の傾向として4大マスメディアが凋落し、ネットが急進しているという図式に揺らぎはなかったのですが、世界恐慌でそれが一気に加速して趨勢が決まった感があります。

2008年はオールドメディアVSネットメディアの全面戦争の年になる ([の] のまのしわざ)

そういうことで、今年は天下分け目の決戦になる予感です。 物量に勝るオールドメディアか、機動性のネットメディアか。 とはいえ、歴史的にも、物語的にもこういう戦いの結末は明らかですよね。

そんな激動の中、企業の広報・宣伝・マーケティング部署の担当者はかなり困っていると思うのです。私が講師を務めたセミナーで質問をいくつか受けたのですが、ブロガーマーケティングをやってみたいのだがネガティブ情報が出るのが怖い、企業ブログをやった場合炎上リスクとどう向き合えばいいのか、といった内容が多かったです。

答えはこの本に、、、といいたいところですが、実のところネットマーケティング業界全体で暗中模索状態。いやある程度答えの方向性は見えてきているのですが、それが従来の常識とあまりにもかけ離れているので誰もが認められない、認めたくないといった拒否反応がでている気がしています。

簡単に言うと、従来の常識がネット時代の非常識、従来の非常識がネット時代の常識となっている点です。具体例をあげると「広告をうてば商品が売れる」。これが成長期の常識ですが、今ではそうではありません。広告の効果が分からない、見えない、商品が売れない。焦燥感がある上に昨今の世界恐慌で予算カットですから、そのままでは広告費の削減はさらに商品が売れないというネガティブスパイラルに入ってしまいます。

また「広告は企業から発信する情報を意のままに操れる」のが常識でしたが、ブロガーマーケティングにおいては疑問符がつきます。結論からいうと、おそらく違うでしょう。まずブロガーマーケティングは広告ではないという点。そしてブロガーを買収(?)することができない点。これは値段の問題ではなく、志の問題です。志の高いブロガーはお金だけでは動きません。いや逆にお金を嫌う傾向も見えます。

そんな激動の時代だからこそ過激なタイトル、「宣伝費をネット広報にまわせ」になったのでしょう。とにかく宣伝費を従来メディアに落としていても先がない、ネット広報(ネットPR)にまわして挑戦せよと。

個別企業のことはよく分かりませんが、宣伝費がカットされたとしてもゼロにされることもないでしょうし、予算削減ではより効率が求められます。その点ネットの場合は効果をより具体的な数値で表すことが比較的容易ですから、効果を見て試行錯誤することができます。とはいえ、ブロガーマーケティングしたら商品が売れます!と直結することは少ないですが、Amazonなどアフィリエイトの数値を見ればその関連性は見えてきます。

宣伝費をネット広報にまわせ」にははネット広報への挑戦のヒントが隠されているように思います。各企業、業種、業態、規模によって事情が異なるわけですが、逆にいえば「ネットを使わない」という選択肢はありえません。それは今から「電話線やめて、郵便だけにする!」というようなものです。お値段は1700円と微妙な値段ですが、とりあえず冬休みの課題図書としてもいいかも知れませんね。

以上、ネットで宣伝してみました。


宣伝費をネット広報にまわせ―戦略的マーケティングのすすめ
宣伝費をネット広報にまわせ―戦略的マーケティングのすすめ濱田 逸郎


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