最近は新東京タワーができると話題ですが、われわれの世代にはやっぱり「東京タワー」といえばこちら。ゴジラに潰される方です。
さて先日、この東京タワーの設計図を撮影する機会を得ました。その設計図とはこれです!
おいおいおーーーーいっ!と突っ込みたくなるほど大雑把な図。しかし頂点にはきちんと332mと設計当時の高さがすでに記載されてます。さらに・・・
こちらにはよくみると各大型台風による風速が記載され、例えば室戸台風では風速45m/secを記録したことがかかれ、振動によるたわみのグラフまで描かれています。手書きではありますが、内容は実に深いです。
この設計をてがけたのが内藤多仲博士。「耐震構造の父」と呼ばれ、日本全国の有名な塔の設計をしています。
内藤多仲 - Wikipedia名古屋テレビ塔(1954年)
さっぽろテレビ塔(1957年)
東京タワー(1958年)
通天閣(二代目)(1956年)
各種電波塔も設計していますから、日本のテレビ放送をも支えた、「テレビ放送の父」といってもいいかもしれませんね。
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タワー―内藤多仲と三塔物語 (INAX BOOKLET) (INAX BOOKLET)
建築・都市ワークショップ 今藤啓 石黒知子
p.s.
本当の設計図はこちら。日建設計によるものですが、きちんとしてますね(当たり前ですが)。
月光蝶
つい先ごろ、「塔博士」こと内藤多仲先生の話を「Dr.猫柳田の科学的青春」二巻あとがきで読む機会がありました。
フリーハンドで東京タワーを設計する!
さすがは塔博士と思わされますが、この本、東京タワーに関する逸話が幾つか掲載されていまして、
・伊勢湾台風の真っ最中、塔博士(当時73歳)が弟子を引き連れて東京タワーに出現!
なんと、伊勢湾台風が起こす東京タワーの振動状況を調査しに来たという。
調査結果:頂点部での振動43cm(設計限界未満)。
偉大なり塔博士。
あの伊勢湾台風の最中に来る73歳の博士も凄いですが、鉄の統率で付いて来る弟子の研究者たちも、この師匠にしてこの弟子ありと思います。
科学的に(笑)、危険はないと判断したのか、師の技術に絶対の信頼があったのか、それとも塔博士が鬼だったのか(笑)、興味深いところです。
tnoma
貴重な情報ありがとうございます。
伊勢湾台風時に来るというのは、なんとも体育会的でスゴい逸話ですね。実測して理論にフィードバックするのがまさに工学的です。