エコラン(低燃費走行)できる7つの法則

1.6リッターといえどもツインスクロールターボのエンジン+オートマで、リッター17キロオーバーを記録できました。そこでエコラン(低燃費走行)の方法をまとめたいと思います。

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(写真:瞬間燃費21.8km/L)

エコランは通常とは異なる運転テクニックと知識が要求されます。いわば別の競技といっても過言ではありません。

【物理法則】

まず覚えておかなければいけないのは物理法則。特に、

1) 慣性の法則(運動の第1法則)

2) エネルギー保存の法則

です。

1)慣性の法則は、一旦動いた物体はその速度を維持しようとする、というものです。そして2)エネルギー保存の法則は、位置エネルギーと運動エネルギーの和は一定である、といったものです。

さてこの二つがエコランにどう関わるか。燃費Nとは

燃費N[km/L] = 走行距離 D [km] / 使用したガソリン G[L]

で求められます。そうなると走行距離Dを伸ばし、使用したガソリンGを少なくすることが必要です。上記2つの物理法則は走行距離Dを伸ばすのに有用です。

具体的には

A) 一定速度で巡航する

B) 下り坂で加速して車速をかせぐ

を実行しましょう。

A)は慣性の法則にしたがい、一定速度に達した状態であれば少ないガソリン量でその速度を維持することが可能です。いわゆる定速燃費が良いのはそうした理由です。

しかし道は平坦ではありません。

B)はアップダウンがある道の場合、下り坂は極端な話をするとどんどん速度を出し、上り坂ではアクセルを踏まずにおきます。位置エネルギーが運動エネルギーに、そして運動エネルギーが位置エネルギーに変換される物理法則のままが一番効率がよいのです。

これが基本法則です。

【アクセルワーク】

次に大事なのはアクセルワークです。ガソリンの噴出量、つまり消費量を決めるのはアクセルペダルです。従来のエンジンではスロットルバルブにアクセルワイヤーがついて、アクセルペダルでこのワイヤーをひっぱってスロットルを開ける、閉じるといった操作をしていました。

ところが最近の車はDBW(ドライブバイワイヤー)で電子制御になったり、MINIのように直噴によりスロットルそのものがない車も多くなってきています。

MINI Clubman Sは直噴+ターボなので、もうひとつ考える必要があるのは過給圧です。

排気をつかってタービンを回し過給をするターボの場合、パワーはこの過給圧によっても決ります。つまり取り出せるパワーはエンジンの回転数と過給圧、そしてガソリン噴出量によって決ります。ただこれらはすべて電子制御となっているので、アクセルワークひとつですべてが変わります。

エコランする場合、以下に気をつけます。

・過給圧はあげる(パワーを取り出す)

・ガソリン噴出量は減らす

過給圧をあげるには回転数をあげ、アクセルをふみ気味にしたほうがよいです。しかしガソリン噴出量は増えます。アクセルを踏まないようにすればガソリン噴出量は減らせます。しかしパワーがでません。

ということで上記を視覚化するいいものが、

・瞬間燃費計

です。この瞬間燃費計を見ていれば燃費がいいのか、悪いのかの状態が一目瞭然です。

この瞬間燃費計と回転数と速度とにらめっこし、アクセル開度との関連を身体で覚えて、

どの回転数、どの速度で、どれくらい(少ない)アクセル開度で低燃費でかつパワーがでるかを感じ取ります。そこがもっとも高効率なところです。

湾岸MIDNIGHT風にいえば、インジェクションから吹かれる燃料と、タービンの回転と吸気圧をイメージし感じ取るようにします。

【ドライビング方法】

以上を理解した上で、以下の7つの方法を実行しましょう。

1) 高効率のアクセル開度で巡航速度まで加速

2) 一定速度で巡航

3) 回転数、速度、瞬間燃費計を常にみてチェック

4) 下り坂では加速、アクセルを開け気味

5) 上り坂では燃費が悪くならない程度にアクセルを絞る

6) 追い抜きは一定速度で行う(後ろから来る車の邪魔にならないように)

7) カーブで減速しすぎない

特に重要なのが4)です。日本の高速道路の場合アップダウンが多く、少しでも下り坂になったらアクセルを少し開けて加速します。これをしておかないと上り坂になったときに速度を維持しようとアクセルをあけて燃費が悪化してしまいます。

そして7)も重要です。ブレーキは基本踏まない、減速しないようにしましょう。ハンドルをきった抵抗だけ速度は落ちますので、無理して減速する必要はありません。最悪なのは減速しすぎてその後アクセルをあける=燃料を無駄に消費することです。

MINI Clubman Sの場合は6速 1900回転、100km/h巡航がもっとも効率が良いようです。80km/h巡航だと5速におちるため燃費が伸びませんし、逆に120km/hだと回転数が上がりすぎてこれまた燃費が落ちます。ただ下り坂であればアクセルオフで走れるのでその場合は速度をだし気味の方が燃費がよくなります。

いずれにしても瞬間燃費計が常に平均燃費よりも上になるように心がけて運転すれば、必ず燃費は向上していきます。

皆さんもエコランして、地球温暖化防止に協力しましょう(笑